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違う国


「隣の国は海沿いにあるけどこっちの国は内陸なんですね」

 アリサの実家も内陸なのでそれは珍しくない。

「やっぱり海産物は高いんですか」

 料理人に尋ねる。

「あんまり、こっちの人は海産物をとらないからな、あまり買わないよ」

「そうなんだ」

 干し魚あたりはたまに入ってくるが、かなり高価なので、アリサはほとんど食べたことは無い。サヴォワにいたときは食べさせてもらえなかった。

 なんでも魚介類は貧民の食べるものなので、王宮では出なかった。 

 国によって価値観って違うなあとアリサは思った。

「この国は海を恐れる」

 アリサはその言葉を不思議そうに聞いた。

 アリサは内陸国の出身だが、海を恐れたことはない。

「なんで?」

 アリサは首をかしげていた。

「アリサ、坊ちゃんたちをお願い」

 ネリーの声にアリサは慌ててアリサは奥様の部屋に向かった。

「アリサ、あとしばらくしたら実家に帰りますから」

 奥様は何やら荷物をまとめている。

「実家に帰るって」

「もう誰もいないんだけれど、たまには帰って手を入れなければならないの」

 実家は奥様の両親が亡くなって以来空き家状態らしい。その空き家も持参金の一部というかその家しか持参金はなかったそうだ。

 以前は広大な土地を持っていたらしいが、その土地を切り売りすること二代、その結果家しか残っていない状態で、結局財産家と身分の相互利益の結婚をして今に至るらしい。

 まあ、良くある話だよね、とアリサはそのあたりはつっこまないことにした。

「実家までどのくらいあるのでしょうか」

 そこそこかかるだろうと出されている荷物から推測できた。

「十日ぐらいかしら、途中は野宿よ」

 なかなかハードな旅路だった。

「大丈夫よ、最初から宿泊施設付きの馬車だから、馬車置き場にあるから」

 そう言われたのでアリサはあとで確認することにした。

「ネリーさんも一緒ですか?」

「そうよ、ネリーはあなたにも覚えてほしいって言ってたから」

 そう言いながら子供服を並べていた。

「そうなんですか」

 アリサは子供たちを相手にしながら旅行用の鞄を物置から取り出しに行くことにした。

 アリサは物置に子供を連れていく。

 置いてあるものはいろいろある。

 何やら見慣れないものもあるが、この辺りは気候が違うのかもしれない。気候が違うと使う道具は色々かわる。

「あっちはあったかいんだよ」 

 マティアス坊ちゃんが無邪気に言う。

 アリサは周囲を見回してちょっとした樽ほどの大きさの鞄を見つけて引っ張り出した。



 

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