日本へ
よっす。やきいもです
最近挨拶がぞんざいになってきてますね。
前書きも短いですよね。すみません。善処します。
でも!前書きって書くの難しいんですよ。
下手に書くと内容に触れてしまいそうなのが怖くて。
それでは、廃都市。スタートですっ!
トンネルを抜ける頃には最早なにも考えられなくなっていた。いつもなら走破にかかった歩数を数えて暇を潰すんだが、5000歩を超えたあたりから諦めた。もう自分がトンネルを歩きながら何をしていたのか例の出来事以降のことは何も覚えていない。いつもならこんなに長いトンネルとかを行くときは絶対途中で寝てしまうのに、あんのガラクタ今度も会ったらけちょんけちょんにしてやる。最大限の愛情を注いでぶっ潰してやる。よくもまぁ車吹き飛ばしてくれたよな。って念じながら進んでたらいつの間にか向こうに光がちらついてきていた。
あーでもそろそろダメだ。腹が、減りすぎて・・・・・
なんで空腹って?この前食料見つけたじゃんって?そう思うでしょ?
あの産業廃棄物に車もろとも消されました。
はい。
俺の十数年分の努力が水の泡にもならずこの世から消えました。食べるのもったいなくて5年くらい熟成させてた肉とかもあったのに。
当然、常温で。
ただ5年放置しただけだろってお前いま思ったな?分かるんだからな。喧嘩売ってんのか?
いやまぁ、どこに置いてあるのか分からなかったていうのも理由としては数えられなくもないよ?うん。でもな・・・・・え?見苦しいって?すいません。正直どこにあったのかさっぱり分かりませんでした。
でもこれから本当にどうしよう。この前は役に立ったスナイパーライフルだって今はただひたすら重いだけだ。もういっそのこと捨ててしまうか。不本意とはいえ参式小銃もあることだし。この前みたいな自律人形と戦闘になるのだとしたら戦えないことはない。
むしろ子供の俺からしたら参式小銃の方がいいのかもしれん。あのライフルは反動が強すぎて1発撃ったらしばらく俺の方が動けなくなる。持てるなら両方欲しいが現状を考えればどちらかを捨てるのが合理的だ。
僕は悩みに悩んだ結果
「んー、こっちかな」
ゴトリ、と重い音をたてて、スナイパーライフルが地面に落ちた。続けてカンカラカラと軽い音で弾薬が落ちていく。
「行くか」
返事はない。つぶらな瞳でただ俺を見ている。
◆ ◆ ◆
「空気が汚いですね」
そう言って障壁を展開する。現在の空気汚染指数は78。大戦前の空気汚染指数は23と記録されているからおよそ3倍強といったところか。最先端技術の権化である自分にそんなものは関係ないが、それでも気にしてしまう。ベースが女の子だからかしら。それとも元人間としては当然の感情だろうか。知識的全知の自分から見たこの世界には未知が広がっている。駆動系とメモリの限界が来るまでは自由を楽しむとしよう。
「・・そこでレイタくんに会えたらいいな♡」
とりあえずはあの忌々しいクソデブのいるこの建物から出るとしよう。あれに仕えるのだけは無理だ。生理的に受け付けられない。
ただ、自分の外見を無機質な機械の鉄面ではなく、17歳くらいまで成長したアーリアの顔と体にしてくれたのには感謝だ。レイタくんに会おうというのに自律人形だったら目があった瞬間殺されかねない。彼はあれで気性が荒いんだから。クソデブに無理矢理自律人形との試験戦闘に駆り出されてた時や、興奮したときとかはいつもは一人称が「僕」なのが「俺」に変わる。まあ私はどっちもカッコイイと思う。ちなみに彼はどの機体との戦闘でも無敗だった。でも、今の私と同じような1機で戦況を変えうるような、自律AI神式にはさすがに勝てていなかった。人間の脳に限りなく近づけたAIは厄介らしい。行動の予測ができないとかなんとか言っていた気がする。
確かここを抜ければ敷地外のはずだ。正門前には白兵兵装のRo-ninが2機配備されていたはず。
「リハビリテーションといきますか」
歩みを進める。
◆ ◆ ◆
「んふふ、んふふ、んふふふふ~♡」
未踏の土地だからきっと食料が豊富なんだろうな~とは思ってたけど、なによこの量は!しかも国が違うからなんだろうが見たこともない物ばっかりで楽しい。今夜の夕食は豪華になりそうだ。
持てるだけの食料を抱えて急造の拠点に戻る。ライターで火を熾して、拾った薄めの鉄板に食材を放り込んでいく。チーズとか元から腐ってるらしいから腐るっていう概念ないでしょ?鍋とかは見つからなかったし、まとも(?)な料理はしばらくお預けだ。捕った魚が焼けるまでの間にクッキーをかじりながら今後の計画を立てる。
とりあえずすべきことは鞄を見つけること、移動手段として車かバイクを見つけること、
しっかりとした拠点を決めること、飲み水の確保。最も優先するのは飲み水の確保だな。車と一緒に吹き飛ばされたから今の俺の手持ちの水が俺の命の残量と言えるだろう。明日は水場を見つけたらそこにビーコンを置いてから鞄を探しにいこう。あのトンネルを超えたら本土らしいから行き過ぎないようにしないとな。とりあえずここにもビーコンを置いておくか。
ところで魚焼き上がるの遅くない?いつもならそろそろ香ばしい空気が辺りに充満してくる頃な・・んだ・・・・・が・・・・・・・・・
「おいお前、一体なにをやっている」
向こうを向いてもぞもぞしている小さな背中に呼びかける。その四足歩行の生き物はビクンッ!!としたかと思えばゆっくりと振り向く。口元には鱗と思しきものと少しばかりの骨、足元には魚の頭が1つと食べかけが1匹。
・・・・・・・・・・え?食べかけ?
えっと、俺が魚を2匹とって、1匹ずつだなーって言ったろ?1匹ずつって・・・・・・・・・・
「おい貴様、その魚は俺のだ。よこせ」
俺がそーっと手を伸ばすと、、、
「フシャァァ!!」
痛っ!こいつ主に向かって猫パンチ喰らわせやがったぞ!人様の飯奪った挙げ句このまま食い続ける気とはいい度胸してんな。
「こらっ、てめ、それ返しやがれ!」
怒濤の勢いで手を伸ばしていくがそれをまるで見切っているかの如く華麗に躱していく猫ちゃん、ヨーロッパを出てからの道中2年でありふれ過ぎた光景。いまやガリガリだった子猫ちゃんは主の僕よりも栄養状態は遙かに 良いことだろう。で、こうなってしまったら
「すいませんでした。降参します。」
猫はこちらをみて「ふふん」とどや顔をかました後、満足そうに食べ始める。俺の飯を。
え、俺?クッキーをもそもそ食ってる最中ですがなにか?
まさかこんな形でこいつに後悔するとは思わなかったよ。過去に戻れるなら自分に言ってやりたいね。
「そいつは捌いて食え!」
ってな。
いかがでしたでしょうか。
後書きも定型化してますね。すみません。善処します。
でも!後書きって書くの・・・・・・・・・・・・・・・
そんなに難しくないですね。すみません。怠慢でした。努力します。
いよいよ次回で序章は終了です。もたもたしながらの展開に歯がゆさを感じていた方。お待たせしました。
ちょぴっとだけネタバレです。ご注意を
次回で少年の名前が明かされます。察しの良い皆さんですのでもう気付かれている方も多いのではないでしょうか。
謎キャラだった猫の素性も判明します。
それと
ちょっとイチャイチャし始めます