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廃都市  作者: やきいも
1/5

序章 ~邂逅~

はじめましての方ははじめまして。

カクヨムにて既にご存知の方はお久しぶりです。

最近投稿を疎かにしていました。すみません


本作は既に終焉を迎えた世界を征く少年とアンドロイドの物語です!タイトルのシリアス度に反してギャグ強めの傾向ですが、お楽しみいただければ歓喜のことこの上ないです。


前書きで内容にあまり触れるものでもありませんね。


廃都市、どうぞお楽しみください

僕は走る。その日を生きるための必要最低限をさがして。今日も今日とていつもと変わらぬ無感動な日のはずだった。


 2358年、人間の引き起こした大規模核戦争によって世界、否、地球の4分の3は焦土と化し、おおよそ生物と言われるものは総て生存不能の現世の地獄と化した、と書物には記されていた。奇跡と言えようか災難と言えようか、たまたま旅行先のスイスの知り合いの家にあった核シェルターで、そこの娘さんと遊んでいた僕達は助かった。ちなみにその頃の記憶はもう無いし、核シェルターに居た理由も知らない。ただ気付けば娘さん、アーリアちゃんはどこにもいなかったことだけはよく覚えている。それから僕のアーリアちゃんを探す旅兼生活が始まった。最初は何とかなった。不思議なことに食べ物は十分に残っていたし、シェルターで暮らすこともできた。10歳の僕に行ける所は何処へでも行き、アーリアちゃんを探した。ヨーロッパはほぼ全部回った頃だったろうか、その頃僕は14歳で幼くない思考回路を持ち合わせていたからこれ以上アーリアちゃんを探しても事態は一向に変化しないことを悟ってしまったのだが、どうやらそれがいけなかったらしい。僕は途端にすることが無くなって途方に暮れてしまった。ただ生きるための作業をするようになったのは記憶に新しい。冷静に世界を見ると、誰も居ない世界は地獄よりも地獄だった。究極の無音と虚無がそこにあったのに気づいた時、僕はこのうえない恐怖を覚えた己を恐怖させるものなど何も無いというのに。でも怯えていても何も始まらない、僕は恐怖を抑え込み機械的に動き続けた。そして時は流れ、今に至る。


僕はまだ、無意味に生きている。




◆ ◆ ◆





「ったく、んだよ?何にもねぇぞ最近」


 思わず呟いてしまうほど何もない。少し前までは車もあったし、それを動かすためのガソリンもあった。車はそこら辺に転がってる状態の良い物をもらう、ガソリンにおいては実に単純明快で、被害の小さいガソリンスタンドや動かない車から拝借する。人に誇れるような行為とは言いがたいけども、そもそもこの世界には人が居ないから誇るもクソもへったくれも無い。これが僕の全て。これで日々は十分だった。あても無く車に乗って何処かにいく、何も無いけど、楽しんでた。なんか文句ある?

 でも今はそんな事を考えることすら出来ない状態にある。

つまり・・・・・・・・・・

 どこにもガソリンが無い。車は僕が行動を始めたときに、1番最初に使い方を覚えた道具だ。これのおかげで僕はヨーロッパを巡れた。まさにパートナー・オブ・マイライフ、でもそれの燃料が尽きようとしているという。もはや絶望でしかない。なんせ楽しみが無くなってしまう。僕がそれに気づいたのは2ヶ月前の事だ。いつも通りそこら辺を歩き回って、メシを探し、燃料を探す。なんの変哲も無い、僕からすりゃあごくごく当たり前の日。でもそんな当たり前は、いとも簡単に狂った。ガソリンが消えたせいで。今からどうするか考える必要があったが、アホな僕は少しも迷わなかった。


「そうだ、日本に帰ろう!!」


という意味不明な思考回路で存在しているかすら怪しい日本に行くことにした。今は荷造りみたいなのをしている最中ってとこよ。もう良い。僕のことはどうでも。どうせ誰も居ないんだしネ。

んで、さっきからいろいろ探しているわけだけども!


「ねぇよぉぉぉぉぉ!!!!!!!なーんもねぇよぉぉぉぉぉ!!!!!!!」


虚空に向かって叫んでしまった。

クッキーくらいあったって良いでしょうに!?どこを見ても埃!埃!埃!!!!!!殺風景すぎてもう涙も出ねぇよ!もう作業を続けて6時間は経っているのに袋の中はすがすがしいまでに、からっぽ。ここ数日ずっとこんな感じだよ、もう備蓄もちょっとしか無い。置いておきたいんだけどなぁ、保存の利くものは

・・・・・・・・・・お?


「ん?なんじゃこれ?」


そう言って僕は少し小さめの金属の円柱をゴミの山から取り出した。貼ってあるラベルみたいなのを見てみる。かなり色あせしてて詠みにくい。


「お・・・・・いしい・・・・まぐ・・・・ろ?」


え?マグロ!?マグロ!?しかも缶詰めかよ!!!!これめちゃんこ大当たりじゃね!?もうちょい探せばあるんじゃない?

ひらがな表記が1番嬉しいわ!読めるもんね!字が!


「ひょー、大漁大漁!!」


探せばわらわら出てくる出てくるマグロ缶の数々。もう笑いが止まんなかったね!ここは天国じゃないの、ってくらいだったわ!これで一気に目標の量の食料は集まったし、あの宝山の中から水も十分に入手できた。ガソリンも死ぬ気で集めた。その名の通り、ヨーロッパ中を走りまわって←膝が砕けるかと思った。準備万端そのものよ!旅立ちは明日!起きたら出発。起きれなかったらまた次の日、ということで!


おやすみー

閲覧、誠にありがとうございました。


廃都市、いかがでしたでしょうか?


ここから少しばかり長い序章に突入いたします。


少年の正体。未だ登場していないアンドロイド。

「アーリアちゃん」の現在等々、これから明らかになりますのでお楽しみに!


それでは、また次回。お会いいたしましょう。


究極の静寂に包まれた世界にひととき、貴方を

お連れすることのできますように



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