表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者召喚が失敗らしいので異世界に転生します  作者: shibatura
第2章 学生生活と冒険者生活
23/61

第21話 初めてのレベルアップ

 なんかよくわからないうちにスキルと称号が増えた日から3日後、ついに人生初めてのレベルアップの時が来た。

 昨日は前世から数えて、すでに20年以上生きてきて初めて、楽しみ過ぎてなかなか寝付けなかった。

 少し寝不足気味な状態だが、勇者の称号のおかげで活動には問題ない。


「おはよう」

『おはようございます』


 いつものように全員そろっての挨拶を受ける。

 さすがに入り口から並んで挨拶されるのは、前世での“おかえりなさいませ、若”を思い出すのでやめてもらっている。

 というような感じでいるがいつもに比べて、周りの視線が、何か期待しているような感じがする。

 そういえば、誰と組むとか決めて、今日の朝に発表すると言っていたっけ。

 といってもスキルで強引に解決しようと決めていたので、今いきなりと言えない。

 なので、とりあえずはグループを組むまで置いておこう。

 という訳で、担任が来るまで期待の視線を受けつつ過ごす。


「皆さん揃っていますね。早速ですがレベルアップの儀の準備を始めてください。準備が終わり次第、演習場の方に集まってください」


 ミーナス学級担任はホームルーム到着次第、出発準備をするように指示すると、すぐさまホームルームから出っていった。

 クラスも支持されたとおりに、準備をするために行動を開始する。

 私は、使用する杖と着替えを持って、更衣室へと向かう。

 さっさと着替えを済ませ、杖と小さなナイフを持って集合場所である演習場まで行く。

 演習場まで行くと、そこには見知った人物を発見する。

 私はその人物のところまで近づき声をかける。


「お久しぶりですねガイルさん」

「おお!ネリアか。今日はよろしくね」

「よろしくお願いします。それにしても支部長自らやるようなことではないでしょう?」

「まぁ、そうなんだが。今年はちょっとばかり気になることがあって参加するんだよ」

「そう、なんですか…。それって私が参加するからですか?ひょっとして」

「あ~、まぁ、そういうことだな。私も初めてネリアが実際に魔物相手に戦うところを見れるかと思ってね」

「それでも相手はスライムですよね。そこまで期待しているような事は、起こらないとは思いますが」

「そうであってほしいものだね」

「まるで私が問題を起こすみたいに聞こえるんですが」

「はは。あ~、そろそろ時間だから、その話はいつかという事でね」


 そう言って話を切られてしまった。

 といっても、すでにクラスの全員がそろっているので、これ以上待たすのも悪いので、皆のもとに向かう。


「それでは皆さん、準備は良いですか?では、これより今回の行事のお手伝いをしてくれる冒険者ギルドの方たちを紹介したいと思います」


 そう言って、後ろから10人ほど前に出てくる。

 今回参加している冒険者は、すべて私が見たことのある人たちであった。

 大体中堅の冒険者たちだ。


「それと今回ギルド連合から、この冒険者ギルドの王都支部の支部長さんも参加するそうなので、彼ら冒険者の代表として挨拶をお願いします」


 そう言われて、支部長のガイルが前に出てくる。


「え~、紹介にあずかりました国際冒険者ギルド連合、冒険者ギルドミドルテッシモ王国王都支部支部長のガイルです。今回は、皆さんのレベルアップの儀のサポートをさせてもらいます。今回参加している冒険者は、中堅どころの冒険者なので、皆さんは安心して頼っていただいても問題はありません。それでは皆さんの健闘を祈ります」


 軽く挨拶をしてから、後方に下がる。


「それでは、これからいくつかのグループに分かれてもらいます。大体5人ほどでグループを作ってくださいね」


 という事で、グループを作ることになるのだが、誰も動こうとはしない。

 どうやら私が最初に誰かを指名してからでないといけないらしい。

 といっても誰でもいいので、目についた人を指名することにする。

 ついでに不満が出ないように、上位者スキルに、称号の妖艶なる女王も意識しておく。

 称号はスキルと違って、明確なON、OFFと出来ないが、必要な称号を強く意識することで、効果を強めることができる。


「それじゃ、ラピスさんと、カリームくんと、ウィズリーくんと、ミランダが私のグループね」


 そう指名すると、皆それぞれのグループを作り始める。

 やはり私が指名するのを待っていたようだ。


「グループ分けも済んだようなので、それでは迷宮に向かいますよ」


 ということで、私たちは演習場から歩いて10分ぐらいのところにある、学院が管理している演習用の迷宮へと来た。

 この迷宮は基本的に学院によって管理されており、そのために出現する魔物は低級の魔物だけである。

 さらに今回は安全のために事前に、今回の相手であるスライムのみを残して、ほかの魔物はすべて討伐されている。

 そんな迷宮の前まで来ると、それぞれのグループに護衛の冒険者が付く。

 一通りグループ内で挨拶をしてから迷宮の中へと入っていった。

 迷宮内部の通路は、かなり広く、さらに変に曲がりくねったりしていないため、いきなり奇襲を受けるといったことは少なくなっている。

 そして私たちのグループには、護衛の冒険者ではなく、支部長のガイルが護衛を担当している。


「それにしても、いつもこうなのかい?」

「どういう意味で、ですか?」

「いや、なんだかクラスの皆が君の指示に従っているようだから」

「そうですね。いつもこんな感じですね」

「そうなのか。やはり、あの上位者スキルのせいなのかい?」

「そんなところです」


 という感じで迷宮内を進んでいるのだが、なぜか未だに魔物とエンカウントしていない。


「それにしても、先ほどから1匹も魔物が出てきていないな。どうかしたのか?」


 ガイルが少し先行して見てみるも、見つけられていない。

 かといって全然いないという訳ではなく、ほかのグループの方には現れている。

 どうやら私たちのグループの近くには出てこようとしないようだ。


「それにしても、こんな事があるんだな。これもネリアのせいなのかな?」

「う~ん、なんとも言えないですけど、そんな気がします。不本意ですが」


 ナニかスライムたちが寄ってこない理由がないか、自分のスキルを見直してみる。

 1番怪しそうなスキルである上位者スキルを弱めてみる。

 すると、今まで1度たりとも出てこなかったスライムたちが、ぞろぞろと出てくる。

 どうやらスライムたちは、私の上位者スキルの発するナニかのせいで、姿を現さなかったようだ。

 詳しい原因を調べてみたくはあるが、そんな無駄な時間を取るわけにはいかない。

 さっさとスライムを倒してこの行事を終わらせたい。

 特にスライムは低レベルの癖に、急所である核を壊すのが非常に面倒なのである。

 どういう風に面倒かというと、まず各事態が透明で、ぱっと見では見分けがつきにくいという事。

 さらにかなり攻撃の殺気に敏感で、狙うとすぐに核を体内で移動させるため、なかなか攻撃が当たりづらいのである。

 そんなわけで冒険者からは、ほとんど経験値がないくせに、倒すのが面倒という事で、かなり嫌がられている魔物である。

 といっても最初のレベルアップ時は、本来の取得経験値よりがかなり低いので、無駄になる経験値がない為、逆に喜ばれる魔物でもある。

 という感じで、先ほどからそれぞれが攻撃しているのだが、なかなか核に当たらない。

 やはり攻撃をしようとすると、体内の核を細かく移動させて狙いをつけさせないようにしてくる。

 私もやってみるのだが、やはりなかなか当たらない。

 当たったとしても、かする程度で致命傷になっていないので倒せていないのだ。

 その様子を近くでガイルが見ている。

 その視線はかなりの頻度で、私の方を向いているので、何かするのか注目されているようだ。

 それにこのままやっていても埒が明かないので、どうにかしてやればいいか考えてみる。

 とにかく動き回る核をどうにかしなければならない。


「そうか、凍らせてしまえばいいのか」


 そう、半液体のおかげで核を自由に動かせるならば、凍らせて個体にしてしまえば、もう動くことはない。

 そうとわかれば、さっそく冷凍魔法を使うことにする。

 イメージとしては瞬間冷凍である。

 私は杖をスライムに向ける。


「凍れ」


 一言つぶやくように詠唱する。

 といっても、無詠唱でも問題がないが、やはり何か不備があるといけないので、確実性を持つために詠唱したのだ。

 魔力が私のイメージ通りの現象へと変じてゆく。

 一気にスライムが凍り付く。

 止めに杖に破砕の概念を付与すると、スライムめがけて振り下ろす。

 さすれば大きな音とともにスライムが砕け、一緒にコアもばらばらに砕ける。

 すると、砕けたスライムは黒い霧状になると、空気に溶けるように消えていく。

 そして最後に1つ小さな黒い粒を残して消えたのだった。


「どうやらうまくいったようだね」

「えぇ。それでこれで問題ないんですよね?」

「そうだ。どうだったかな、初めて魔物を倒してみて?」

「あまりこれといった実感はないですね」

「そうだね。相手はスライムだし。それでもなんかやったという感じはあるだろう?」

「はい」

「そう、その感覚を忘れないようにして今後も励んでね。期待しているから。それじゃ私はほかの子を見てくるから」


 そう言ってガイルはグループのほかの人たちの様子を見に行った。

 私は、周りを確認して隠密スキルを発動さえて、ステータスを確認してみる。

 しっかりとステータスのレベルが1上がって2となっている。


「よし、大丈夫だな」


 それから隠密スキルを解除し、ほかのみんなの様子を、私も見てみることにする。

 まず初めにミランダからである。

 ミランダも私と同様にスライムを凍らせる方法を取るようだ。


「凍てつきなさい!」


 詠唱とともにゆっくりと内部から凍り始める。

 完全に凍ると、ミランダは手に持った短剣をスライムの核めがけて振り下ろす。

 すると短剣は寸分の狂いも無く核を破壊した。


「おめでとう、ミランダ」

「ありがとう。ネリアの方も済んだようね」

「あぁ」


 それから10分ほどで私たちのクループ全員がスライムを倒し終え、無事にラベルアップが出来た。

 ほかのグループのそれから20分ほどで全員スライムを倒すことができたようだ。

 それぞれお互いの健闘を称え合っている。

 そうして全員がレベルアップ出来ているのを確認して、一斉に迷宮を後にしようとした。

 そんな時、いきなり迷宮を大きな揺れが襲うのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ