第19話 暗躍する事、闇の如し
遅くなりました。
「お待たせしました」
そう言って出てきたミセルの姿を見て思わず感嘆の声をあげてしまった。
全体的に黒色でまとめられているメイド服に白狼族特有の白銀色の髪色はよく映える。
「なかなか似合ってるよ。思わず見とれてしまったよ」
「ありがとうございます」
「それじゃ挨拶に行こう」
「はい」
という事で、まずはミセルを雇った事について父に報告しなければならない。
ミセルを連れて父の書斎前まで行き、扉をノックする。
「父上、少々お時間よろしいですか?」
「ん、良いぞ」
「失礼します」
そう言って書斎にミセルとともに入る。
父は書斎に入ってきた私たちを見て驚いた顔をする。
それもそのはず、この屋敷には先ほどまでいなかった人物が私の後ろにいるのだから。
「…ネリア。その、後ろにいるのは誰だ?」
「紹介します。本日より私の側付きになりましたミセルです。ミセルも当主に挨拶を」
私がミセルを紹介し、ミセルにも挨拶をさせるために一歩後ろに下がる。
それに合わせて私の前に出て父に挨拶をするミセル。
「えーと、ネリア様の側付きになりましたミセルです。これからよろしくお願いいたします」
「あ、あぁ」
父の反応が何か鈍い。どうもまだ状況を理解できていない様子。
挨拶を終え、再びミセルが私の後ろに下がったのと同時に、私は軽く父に彼女について説明した。
説明といっても都合の悪くなりそうなことは省いておいたが。
「状況は一通り分かった。だが、ネリアよ。雇うといっても色々あるのだぞ、その辺は大丈夫なのか?」
「はい、大丈夫です。それに給金の方もすべて私の方で用意しますので、父上は、特に気になさらずとも大丈夫です」
「ね、ネリア!?それは、どういう……」
「大丈夫です」
何か言われそうになったので、私はニッコリと笑顔を返しておく。
こういう場面にはやはり、有無を言わせずに押し通すことが一番である。
「それではこれで失礼します。それから明日から、ミセルの教育係について、決めていただけると有り難いです。では」
長居していろいろと聞かれるのも面倒なので、サッサと切り上げ、再び私の部屋に戻った。
「それじゃ、明日からは私の身の回りのお世話という事で、いろいろついてきてもらうからそのつもりでね。それと明日から学院が終わったら、教育係に多分、メイド長のソフィアがなると思うから彼女の言うとおりにしてね」
「わかりました」
「それじゃこれから、従者棟に案内するから。そこがあなたのクラス場所だから」
そういうことでミセルを従者棟と言われている別棟に連れていく。
そこで休憩していたソフィアに彼女を紹介して、私はそこでミセルと別れた。
私は自分の部屋に戻り、これからの予定を考えながら、床に就いた。
それから私は徐々にダイタルカ商会の息の根を完全に止めるべく、かの商会が関わっていた事件や案件、それから貴族の連中の不正の証拠をかき集めていた。
それに合わせ、国の暗部に当たる情報統制室にも少しずつだが、集めた証拠などを出所が分からないように流しておく。
この暗躍よって、徐々にダイタルカ商会の経営は徐々に傾き始める。
それに合わせて私の家にも以前に増して暗殺者が現れるようになった。
どうやら私がこの件について、かなり噛んでいることは分かっているようだ。
いまだに懲りずに暗殺者を送ってくるとは、無駄だという事が分かっていないのだろうか。
そんなこんなで徐々に襲ってくる回数が多くなり、ついにそれ以外の手段をとるようになった。
それはミセルが家のメイドになってから2週間ほどたった時だった。
この時、珍しく私一人で情報を集めている時だった。
いつも通りに歩いていると、後ろから複数名の気配が感じられた。
視てみると、今まで数多くの暗殺者を送り込んできていた、闇ギルドの1つであった。
彼らはかなり危険な闇ギルドで、数多くの討伐命令によって討伐されてきたが、そのたびに数多くの犠牲者が出るせいで、近頃は討伐自体がされなくなったほどである。
そんなギルドだが、近頃私の家に侵入するたびに、どんどんお片付けをしているせいで、かなり苛立っていたようで、ついに強引な方法に出るようにしたようだ。
という事で20分ほど前から付けられているのだが、この機会にサクッと邪魔な闇ギルドには消えてもらう事にした。
どうせいてもいなくても、何ら問題は無い。それよりも、これから計画している貧民街を利用したダイタルカ商会つぶしの邪魔にだけである。
なので、早速問題を片づけることにした。
尾行されながらも、彼らに隠蔽スキルを使って私が目指している場所が何処だかわからないようにする。
そうして私は貧民街の一角にある人目の付かない場所へとやってきた。
ここは、今では使われなくなった倉庫が点在する場所である。
その廃倉庫の一つに、尾行してきた者たちを連れ込む。
ここで彼らにかけていた偽装スキルを解除する。
「皆さんごきげんよう。今までいろいろとお世話になったので、少しお礼がしたいのですがよろしいでしょうか?」
そう言って尾行してきた者達へと振り返る。
彼らは突然よくわからない場所にいることを疑問に思っていたが、何か私にされた事に気づき、警戒心を露わにする。
「いったい何をしようっていんだい、お嬢さん」
彼らの中から1人、前に出てきた。どうやらこの集団のリーダーのようだ。
「だから、今申し上げましたとおりに、お礼をしたいのです」
「お礼だと?それは何をしてくれるのかね?」
「簡単ですよ。今までファスタの食事をありがとうとね。ですからファスタ。出てきなさい」
そう呼びかけると、私の後ろからファスタが出てくる。
今は元の大きさなので、かなりの威圧感があるだろう。
闇ギルドの面々の顔が引きつる。
「ファスタ。せっかくですからたっぷりとお礼をして差し上げなさい。もちろん1人残らず一片の欠片もなしですからね。証拠は完全に隠蔽しなければなりませんから。さぁ、行きなさい」
その言葉とともにファスタが一気に彼らに襲い掛かる。
それから完全に沈黙するまで5分もかからなかった。
「終わった?」
「あぁ。でもよかったのか?一人残らずやっちゃって。1人ぐらい残してアジトの場所とか聞かなくても?」
「うん?あぁ、いいんだよ。そのぐらいの事、少しばかり彼らを視ればわかるから。とりあえず今日の夜は、彼らの残りの掃除だから。いいね?」
「わかった、ご主人」
「それじゃ、行こうか」
そして私たちは誰もいなくなった倉庫をあとにした。
それからその夜。とある有名な闇ギルドが何者かによって襲撃され、1人残らず殺される事件が起こった。
しかし、誰がやったのか調べたところ、その犯人につながる証拠は一切出てくることは無かった。
こうして闇ギルドは犯人不明のまま、消え去ることとなったのだった。
私が闇ギルドを片づけるのと同時に、貧民街を使ったダイタルカ商会つぶしを本格化させた。
最初に目を付けたのは貧民街の元締めだった組織への接触である。
「うちに何の用だ?」
貧民街の一角、かなりの年月が経っていると思われる建物の前、厳つい顔をした門番に行く手を遮られた。
「なんの用って、私は客だ」
「客?お嬢ちゃん、冗談は良くないぞ。ここはお嬢ちゃんが来るような場所じゃないんだ、さぁ、帰った、帰った!」
やはり相手にはされないようだ。こうなったら仕方がない、秘密兵器を出すしかないようだ。
「私は冗談を言っているのではない。仕方がない。強引でも通らせてもらおう。ギルバ、少しどけろ」
そう私が告げると、後ろから2メートルほどの大男が私の前に進み出た。
「主からの命令だ。そこをどいてもらおうか」
門番の男はギルバの姿を見て、慄く。
「お、お前は戦刃のギルバ!なんでお前がここに!?」
そして門番の男は彼の首にはめられている首輪を見て、再び驚きの声を上げる。
「その首輪……。奴隷に落ちたのか、あんたが…。」
「そうだ。それでそこのお嬢ちゃんが主というわけだ。」
「なんで、また?」
「それは……」
言い淀むギルバ。代わりに私が答える。
「それは簡単だ。こいつは闇ギルドの依頼で私を殺しに来たのでな。そして私の従魔にやられ、こうして犯罪奴隷に落ちたのだよ。強制労働の代わりに私が買って、こうして用心棒にしているのだ」
「……」
門番の男は話を聞いて、絶句して黙ってしまった。
ただ、こうしてじっとしていても時間を食ってしまうだけなので、中に入ることにする。
「という事だから、入らせてもらう。邪魔をするなら、この男に命じてでも通らせてもうよ。余計なごたごたに巻き込まれたくはないだろう?」
「あ、あぁ。わかった。今、上の者を呼んでくるから中で座って待っていてくれ」
ギルバの名前は、こういう場所ではかなり有効だ。こうして色々揉めそうだったのが、名前を出しただけでスムーズに事が運ぶのだから。
寂れた応接間で待っていると奥から何やら言い争うような声が聞こえてきた。
「ちょっとなんで断らないのよ!こんな時期に客なんて無理よ!」
「そんなことを言ってもですね、相手はあのギルバを奴隷として扱っているんですよ!それにあの身なりは絶対お貴族様ですよ!どんな嫌味言われて、この商会なんか簡単につぶされてしまいますよ!」
何やら少し私が想定していたのとちょっと違う状況になっているようだ。
ここの頭は確か男性のはずだったのだが、今聞こえてきている声から察するに、まだ若い女性の声。
確か、この商会の頭には18になる娘が1人いる。という事は、今こちらに来ているのはその娘の可能性が高い。
そうして、言い争ったまま扉の前まで来ると、勢いよく扉を開けて声の主が現れる。
「さぁ、用件をさっさと言うのです!」
やはり、ここの商会の頭の娘だったようだ。
私は立ち上がり、少しオーバーアクション気味に挨拶をする。
「お初にお目にかかります。私はネリア・シャルティス・ドリュッセン。今回は1つあなた方にしかできないお仕事を頼みに参りました。そうすればあなたの商会もいずれ、元のようになるでしょう!」
「っえ!」
あまりにも私がオーバーリアクションをしたせいで、驚いて二の次が告げなくなったようだ。
狙い通りである。あとは一気にスキルを使い、強引に話を押し通すだけである。
それから1時間ばかりじっくりと調きy…、お話をして無事に契約と相成った。
内容としてはまずは、この貧民街の改革である。
やり方としては前世の方法を使うことにした。
例として挙げるならば、治安維持を行う代わりに住民からその費用をもらう事や、貧民街の住人に対して、我々が仕事の斡旋を行い、地域貢献を行う事などである。
次に、この界隈で幅を利かせている奴らを調略することである。
これは私が全面的にバックアップすることになる。
何せ、こういう事を行うのにうってつけのスキルである懐柔スキルを持つものは私しかいないからだ。
これにより、貧民街でダイタルカ商会の援助を受けている奴らを、私達の陣営に取り込むことによって、相手の力をそぎ落としつつも、こちらの人員の増強にもなる一石二鳥の方法である。
最後にダイタルカ商会をつぶした後に、行き場を失う彼らを、この商会で雇うと事である。
何せ、ダイタルカ商会はすべてが悪という訳ではないからだ。
それにかなりの大きさを誇るダイタルカ商会がいきなりなくなることで生じる混乱は、かなり計り知れないことになるかもしれないからだ。
という事を彼らに契約させることが出来たのだった。
ただ、かなり私が手伝うことが多いが、それも仕方がないことだ。何せ今彼らにはほとんど力がない状態である。
商会頭の娘の話によると、頭は重い病気だそうだ。そこに来て、ダイタルカ商会の援助を受けた同業他社によって、この貧民街での勢力は最底辺に落ちていた。
そんなわけで、私のチートとも呼べるスキルを使って、一気にこの状況を打破するという事になったのだ。
「本当に大丈夫なんでしょうね?」
「フン、私に任せておけ。それからあとこれだ。これを親父さんに飲ませると良い」
そう言って私は、収納から1つの液体の入った薬瓶を渡す。
「これは?」
「特効万能薬だ。それを飲ませてやれば親父さんの病気もよくなるだろう」
「特効万能薬!?そんな高いのをどうして?」
「うん?初期投資だ。どうせ長い付き合いになるだろうし、そういう意味もこめてだな」
「お礼は言わないわよ」
「構わない。言っただろう、初期投資だと」
そう言って私はこの商会を後にした。
それから1カ月ほどの時間がたった。
今は6ノ月のはじめ。
ようやくこの時が来た。
いろいろと裏から手をまわし、ダイタルカ商会の力は潰れないか、そうじゃないかの瀬戸際まで追い詰めた。
不正の証拠などを使って、たくさんの逮捕者が出た。
貴族も全体の1割の者たちが処断された。
これは、この国の建国以来、初めての事である。
そんなこんなで今、ダイタルカ商会の商会頭であるミリゼット・モーベスは絶望的な状況に追い込まれていた。
「なぜ…、こんな、事に!」
いくら自問自答しようにも答えは出てこない。
そんなとき不意に気配を感じ、気配のする方を見やる。
照明の点いていいない部屋の片隅。その暗がりに誰かいた。
「そこに居るのは誰だ!」
暗がりにいるだろう誰かに向かって叫ぶ。
暗がりから出てきたのは一人の少女。
「お初にお目にかかります、ミスターミリゼット。今宵はあなたにすべてを清算していただきたく、こうして参った次第です」
ミリゼットはここで、彼女が誰であるか気づいた。
「お前は、ネリア・シャルティス・ドリュッセンか!よくも貴様やってくれたな!」
「もちろん、あなたにはさっさとご退場願いたいので」
「何?」
「簡単に言えば邪魔なのですよ、あなたとい人が。それに私の側付きとの約束もありますしね」
「それだけのために私の邪魔するのだ!」
「当然でしょ。それにあなたは実際問題、犯してならない事を数多くやってきたではないですか。まさかすべてお金で解決できるなんて思っていないでしょうね?」
「何を言う、金はすべてを変えることの出来る至高なる存在だ。現にこれまですべて上手くいっていたのだ。そ、それをすべて貴様がぁ!」
興奮のあまり言葉が出てこなくなってしまったミリゼット。
「だが、今回の事でわかっただろう?金がすべてを解決してくる絶対的なモノでないことを。だからこそあなたは失敗したんだよ。最愛の人にすべてを奪われたように」
「な、なぜ…、貴様がそのことを知っているのだ!」
「ふむ、私にはすべてわかるのだよ。だからあなたが隠し持っていた物の場所さえね」
そう言って紙束をミリゼットの方に投げ渡す。
床に散らばったそれは、今までミリゼットの隠し金庫から盗まれたものだった。
それを見て慌てて紙束を回収しようとする。
「あぁ、言っておくが、それは単なる複製だよ。本物はもうすでに、騎士団に渡っている。すでにもう遅い。諦めてお縄につけ」
「まだだ、まだ道はある」
「ふーん、まだ抵抗すると?」
「そうだ!」
そこまで言うとミリゼットはすぐに走り出そうとする。
そこにネリアの制止の声で体が動かなくなる。
「なぜ、動けん!?」
「だから言っただろう。止まれと」
「それだけでなぜだ!」
「もう、すでに私の支配下だからだよ、ミリゼット」
そう言って近づいて来るネリアにミリゼットは言い知れない恐怖を感じていた。
何か逆らえない、そのナニかに。
「何なんだ、何なんだ貴様は!く、来るな、来るんじゃない!やめろ、何をするつもりだ!」
「何って、あまりにもあきらめが悪いからね。それにいまだに自分のした罪の重さが分かっていないようだから、しっかりと分からせないと。それじゃしっかりと反省するんだね」
そう言ってミリゼットの額に手置くと、ミリゼットはここで気を失ってしまうのだった。
そして気づいた時には暗い牢屋のような場所だった。よく見ると手足は鎖によって壁につながれている。
何が何だか分からぬ内に看守と思しき人間が現れる。
すぐさまミリゼットは助けてもらうために交渉しようとするが、そのあらわれた男はミリゼットを牢から出すと、どこかへ連れて行く。
何かミリゼットが喋ろうとすると手に持った鎖を強引に引き、無駄口をたたかせなかった。
そのままたくさん囚人のような恰好をした人々がいるところに連れていかれる。
「こ、ここは」
ここで思い出す。それはダイタルカ商会の保有する鉱山だった。
そして周りにいる人々が、ミリゼットが違法に入手した奴隷であるということを。
ぼーっとしていると先ほどの男がミリゼットの鎖を再び引っ張る。
「何ぼーっとしてやがる!ほら、サッサとしないか!」
「おい!私だ!ミリゼットだ!わからないのか!」
「何言ってやがる、バカなことを言ってないで働け!」
そう言って強引にミリゼットを引っ張て行く。
そこで気づく。体が何かおかしいと。
今まで気づかなかったが、あからさまに体が老けている。
ここで思い出したのだ。この場所で目覚める前にネリアに何かされたことを。
その時何処かしらからネリアの声が響く。
「そう、ここはあなたが手に入れた違法奴隷の誰か。それもダイタルカ商会の鉱山で、ボロ雑巾のように働かせられた誰かだ。これからあなたには、今まで奴隷がされてきた事を体験してもらうのだよ。それじゃ頑張ってね」
そうからは地獄だった。
休ませてもらえず、水の1つも飲ませてもらえない。
そして仕事が出来ずにいると鞭を打たれて強制的に働かせる。
それよりも地獄だったのは、いつまでたっても終わらないという事だった。
散々苦しんで死んでも再び、別の誰かとして再び地獄を味わうのだ。
心が折れるには十分だった。
最後はネリアに慈悲を乞うべく祈りを捧げていた程であった。
そして再び気が付いたときは、元の自分の執務室の中だった。
「どうだい。わかっただろう、君の罪が」
「あぁ、私はどうしたら…」
「簡単だ。その罪を清算するだ。死をもってね」
「そうすれば許されるのか?」
「そう簡単じゃない話ではないけどね。どちらにしろ、君が極刑になるのは間違いないね」
「そうか。私はそうなるのか」
「あぁ、そうだ。さぁどうする?」
「自首する。そうしなければならない」
「そうか。自分で決めたならばそれでいい」
そう言ってネリアはこの場から去ろうとする。
すると後ろからミリゼットがネリアを呼び止める。
「まだ、なにか?」
「最後にお礼を言わせてくれ。気づかせてもらってありがとう、と。それと出来ればお願いしたいことがある」
「ん?お願い?」
「あぁ。もし、もう一度機会があればあなたに仕えさせてくれないだろうか?」
「うーん、いいだろう。また再び会って、その時も同じ気持ちならば許そう」
「ありがとう」
その言葉を最後に聞いてから、ネリアはその場を後にした。
そのあとダイタルカ商会は、商会頭のミリゼットの自首によっていったん潰れることとなる。
その後潰れたダイタルカ商会は、とある弱小商会によって買い取られる。
その商会の名はマーベス商会。
ネリアが貧民街で話をつけていた商会である。
こうしてマーベス商会によって買い取られたダイタルカ商会は奇跡の復活を遂げ、再びこの世へとその名を轟かせる事となる。
そして、マーベス商会も着実にその勢力を伸ばし、貧民街の元締めに返り咲く事が出来たのだった。
ところでミリゼットはというと、自首後その罪の全てを打ち明けた後、彼は自らの命を絶っていた。
こうして王国を揺らす大事件はこうして幕を閉じたのだった。
事件の裏にネリア・シャルティス・ドリュッセンの名を残して。
次回はネリアの学院内での話です。




