表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

―フラット―

だれもいない

作者: 天界音楽

 夜が明けたら 海に行こう

 きっとまだ 産声を上げたばかりの強い強い朝の光が残っているから


 高い空はどこまでも青く澄んで

 吹き抜けていく風がわたしの髪を梳くだろう


 優しい波音

 まとわりつく砂


 水の中を掻いて進むのは とても気持ちがいいから

 水底からきらきら光る空を泳ぐ魚に挨拶しよう







 夜が明けたら 山に行こう

 きっとまだ 夜のうちに吐いた木々のため息が残っているから


 のしかかってくるように枝々が空をふさぐ

 ぴたりとも動かない空気がわたしを抱きしめるだろう


 優しい葉ずれの音

 沈む足元


 朽ちた葉の上で横になるのは とても気持ちがいいから

 黒く豊かな土の匂いを嗅ぎながら誰にもわからないように眠ろう







 今はまだ わたしは夜の中にいる




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ふと閉塞感とか感じることありますよね~。 んまぁ、今のところ明けない夜はないわけで。 「植物は光を受けない時間が連続○時間以上ないと開花しない」とかいう性質があったりもするわけで? 人に…
[一言] 今はまだわたしは夜の中にいる この一行が色々と考えてしまう
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ