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―フラット―

だれもいない

作者: 天界音楽

 夜が明けたら 海に行こう

 きっとまだ 産声を上げたばかりの強い強い朝の光が残っているから


 高い空はどこまでも青く澄んで

 吹き抜けていく風がわたしの髪を梳くだろう


 優しい波音

 まとわりつく砂


 水の中を掻いて進むのは とても気持ちがいいから

 水底からきらきら光る空を泳ぐ魚に挨拶しよう







 夜が明けたら 山に行こう

 きっとまだ 夜のうちに吐いた木々のため息が残っているから


 のしかかってくるように枝々が空をふさぐ

 ぴたりとも動かない空気がわたしを抱きしめるだろう


 優しい葉ずれの音

 沈む足元


 朽ちた葉の上で横になるのは とても気持ちがいいから

 黒く豊かな土の匂いを嗅ぎながら誰にもわからないように眠ろう







 今はまだ わたしは夜の中にいる




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― 新着の感想 ―
[一言] ふと閉塞感とか感じることありますよね~。 んまぁ、今のところ明けない夜はないわけで。 「植物は光を受けない時間が連続○時間以上ないと開花しない」とかいう性質があったりもするわけで? 人に…
[一言] 今はまだわたしは夜の中にいる この一行が色々と考えてしまう
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