野良ダンジョンについて
いつも読んでいただきありがとうございます
王都に戻った俺達は、報告のためにギルドに行った
「『白き獣使い』様、お帰りなさい」
((ざわ))
カウンターの一言で、周りの冒険者の眼が一斉にこちらを向いた
「ああ、仕事の報告をいいかな?」
「はい、どちらの仕事でしょう?」
「ああ、オークの集落の討伐だ」
「え?オークの集落ですか?最高難易度の?」
「そうだ、何か問題でも?」
「いえ、問題はございませんが、通常軍隊でも率いていかないと殲滅できる数ではないと思われますが」
「ガハハハ、ちげえねえ」
後ろのほうから、ヤジが飛んできた
「完了しているぞ」
「え?本当ですか?」
「ああ、何か証明が必要か?」
「ないかございますか?」
「あるにはあるが、ここで出すのか?」
「ご主人様、ここで出せる量ではございませんわ」
「どうしてもといわれれば出さないといけないがな」
「はあ、確認のためですので、お願いします」
「本当にここでいいんだな?」
「はい」
俺は、ヤジが飛んできた冒険者のあたりにオークの死骸を一体出した
「まだまだあるから、どんどん出すぞ」
「ま、待ってください、わ、わかりましたから」
「そうか、とりあえずこいつはこのまま出しておくか」
「た・・・た・す・け・・・・・」
オークの下から助けを求める声がしたが、無視をした
「申し訳ありませんでした」
「では今回の報酬の白金貨10枚です」
「ありがとう、オークの買取はしてくれるのかな?」
「はい、オークの肉は高く売れますので、1体あたり金貨10枚です」
「一度に何体まで買取できる?」
「え?何体ほどあるのですか?」
「そうだな、大体5000くらいかな」
「ご、ご、ご・・・・」
アガレガさんが、壊れたおもちゃみたいになってしまった
「アガレガさ~ん、お~い、大丈夫ですか~?」
アガレガさんの肩をゆすってみた
「あははははは、これは夢かな~」
「アガレガさん、夢じゃないですよ」
「ガウ」
ウィードが、カウンターに乗り顔をなめた
「ヒャッ、あっ、すいませんでした、10体までにしていただいていいですか?さすがにここの保存庫にも入りません」
「わかりました、ただ、どこに出したらいいですか?」
「この裏に訓練場がありますので、そちらに出していただいてもいいですか?」
俺は、この場に出したオークをアイテムストレージに一瞬で戻し、裏の訓練場に向かった
オークの下敷きになっていた冒険者たちは、オークの血が全身にかかっている状態で、人によっては、つぶされたことにより骨折などしている者もいたが、俺には関係ないことだった
裏の訓練場に行き、ルーリルがオークを10体出した
「では、白金貨1枚ですね」
俺はそれを受け取り
「野良ダンジョンの情報は、どこかで聞くことは出来ますか?」
「そうですね、酒場であれば何か情報を持っている人がいるかもしれません」
「ありがとう」
俺達は、そのまま酒場に向かい話を聞こうとした
初め、誰も話をしてくれる雰囲気ではなかったのだが、カウンターのマスターに
「金貨1枚を出して、これで出せるだけ、酒と食べ物をここにいるみんなにふるまってください」
と言ったら
今まで、無視していたやつらも手のひらを返したように、情報を教えてきた
野良のダンジョンは、少し暗くゴーストなどのアンデットが出ること、物理攻撃がききにくいこと、ダンジョンのドロップがこのところおかしいこと、ダンジョンが横に広がったこと、モンスターの種類が増えたなどの情報を聞けた
家に戻った俺達は、
「みんな、酒場での情報どう思った?」
「僕みたいに、ダンジョンを利用しているのかな?」
「そうですわね、でも、ご主人様はほかに何か感じているのでしょう?」
「そうなんだ、モンスターの種類が増えたこと、ダンジョンが横に広がったこと」
「何がおかしいだ?」
「今までのダンジョンは成長したことがあるのか?」
「モンスターの種類が、増えることもだ」
「僕わかった、リュウ君はダンジョンが新たに出来上がった出入り口が、野良ダンジョンにあると思っているんだよね」
「そうだ、この野良ダンジョンは2つのダンジョンで構成されており、古いダンジョンが新しいダンジョンに飲み込まれていると思うんだ」
「それであれば、リュウ君」
「わかっている、それ以上言わなくても」
俺が、難しい顔をしているので、みんなが次の言葉を待った
「たぶん、代理者との戦闘になると思う、嵐みたいな代理者だったらいいのにな」
「ご主人様でしたら、大丈夫ですわ、何ならダイダルウェイブでダンジョン内を水没させますか?」
「それは出来ないよ、もしほかの冒険者がいたらただの殺人になってしまうだろう」
「確かにそうですわ、すいません」
「いや、気にしなくていいよ」
「まあ、ゆっくり準備して、ダンジョンに入っていこう」
俺達は、クローゼの家に戻り睡眠をとることにした
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