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異世界神の座争奪代理戦争  作者: 優竜魁藍(ゆりゅかあ)
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セトシェルのダンジョン攻略 5

俺は、魔力を圧縮始めた。

今向かってきている、モンキーゴーレムと、ゴリラゴーレムは、すでにかなりの数倒しているのに関わらず一向に数が減らないのである。

戦闘を始める前から、そんな気はしていたのだが、ここまで大量だとは予想出来なかった。

そこで俺は、魔法で重力を極限まで圧縮しようと考えていたのだ。

そう、ブラックホールを作り出そうと考えているのだ。

ブラックホールは、中に入ってしまうと時間の経過がなくなると言うことだが、その周りに入ったものは、重力により破壊されてしまうのだ。

サイズがそこまで大きくなければ、ゴーレムだけ破壊されて、ドロップアイテムだけ中に入るのではないかと考えている。

しかも今回は、合成させる魔法の数が違ってくる。

制御するのも大変なのだ。


なので俺は、詠唱始めた。


「四方よりの土の力が集まりし」

目の前に4つの光が互いに押し付けるように集まっている。

「強き力の雷も」

その光に纏うように雷がまとわりついていく

「空気の膜もなくなりし」

その周りには風の魔法ができてはいるが、中の空気は真空になってきている。

「闇の力に包まれし」

闇の力で包み込んでいった

「光でも届くこと叶わず、その力を持って我が敵を滅ぼさん」


「行くぞ、みんな待避」


光をも滅する暗黒の渦(ブラックホール)


俺が手を向けた先、つまりはモンキーゴーレムと、ゴリラゴーレムの上に黒い球が出来上がったように見えるのだが、その球が次第に広がりを見せていた。


((ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ))


広がりを見せた球は、周りのモンキーゴーレムとゴリラゴーレムを吸い上げ始めた。


最初の数体が吸い込まれたときには、ゴーレムたちは動じなかったのだが、続けて何体ものゴーレムが吸い込まれていくのを見て、慌て始めた。


慌て始めてもすでに遅かった。

ゴーレムたちは、いくら前に足を出しても、前に進むことは出来ず、壁につかまっていたゴーレムも体が浮き上がっていた。

ゴリラゴーレムの中には、近くにいたモンキーゴーレムをブラックホールへと投げつけているものもいたが、投げつけたところで、モンキーゴーレムがブラックホールの重力によってすりつぶされてしまっていくだけであった。


「ご主人様、あの球はすごいだな。」

「リュウ君、黒い球(あれ)ブラックホールだよね?」

「そうだ、土を圧縮して、圧縮するのを電気信号で加速させ、抵抗を減らすために、風の魔法で真空にして、さらに圧縮するために闇の魔法で包み込んだんだ。」

「それではご主人様、あの魔法は、4つの魔法を合わせているのですの?」

「マリサ、土の魔法は4つだ。だから7つだな。」

「な、7ですの。」

「前3人で合体魔法をしたとき6つの制御が成功しただろ、それに以前8属性全て合わせようとちょっとだけやってみたことがあったんだけど、その時に比べて経験もしてきたんで何とかなるかなと思ってな。」

「・・・・・・・」

「リュウ、何とかなるって、あなた、常識度返しにもほどがあるでしょ、どうやったら1人で7つの魔法を制御できるっていうのよ。」

「まあ、いつも魔力球の制御の練習はしているぞ。」

「いつも?そんなそぶりはないじゃない。」

「ああ、俺の格好いつもと違ってないか?」

「いつもと?いや分からないわ。」

「それじゃあ、いつも通りにするからな。」


俺は、腰の周りに魔力球を展開した。

「ご主人様、それ魔力だったのですか?」

レイが、1番に気が付いたようだ。

「ああ、いつも腰に魔力の玉を操作して自分に張り付いたようにしていたんだ。正確に言えば、俺の腰の横で張り付いているんだがな。動くときに位置が変わらないように調整しながらな。」

「はあ、リュウ、あなたそんなこと1人でずっと訓練していたの?教えなさいよ、私まだそんなに魔力の操作とか得意じゃないのよ、そんな訓練方法があるんだったら、私でも出来るでしょ?」

「まあ、出来ないわけじゃないが、魔力の消耗が激しいぞ。魔力の玉を作って、それを一定時間維持して、移動させるって流れだから、あまりお勧めは出来ないな。」

「リュウ君、説明しているところ悪いけど、そろそろゴーレムたちいなくなりそうだよ。」

「そうか、嵐ありがとう。」


ゴーレムを殲滅したことを確認したので、ブラックホールを解除した。

解除した後には、ドロップアイテムが落ちてきた。

その量は、通路を埋め尽くすほどの量の合金と魔石だった。

俺は、全てのドロップをアイテムストレージに収納した。


「それじゃあ、地上に戻ろうか、10階程度って入り口で伝えてきたからな。」

「わかりましたわ。」


俺達は、地上へと戻っていった。


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