セトシェルのダンジョン攻略 2
少し短めです。
地下6階に降りてきた俺達は、腕試しにゴーレムと戦闘してみることにした。
この地下6階も今までの上層と同じく天井までがおおよそ3メートル位しかなかった。
「ご主人様、ゴーレムが出てきたら、おでが最初に攻撃してもいいだか?」
ミミが俺を下から見上げる感じで見てきた。
それも、後ろ向きに歩きながらである。
ダンジョンの中は、ある程度通路はきれいなのだが、石が落ちていたり、穴が空いていたりもするのだが、ミミは、一切よろけたりすることなく、俺を見ているのだ。
「ミミの好きにするといい。」
「やっただ、ありがとうございますだ、ご主人様。」
ミミは、風の鎚を構え周りを警戒始めた。
そのミミの横で、ルーリルもダブルドリルスピアを密かに構えていた。
ダンジョン地下6階をある程度進んでいくと、幅5メートル位の通路になってきた。
この状態でゴーレムが出てきたら、まず戦闘を回避することは難しいだろう。
今のところ6階に降りてからというもの、ゴーレムに出会ってないのだ。
そのまま通路を進んでいくと、曲がり角にさしあたったのだが、その先から、
((ズシィン、ズシィン))
と、明らかに振動が伝わってきていた。
「う~んと、右から、え~と、来てる。」
「そうだな、明らかにゴーレムだろう。」
「みんな戦闘体制をとれ。」
振動と音がどんどん近くなっていき、右側の壁にヌッと手が出てきた。
「来ただ。行かせてもらうだ。」
ミミが、ゴーレムの左肩目掛けて飛び出した。
その反対側には、ルーリルが飛び出していた。
ミミが、風の鎚を右から左へ振り、ゴーレムを吹き飛ばした。
((ゴフゥ))
するとゴーレムは、ルーリルの真っ正面に来たところに、ルーリルは、ダブルドリルスピアをゴーレムの胸に突き刺した。
((バキィィィィィン))
ゴーレムは、核を貫かれたようでそのまま消滅した。
そのあとには、500グラムほどの鉄の塊と魔石が落ちていた。
ルーリルは俺のほうを見て、どや顔をしていた。
このところルーリルは全身鎧を着ておらず、かなりの軽装で行動しているのだ。
ルーリルは褒めてほしいのだろう、尻尾をぶんぶんと振り回して俺を見つめ続けていたのだが、
「ルーリルずるいだ、おでが攻撃始めたのに。」
まあ、確かにミミの希望通り最初に攻撃したのはミミなのだが、その状況を利用してルーリルがとどめを刺そうと考えていたなんて、考えてもみなかった。
「・・・・・約束」
「むう、確かに最初に攻撃しただ。でも、それ以降は獲物をとってもいいとは言ってないだ」
「・・・・・・早い者勝ち」
「む~、いいだ、次はおでが倒すだ。」
「ちょっと待って、わたくしたちも戦いますわよ。」
「そうだね、僕達も戦うよ。」
「ちょっと待て、この階は、試しに戦闘しているだけだから、次は、嵐とキャサリンとスミレだ。」
「私達なら、銃で攻撃するってことでいいですね。」
「まあ、そういうことだな。その次は、マリサとレイだ。最後にシルフとウィードとデービスだ。」
「仕方ないだ。」
それから俺達は、地下6階を進んでいき、階段に行き着いた。
地下6階は、さほどゴーレムが出なかったと思いきや、地下10階まで各階に1体から2体ほどしか出なく、難なく戦闘して地下11階に降り立ったのだった。