デーメーテール王都の賑わい
デーメーテールの王都、トゥラン
最初に移住した人は、大体100人くらい。
あとは、スモールモニコーフさんとアルバさんとウィキさんの私兵が150人くらい。
最初250人くらいの人口だったのだが、1ヶ月くらいで人口は1000人を超えていたのだ。
それも今や人口は10000人に迫る勢いだ。
俺達は、トゥランに帰って来た。
「あ、王様だ。お帰りなさい。」
「王様、いい魚はいってますぜ。」
「王様、抱いてください。」
最後の人は、男だったが・・・、近くにいた兵士に連れていかれていた。
今トゥランに住んでいる人は、俺の顔を知らない人はいない。
この町が出来てから、この町にいるときには必ず町の中を見回るようにしているからだ。
ちっさな子供が、馬車の後ろを走ってついてきている。
ちょっと危ないから、馬車を停めさせた。
俺は、馬車から降りて、
「ほら子供達、危ないから馬車の後ろを走ったら駄目だろ。」
子供達の目の前に、座り込んで頭を撫でていった。
「「「「は~い、ごめんなさい。」」」」
「今度から気をつけるんだよ。ほら、みんなお菓子をあげるから仲良く食べなさい。」
俺は、アイテムストレージから作りおきしておいた、クッキーをそれぞれに配ってあげた。
「「「「王様、ありがとう。」」」」
子供達は手を振って走っていった。
俺の後ろに、みんな降りてきていて、馬車は自分で走っていった。
ペガサスの2頭ティシュトリヤとアパオシャは、キャサリンのスキルで生み出されたものなので、知能はかなり高い、行者がいなくても地図を見せて、ここまでいってくれって言っておくだけで、勝手に向かってくれる。
しかもこの2頭、雑食性で戦闘力もかなり高い。
たまに自分達で餌を狩りに行って、勝手に食べているらしい。
正直ペガサスが、肉を食べてるシーンを想像したくないが・・・。
ついでだったので、町の中を見て回った。
1軒の食堂の前に通りかかったときに、
((ガシャーン))
中から食器の割れる音がしてきた。
慌てて中に入ってみると。
「いいじゃねえか、ちょっとお酌しろって言ってるだけだろ。なあ、姉ちゃん。」
男2人が、店員の腕を掴んで引っ張ろうとしていた。
「おい、やめろ」
俺が、声をかけると。よそ者らしく俺の顔を知らないらしく
「あ~、なんだてめえは、ひょろっとした奴だな、嘗めてんのかぁ、正義の味方気取りかよ。」
男2人が、俺に迫ってきているのだが、その後ろで当然ながら俺のことを知っている人達が、その2人を哀れそうに見つめていた。
男の1人が、俺の襟を掴もうとしてきたので、その手を掴み床に向かって投げつけた。
男は、何が起こったかわからないまま、顔を床にぶつけていた。
「「「「「ブッ」」」」」
その光景を見ていた人達が、みんな吹き出した。
もう1人の男は、何が起こったのかもわからず、オロオロするばかりであったのだが、
入り口、そう俺の後ろから
「なんの騒ぎだ、場所を開けてもらおう。」
と、兵士が入ってきた。
兵士は、床に倒れている男を見て、
「騒ぎの原因は、」
と、周りを見渡したところ、俺を見つけて
「こ、これは国王陛下、どうされたのですか?」
「ん?」
俺は、まだ何も答えていないのだが、
「わかりましたぞ、この男が悪さを働いているところをまた、助けられたのですな。」
まあ、勘のいいことで、ってまたってなんだよ、俺そんな助けて回ってばかりか?
とは、思いながらも、
「後は、任せた。」
「はっ」
兵士は、2人の男を引きずって行った。
俺は、腕を捕まれていた女の子の腕に、回復魔法をかけてあげた。
「国王様、ありがとうございます。」
「ああ、大丈夫だったか?」
「はい、おかげさまで。」
「それは、よかった。」
と、俺はそこに割れている食器を手に取り、目の前で錬金術を使った。
陶器の皿とコップは、何事もなかったかのように、元に戻った。
ただ、見た目がちょっと違うっていうか、皿に含まれていた不純物まで取り除いてしまったようで、少しくすんだ白だった色が、純白になってしまったようで、
「国王様、この皿とコップは家宝にいたします。」
と、大事そうに胸に抱えていた。
「まあ、頑張ってな。」
と、食堂を後にした。
この食堂では、国王作成の皿とコップと展示して、それを見物する人により、客足が増えたそうだ。
俺は、町の視察をついでにしながら、やはり早く騎士団を作ることを心に決めたのであった。