訪問4ヵ国目
アイセルモンデの王都ソタヴェントを訪問した翌日、次の国のフレヴォラントに向けて出発しようとしてた。
「おう、もう行っちまうのか、もう1日くらいいりゃいいのによ。」
「ええ、すいません。あと2ヵ国に行くと連絡してますんで、落ち着いたらまた来ます。」
「そうかい、まっ、楽しみにしてらぁな」
「お待ちしておりますわ」
国王夫妻揃ってのお見送りだ。
「そっちのスネアーズの王子もまた来いや」
デニスも気に入られたらしく、酔い潰れるまで飲まされていた。
「ええ、また来ます。その時はよろしくお願いします。」
デニスも満更ではないようで、嬉しそうに手を繋いでいた。
「それでは、お世話になりました。また今度遊びに来ます。」
俺達は、手を振りながら出発した。
次のフレヴォラントには、アイセルモンデのディエゴの町、フレヴォラントのトータレスを経由して王都フラーレスに向かう予定だ。
「ご主人様、フレヴォラントの町の名前は全て統一されて○○レスになっているらしいですわ。」
マリサから豆情報が入った。
「へ~、そうなんだ、何でも統一してるのかな?」
「そんなわけは、ないと思いますわ。」
町の名前を統一しているくらいだから、町並みを統一してたりはしそうな気はしている。
それからディエゴまで15日ほどかかり到着した。
途中川があったのだが、街道の橋が流されており迂回したため少し予定が遅れてしまった。
ディエゴで1泊して、翌日にはトータレスに向けて出発した。
アイセルモンデとフレヴォラントは国境に壁が作ってあり、昔は敵対していた国だったらしいのだが、アイセルモンデの国王がレシフさんに代わった時に、すぐに和平を結んだらしい。
それでも、国境近くの村は今でも仲が悪いらしく、争いにならないように、国境の壁は今でもそのままらしいのだ。
フレヴォラントと元ファン・デ・ノヴァの国境は山脈がそびえており、フレヴォラントから越境しようとすると、かなり大変な行程になってしまうため、山脈を越えてこようとするものはいなかったらしい。
なので、現在のデーメーテールとの国境も変更はないのである。
フレヴォラントとの国境を越えて驚いたことは、デーメーテールとの国境以外の土地が全て平野になっていることだ。
見渡す限り、平野でその全てが農地になっているのだ。
事前に話は聞いていたのだが、ここまで広大な農地を持っていることに驚いた。
街道の横がすでに農地で、かなり転々と農村があるようだ。
そこで働いている人は、別にやつれてもいない、どちらかと言うとふくよかな体型をしているように見える。
農民も苦しい暮らしをしていないのだろうと思われる風景だった。
そこから5日くらいで、トータレスに到着したのだが、トータレスの領主に出迎えられた。
町の門を越えるとそこには、軍服の兵士が領主の館までズラリと並んでいた。
「これは、デーメーテール国王様お待ちしておりました。今日は我が館に滞在していただきます。」
と、領主に案内されて動きだいたのだが、通りに並んでいた兵士が、胸元に持っていた剣を俺様が進むのに会わせて前に突き出していったのだ。
それはそれは、しっかりと訓練された兵士であることがわかる瞬間だった。
その日は、領主にもてなされて、色々と話が聞けた。
フレヴォラントは、ダンジョンが確認されたところに、管理をするために町が出来上がったらしいのだ、希望者は誰でも入ることが出来るようにはなっているらしいのだが、ドロップしたものは、入り口で全て買い取る仕組みになっているとのこと。
基本ダンジョン入り口は、頑丈な扉が作ってあり、モンスターが外に出てくる心配はないそうだ。
翌日には、すぐに出発した。
もう1日と引き留めはあったのだが、国王にお土産があり、急いで渡したいと伝えたところ、諦めてくれた。
トータレスを立ってしばらくしたころ
「この間の軍隊は、すごかっただな、あんな、綺麗に揃うもんだな。」
ミミが思い出したように、話始めた。
「ええ、あの軍隊の動きはちょっとじゃ真似なんか出来ないですわ。」
「やっぱり王都にいる軍隊も一緒なのかな、ねえ、リュウ君」
「そうだな、王都より地方がしっかりしている場合もあるからな、まあ、あと数日で王都に到着するから楽しみにしてようぜ。」
「はいだ、おで楽しみにしとくだ。」
俺もあそこまで綺麗な隊列は、元の世界のテレビでしか見たことがなかったから、王都では楽しみにしている。
そらから数日後、王都のフラーレスに到着した。
ここの町並みは、洗練されており均等に建物が並んでいる。
全て同じ高さ、同じ幅、奥行きは見えないけれど、どの建物もゆったりとした造りになっている。
王都の門から今案内されながら、城に向かっている。
実際城の見た目は、要塞って感じに見えるのだが、
その城の外門に到達し、外門が開いたときには、兵士が道の左右に並んでおり、やはり隊服が統一されたものになっていた。
ただここの兵士が今手に持っている物は、この国の国旗、それも大国旗だった。俺様が進んでいくと、旗のアーチを潜っていくような感覚だった。
城の入り口に着いたときに、そこに王いや、女王が待っていた。
「ようこそ、フレヴォラントへ、道中大変だったでしょう。まずは、湯を準備していますから、汗でも流されたらいかがでしょう。」
流石に、道中に転移してお風呂に入っていたなんて、言えないのだが、ここは好意に甘えておこうと思う。
「それは、ありがとうございます。では、旅の汚れを落とさせていただいて、改めて挨拶させていただきましょう。」
「では、使用人に案内させますので、ゆっくりされてください。」
俺達は、メイドに浴場に案内された。
男風呂と女風呂は別れていたので、そこは問題なかったのだが、俺達男3人が、浴場に入るとそこには大勢のメイドが待っていた。
「服を脱がす係です。」
「背中を洗う係です。」
「左腕を洗う係です。」
「右腕を洗う係です。」
「左足を洗う係です。」
「右足を洗う係です。」
「胸から股まで洗う係です。」
「お湯をかける係です。」
「お飲み物を飲ませる係です。」
「体を拭く係です。」
・・・・・・・
って、1人辺りに何人もメイドが、スタンバイしていた。
「いやいやいや、自分で出来るから、手伝わなくていいから、だから、ね、服を脱がさないで、自分で、自分で出来るから~、わかった、もう脱がされてるのは、わかったから、あ、ね、自分であ~~~~~~」
結局俺達3人は、なされるがまま、身体中洗われて、風呂から上がらせられ、体を拭かれ、服を着させられた。
流石に「興奮したときに、鎮める係です。」って言われたときには、丁重にお断りさせていただきました。
ただ、デービスは全て流されてしまったらしく、ちょっと涙目になっていた。
「し、師匠、な、何故なんでしょう。て、抵抗出来ませんでした。」
まあ、傷つけられているわけじゃないからな、無闇に力を出せなかったのだろう。
浴場から出てきた時に、丁度女性陣も出てきた。
「リュウ君、すごかったよ。あんなに、沢山の女性から色々してくれるなんて、初めてだったよ。」
嵐が興奮して、言ってきた。
「ああ、そうだな。多すぎだな。」
「そっちの使用人もメイドさんだったの?」
「ああ、そうだが」
俺は、何も考えずに答えたのだが、
「「「「「「「え?」」」」」」」
彼女達女性陣が、ビミョーな反応を見せた。
「ということは、格好はあのすっごいうっす~い、スケスケの湯あみ着?」
「ああ、そうなるな」
「興奮した?」
「いや、別に俺はしてないが。」
まあ、実際興奮はしていないから、嘘は言っていない。
違う聞き方されたら、問題なのだが。
「そ、そうなんだ、今度は一緒に入ろうね。」
「今言うことじゃないだろ。」
と、少し頭を叩いておいた。
そのままメイドに、案内されて会議室に通された。
「改めてまして、わらわが現女王のシエです。今後ともよろしくお願いします。」
「ええ、こちらこそよろしくお願いします。デーメーテールのリュウです。冒険者出身ですので、ご無礼があったらごりょうしゃください。」
「それで、会議室に案内させて頂きましたのは、要望がありまして。」
「要望ですか?」
「ええ、この国は見ていただいてわかるように、平野ばかりなのです。それで、木材が採れるところが、あの山脈になるのですが、山脈のほとんどがデーメーテールの領地に成っていますので、そこで木を伐ることを了承いただきたいのです。」
そんなことかと、思ってしまったのだが、俺にも1つ考えがあって了承をもらう必要があったのだ。
「そんなことですか、いいですよ。こちらも1つお願いがありまして、あの山脈の麓から、こちらの国に向けてトンネル・・・・洞窟を掘ろうと思ってますので、そこを了承いただきたいのですが。」
「洞窟ですか?そんなことでよろしければ。」
女王と握手して、そのあとに晩餐会が開かれた。
そして、楽しく晩餐会を過ごしたのであった。