誘いを受けて
体調不良で入院しちゃいました。
なんとかちょこちょこと頑張りたいと思います。
米の生産をある程度しておいた、城の地下に作ってある低温保存庫でしまってあるので、数年間は問題ない量になってはいる。
王都の宿屋や食堂には、炊き方や利用法を教えておいた今年は、なくなったら城に買いに来るように言ってある。
それ以降は、農家が育てた米を城を通じて販売するようにした。
これは、買い占めなどによる値段の高騰を防ぐことを目的としたものだ、それと農家が不作になったときには、城から魔法使いの派遣を行い、十分な量の収穫を確保出来るようにするための措置だ。
宿を利用した行商人から、仕入れをしたいとの希望があったが、農家が稲作を始めたばかりで、俺が作ったものを流通するのもおかしいと思い、今回は断っておいた。ここの気候ならば年2回刈り取ることが出来ると考えており、そのあとに麦も植える期間も取れると思っている。
自分の努力の結果金持ちになる人は、当然のことだと思うが、普通に生活している人でも、最低限の生活が出来るようにするのも上にたったからには必要だと考えているのだ。
麦が収穫されれば、ビールの作り方も伝えてみようかと考えているし、米の収穫が波にのれば、日本酒の作り方も伝えてみようかと考えている。
そうすれば、職人、農家、商人、宿や食堂と町の活気は高まっていくことだと思っているし、北に作った森の中には、魔物も連れてきているので、しばらくすれば、繁殖して討伐が必要にもなってくるはずだ。そうすれば、冒険者も町に訪れる数が増えてさらに町の活気が高まることだろう。
今回は、折角のお誘いを頂いたので、まずは東の国のアイセルモンデを訪問しようかと思い準備をしている。
まずはアルコールだ。
いろいろなところで、アルコールを振る舞ってきたこともあり、在庫が乏しくなってきたので、スネアーズの王都フェリシテの近くにある、野良ダンジョンに行くことにしたのだ。
それには、やはり手土産が必要だろうと思い、別の味のマヨネーズを持っていくことにした。
まあ、順序としてはまず手紙を送って、来訪することを伝えるべきだろう。
その役目は、今回チリンにお願いした。
ただの手紙だけであれば、ゴビットさんを通じて渡してもらえればいいのだけれども、視野ともなると直接ゴビットさんのところから行ってしまうと、門を経由しないので、伝達が伝わらない訪問になってしまうからだ。
チリンであれば、コモンズから出発するので、到達すれば使者が来たということは伝わるだろう。ということで、チリンに任せたわけだ。
手紙の内容としては、
近々、ジョージア様の所に訪問させて頂きたいと思っております。
ただ私は、元々冒険者ですので、冒険しながらお伺いいたしますので、その際にはごりょうしゃ頂きたいと存じます。
というものだ。
まあこれでいつ入国したかわからなくても、問題ないだろう。
早速俺もコモンズに移動して、真っ直ぐに野良ダンジョンを目指した。
目立つわけにはいかなかったので、野良ダンジョンには3日後到着した。
すぐさま、ダンジョンに降りていって、各階に転移の魔方陣も設置した。
ただ、地下3階がモンスターハウスになっているため、ここだけ狩り続けていればいいので、ジョージア王に会うまでに時間があるので、1週間狩り続けた。
1週間後、王都フェリシテに向かった。
王都の門に到達した際に、
「ジョージア様に、デーメーテールのリュウが到着したと伝えてくれ」
と、門番に伝えたのだけれども
「お前なに言っているんだ、デーメーテール?なんだそれは?頭大丈夫か?なんで王様に伝えないといけないんだ。身分を考えれよ」
と、末端の門番まで連絡がいってないようなのと、デーメーテール自体まだ、知名度が低いようだ。
ただ、俺のギルドカードには、デーメーテール国王と表示が入っているし、国王のギルドカードということで、黒貨で使われている材質と同じもので作られているらしい。
ただこの材質は秘密らしく、魔法なども弾く材質になっており、鑑定などのスキルでも、鑑定できないらしい。
どちらにしても入国の手続きなので、身分証明としてギルドカードを提示したのだが、門番が固まってしまった。
いくらデーメーテールが知名度が低いといっても、この黒貨と同じ材質のギルドカードのことは知っていたらしい。
その所持者を馬鹿にしたのである。
すぐに、奥にいたその上司が飛び出してきた。
「も、申し訳ありませんでした。すぐにご案内いたします。おい、こいつを連れていけ。」
俺達に謝罪し、俺を馬鹿にした門番を連行するように指示をした。
流石に他の国の事情なので、俺が口を出すことは憚れる。
「いやだ~、助けてくれ~、知らなかったんだ~」
って泣きながら引きずられて行ったが、まあ、死罪がないから犯罪奴隷になる可能性はあるかもしれないが、奴隷にならなかったとしても、国外追放とかなってしまうかもしれないが・・・
まあ、俺達はジョージア王の所に案内された。
城の謁見の間につくと、王は前回の謁見時と違うくて、椅子からすでに立ち上がって、俺の立ち位置と同じところまで降りてきていた。
「リュウ殿、久しぶりだ、前回と変わって同じ立場になったな、これからも是非ともよろしくたのむ」
と、両手で俺の手を繋いできた。
「ええ、こちらこそよろしくお願いします。」
俺も両手で握り返した。
「それで、今日はお土産をお持ちしました。」
「おお、お土産とな、それはなにを?」
すでに、少年の目みたいにキラキラと目を輝かせて俺を見ている。
俺は、マリサから新しいマヨネーズの瓶を受け取り渡した。
「新しい味のマヨネーズです。」
「おお、新しい味とな、早速味見させて貰おう。すぐに何か準備を」
「待ってください。マヨネーズを入れる皿と、別にお皿をもう1枚準備をお願いします。」
俺は、作っておいたクラッカーを準備して、新しい味のマヨネーズをつけやすいように、皿に出した。
「さあ、どうぞ」
俺がジョージア王にクラッカーを差し出した。
そのクラッカーに、マヨネーズをつけてそのまま口に運んだ。
「ん!ほんのりピリッとするが、これは、うまい。これは、何味というのか?」
「これは、カレー味といいます。今後ゴビット商会から卸せるように準備しておきましょう。」
ジョージア王は、もうそれは嬉しそうに笑顔であった。
しばらく王妃なども味見が終わったところで、ジョージア王から
「リュウ殿にお願いがあるのだが。」
と、急に話があった。
「ええ、何でしょうか?」
「儂の息子のデニスを勉強のために連れていってほしいのだ」
「何で俺のところでしょうか?他の発展している国は色々とあるでしょう?」
「それは、デニスたっての希望であってな、前回リュウ殿が来られたときから、また来ないか?リュウ殿ところに行けないか?と、ずっと言っておってな、それで、リュウ殿の新しい国が何もないところから発展しているところだけでも見ていくのも勉強になると思うし、冒険者としての活動も勉強になると思うのだ、だから、儂の我が儘かもしれんが、是非ともお願いしたい。」
再度俺の両手を掴んで頭を下げてきた。
「わかりました。いいですよ。」
俺の返事を聞いて嬉しそうにしている奥で、デニスが涙を流して喜んでいたのだった。