城の建設 2
堀の建設が完了させた俺達は続いて、ダムから国までの水道を建設を始めた。
堀の完成まで丸1日費やしたので、ダムの建設についてもある程度は終わっているものと推測している。
今から王都からダムまでの約1500キロ離れており、1キロ当たり20センチくらいの傾斜で計算してみたので、基本的に地下に水道を引くことにしたのである。
元の世界と違いこの世界には地下の工事であっても便利な魔法というものがある。
今回の水道は、単純計算すれば3キロ上に上がるようになるのだが、途中でゴミなどを堆積させるための溜池を作り、そこで水位を上昇させたのち、また傾斜を付けて流していくように考えている。
ローマ水道のように、サイホンを利用して王都では水を上昇させるように考えてもいるのだ。
堀の地下には、すでに水道の処置を終わらせており、いまからダムから水を引くために水道を繋げていくのだ。
まあ、距離が長いためこの工事は時間は堀を作成するよりもかかってしまうのだが・・・
すぐに作業を開始した。
1度の魔力を練る作業で、大体50キロ位は出来上がっているのだが、今馬車はダムの方に行っていて、次の地点まで徒歩で移動するしかなかった。
ステータスが高くはなっているので、半日も歩いていれば次の地点にたどり着いた。
この地点に溜池を作り、また水道を延長した。
1日目は、そこまでにして、野営して休息を取った。
翌日
「ねえ、リュウ様車は創れませんか?」
キャサリンが、朝食を取っている所で急に問いかけてきた。
「・・・・・・・」
その一言に俺が放心していると
「ねえ、リュウ様どうなんですか?」
再度キャサリンが問いかけてきた。
俺は、ハッとした。
なんでこんな簡単なこと考え付かなかったんだろうって
「ああ、大丈夫だ。どれがいいかタブレットで、調べてみるか」
と、いうことでそこにいた全員でタブレットを見て検討した。
タブレットを見て、クライスラージープを元に大人数が乗れるように想像した。
この世界に、街道はあっても車道という概念はないので、サイズがどんなに大型であろうが問題ないのである。
「イメージクリエイト」
創造したジープは、見た目と実際の中の広さが全く異なっているのだ。
魔法のイメージも組み合わせておいたので、みんなで中に寝泊まりも出来るようにしてみた。
1番に乗り込んだキャサリンは、
「すごいです、リュウ様。この車、見た目と違ってキャンピングカーになっているんですね。キッチンもありますし、トイレやシャワーも完備しているじゃないですか。」
キャサリンのはしゃぎようを見ているとこちらも嬉しくなってくる。
「ああ、しかもこの車は、魔力を燃料とするから、簡単には盗まれることもない。しかも、防御魔法を常時展開しているので、破壊されることも無いだろう。」
「すごいです。この車何か装備しているのですか?」
「いや、何も武装していないぞ、それじゃなくても、防御魔法を展開しているこの車で体当たりするだけでも十分攻撃になるからな」
「確かにそれは言えてますね。それではまずは私が運転してもいいですか?」
「それは構わないが、魔力だけは気をつけておくんだぞ」
すでに、運転することで頭が一杯になっているキャサリンに注意をしておいたが、
「わかりました」
すでに心ここにあらずといった感じの、キャサリンは軽い返事をしてきた。
みんなが乗り込み始めたばかりなのに、すでにエンジンをかけているようだ。
魔力を使用したモーターエンジンになっており、ハンドルを通して供給されるようになっている。
みんなが乗り込み終わり、扉を閉めたとたんに
((キュキュウ))
キャサリンは、いきなり発車したのである。
「キャサリン、ストップ、ストップ」
急に発車した、しかもフルアクセルだ。
扉が閉まったばかりで、まだ誰も座ってなかったので、車内を転がりまくっていた。
俺は急いで運転席に行き、キャサリンを運転席から引っ張り出した。
ハンドルを離したことにより、魔力の供給がストップしたため車はすぐに止まったのだが。
「なんで運転の邪魔をするんですかリュウ様?」
キャサリンは止められた意味を分かっていなかったみたいだ
「あのなキャサリン、扉が閉まっただけでフルアクセルで発車したらあぶないだろう、安全を確認したか?」
俺が本気で怒っていることを分かったらしく
「あ、ごめんなさい」
「とりあえずしばらくは運転禁止な」
「え~~~~~~~~」
キャサリンが反論したいようだったが、あえて無視をして俺は運転席に座った。
車で移動したことにより、前日は100キロしかできなかった作業を、400キロ作業を行った。
時間的には8時間作業を行ったのだ。これで2かで500キロ。あと1000キロの作業だ、それから3日で作業は終了して、ダムのところまでやってきた。
すでにダムは完成しており、水を貯め始めていたので、ダムの下側は水が流れていない状況だった。
そこで、車を嵐に任せて。
え?キャサリンが運転しないのか?だって、まあ、今のところ運転させるわけにはいかないだろう。
まあ、キャサリンが泣きわめいたことは事実だが、キャサリンに運転させると周りが危険なので、キャサリンの運転はどうしても必要な時だけにしておこうと思っている。
俺は、川の拡張をしながら戻っていくことにした。
ダム自体は、黒部ダムの3倍を誇っており、水がたまり切るまでに1か月はかかると推測されるので、
ダムのすぐ下のところから次第に広げながら進みだした。
進みだしたとはいっても、車の上に乗っておりそこから魔力を放出しながら拡張していった。
ダムの下でも100メートルくらいの川幅で、深さは20メートルほどに調節して次第に広げていった。
帰りも4日で王都のところまで帰ってきた。
今川は完全に干上がっている状況ではないが、支流の川がほとんど存在していなかったので、干上がるのも時間の問題と言えた。
ここでみんな揃っているので、全員の魔力を集中させ城を一気に完成させた。
外観は予定通り真っ白な壁で統一しており、遠くから見てもわかるようになっているのだ。
続けて大通りに面しているところに、商店になる建物を多数建設した。
この建物は、全て鉱石などを使用して建てられているものにしたが、建物の中は、魔石を用いれば温度を一定に保てるように配慮している。
外堀の外側の町は、木の建物で統一するように作成していった。
ある程度の建物を建てたところで、また川の拡張に取り掛かった。
アシュにはすでにタブレットのメール機能で、川を拡張する許可は取っているので、海まで拡張していった。最大幅200メートル、最大の深さ30メートルまで達した。
さすがに海まで拡張していったため、基幹的には3週間ほどかかったのだ。
そこで、アシュのところに戻り、移住希望者はすぐに移住していいことを告げ、
翌週には、ファン・デ・ノヴァで建国の記念式典が開催され、移住希望者の建物の割り当ても決定したのち、移動が開始された。
今回の移住希望者は、ファン・デ・ノヴァの兵隊が護衛として同行しているので、問題なく移住は完了したのだった。
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