城の建設 1
翌日、図面も受け取り彼女達も一緒に新しい国の建設予定地へと移動してきた
周りに作成した森と大きな川を除いては全く何もないところである
「ご主人様、周りに何もないところですわね。それと、今まであった街道から外れたところに作るのですわね」
マリサが、みんなと周りを見渡しながら言ってきた
「ちょうど、ファン・デ・ノヴァの王都からフンドまでの間にはなっているだろう。新しい王都ができれば、何もないところだから、川に橋さえ架けていけば街道はすぐに出来上がるさ。」
「ええ、そうですわね。あと川がこんなに近くにあるのですが、もう少し離れたところに作ったほうがいいと思うですわ。」
俺の考えと別のことを言ってきたので
「どうしてだ?」
「川自体にあまり利用価値がないですわ。」
そうだった、この世界は狩りのついでに川魚を取って売っている以外は、魚は海でとれたものを塩漬けか、干物にして物を売っているものくらいだ。全然川を利用していないのだ。
運搬にも利用されていないのだ。
まあ、人が手を入れていない川なので、このあたりの水深が深くても2メートルちょっとしかないのだ。
農業しているものも、雨の恩恵を基本的にはまっているので、どうしても水が必要と思った時には、井戸から水を運んでいたのである。
今回の建国に当たっては、この川にも後で手を加えようと思っている。
先日、デービスと動物などを集めるために北のこの川の源流近くまで行ってきたのだが、ちょうどいい渓谷があったので、人工湖を作ろうと考えていたのである。
モチーフは黒部ダムである。あのアーチ式の美しいフォルム、放水するときの大迫力、ダムを含めた周りの景観、あ~ぁ、あの素晴らしい・・・・
この程度で、俺の主観は置いておいて
まあ、水の問題もダムがあれば将来的に気にする必要もなくなるはずでももあり、場合によっては、水力発電所なんかも作ってみてもいいかもと考えてはいるところだ。
ダムが出来上がれば、人工湖に水を貯めている間に川の水量は減ってくるので、その間に川底を掘り下げる工事も行っていきたいと考えている。
まあ、この辺はアシュにも許可を取って、ファン・デ・ノヴァ側の川も海まで掘り下げる孤児を行っていきたいと思う。
この水を利用して、町の中にも用水路を作ろうと考えている。
いくら魔石があるといっても、裕福は家でなければ、おいそれと利用しているわけではないのだ。ほとんどが、井戸からくみ上げて、たらいなどで洗い物をしているのであるが、用水路の一部に洗い物ができるようにしておけば、洗濯などは容易になるだろう。
水の利用法については、古代ローマでも使用されていたと聞くローマ水道を参考にしていきたいと考えている。
こんなことを、利用法がないと考えていたマリサに説明していたのだが。
マリサ達の俺への視線が、今まで以上に熱いものに変わっていた。
「さすが、ご主人様だ、おで、そんなことは全然考えつかなかっただ。川自体町の中に取り込むだか?」
「いや、川が中にあると、もし洪水が発生したりしたらあぶないだろう。あくまで川は町のすぐ近くでと考えているんだ。」
「そういう物だか、わかっただ。今回は、何から開始するだ?」
「そうだな、まずは、城の堀から開始していきたいと考えているのだが、そのためにはダムの建設も同時に行っていかないといけないから、ミミと嵐は、デービスに案内してもらって、ダムの建設に向かってくれ。かなりのサイズだから、マジックポーション大目に準備しておくように。図面はタブレットで調べればある程度のものは見れるはずだから、確認してから作業してくれ」
「はいだ」
「わかったよ、リュウ君」
「師匠、任せてください」
それぞれ返事があり、すぐに3人は馬車で移動していった。
「わたくしたちは、何をしたらいいのでしょう?」
「ああ、今から俺が城以外の堀を水道も含めて作り上げていくから、魔力がかなり必要となってくる。ただし、そのたびにマジックポーションを飲む余裕がない。そこで、俺に魔力をどんどん送り込んでほしいんだ。かなりの量のマジックポーションも飲みながらになるとは思うが、それが一番早いだろうと考えているだ。」
すでに、俺の頭の中には、町の水道、水利を含めた図面が出来上がっているので、開始すれば1日もあれば、全ての堀は作り終えることが出来るだろう。
俺は魔力を練りだした。
魔力を練りだしたそばから、ものすごい勢いで魔力が無くなっていくのを感じだした。
周りで俺の反応を見ていた彼女達は慌てて俺の背中にそれぞれの手を当てて、魔力を送りだした。
まだ内堀しか取り掛かっていないのだが、魔力の消費が半端ない。
今は完全な平地になっているが、内堀は、メインの城を作るために、他から見えやすいよう少し丘にしたイメージなのだ。
かなりの魔力を消費したが、内堀は問題なく完成した。
俺達は、マジックポーションをそれぞれ飲み干してから、いったん休憩に入った。
休憩後、今度は中堀、外堀へと続けた。
堀は壁の高さが、8メートルほどありそれぞれ幅が約20メートルほどあり、中に騎士団などを作った場合における宿舎代わりにもなるように設計しておいた。外堀の長さが約15キロ、中堀の長さが約7キロ、内堀が約3キロほどになっている。外堀は水堀となっており、水の部分だけでは場約20メートルあるのだ。
この水の部分についても、川からの水利を利用して水を張るように設計しておいた。
中堀と、外堀の間が町の設計になっており、水堀のさらに外側にも町を形成するように設計を行っておいたのだ。
城の建設ちょっと長くなってきたので、区切りたいと思います。