国の象徴
彼女達を俺の部屋に集めた
「みんなに相談があるんだが。」
「なんだいリュウ君。珍しいね相談してくるなんて。」
「ああ、アシュから分けられる国の名前を相談しようかと思ってね。何かいい案がないかな?」
「そんな国の名前と言われましても、わたくしは考えつきませんわ」
マリサは、真っ先に手を振りながら答えてきた。
「おでもちょっと無理だ」
「う~ん、無理」
「・・・・・・・」
「私も考え付かないよ」
「リュウ様、デーメーテールはどうでしょうか?」
キャサリンが、提案してきた。
「デーメーテール?」
「はい、デーメーテールです。何か神の名前だったように記憶してますが」
「デーメーテールね」
俺は、タブレットでデーメーテールを調べてみた。
デーメーテールは、豊穣神であり、穀物の栽培を人間に教えた神とされる。オリュンポス十二神の一柱ということだった。
「豊穣神の名前か、いいな!豊かな国を創造出来るように期待を込めて、デーメーテールにしよう。」
「デーメーテールですわね、いい名前ですわ。」
「次にどんな城がいいかだが、まずは外観から」
「リュウ様、ノイシュバンシュタイン城がいいと思います。」
「え~、そこは姫路城じゃない。ねえ、リュウ君そう思わない?」
この2人は、白鳥城と白鷺城ようするに真っ白な城が希望ということだろうと、考えた。
「まあ、そこは白色でいいかとは思うが、和風にはしたくないな、でも、日本の城みたいに濠なんかは作ってもいいかもな。それでその外に城下町を作っていくのがいいだろう。みんな城の形のイメージを紙に書き出してくれ。」
みんなに、紙を渡して書いてもらった。
まあ、ルーリルはイメージが苦手なので絵も苦手だった。正直何を書いてあるのかもわからなかった。
マリサは、左右対称の城だった。まあ、正面のみしか書いてないから側面のイメージがわからないが、綺麗な絵だ。
シルフとレイとミミとデービスは、今まで城を近くに見て育ったことがなかったため。ファン・デ・ノヴァの王城をモチーフにしたものだった。
嵐は、絵が下手だったが、いかにも日本の城って感じで書き上げた。でも名古屋城だな。
キャサリンはノイシュバンシュタイン城のよく売ってあるパズルで使用される絵を描いてきた
「キャサリン、タブレット見ながら書いたでしょう。僕見てたんだからね。」
嵐がキャサリンに文句を言っていた。
「だって、理想がそのままだから、見て書くのがいいじゃない!嵐は、自分の絵が下手だからって私の絵に文句つけなくてもいいじゃない!」
キャサリンが言い返すが、まあ正論かなと思った。
俺も、何かを見て書いたら駄目って言ってないし、自分の理想を書き出すのだから、意味合いはバッチリだ。
まあ、タブレット見るのであれば、絵にしなくてもいいんだけどね。
「う~~~~~~」
嵐は、キャサリンに言い返すことが出来なくなって恨めしそうに睨んでいた。
「まあ、この2人は置いといて、マリサはキャサリンが言っているこの城どう思う?」
「確かに美しいですわ。でも、これは同じような立地にあってこその美しさと、わたくしは思いますわ。」
マリサが、言うのもわかる。
このノイシュバンシュタイン城は、すぐ側に美しい湖もあり、山の上に建っている城だ。
季節によってその風景を変える美しい城と、俺も認識している。
まあ、今回はまだ場所を決めてはいないものの、城を中心に王都を展開する作りとしたいし、城自体は、いくつかの濠からなんかを使用した、日本の城を参考にしたい部分もある。
だからノイシュバンシュタイン城と同じように作るわけにはいかなかった。
・・・・・・・・
結果的に、城の正面はマリサの案を採用して、側面は、ノイシュバンシュタイン城のように奥行を広めに取ることにした。
続いて中については、マリサがよく知っているというので、任せることにした。部屋の数は、1000位を予定してるらしい。
この国にいる、職人に図面を引かせるということだ。
職人が、図面を作り終わる前に建設予定地を探しにいこうかと思ったのだが、パレードに参加してほしいと言われ、その後にパーティーが、連日開催されたため。図面が出来上がる方が早かったのであった