ファン・デ・ノヴァでのアシュの奮闘
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アシュはすぐに自室に入り込み、服を着替えてきた。
その格好は、王家が持つオーラのようなものを醸し出していた
「リ、リュウ様、何か言いまくりたいことがありますか?」
俺の顔を見て何か言ってほしそうである
「ああ、よく似合っているな、可愛いよ、王女って感じがよくわかるぞ」
俺がそう答えると、少し顔を赤くしたが、うれしそうな顔になりそのまま貴族などが集まっている会議室に入っていった。
会議室のドアを開けたアシュを見た貴族たちは、一様に目を点にして何か言いたいようであるが、言葉にならず口をパクパクさせていた
「皆の者、心配かけまくった。父上の代わりにこのアシュが代理で国政を行いたいと思う。何か異論のありまくるものはおるか?」
アシュがすぐに言い聞かせたかんじだ。
そこにいた貴族たちは、異論があるわけではないので口を閉ざしてしまった。
「よろしい、では、まずは王都の立て直しから取り掛かりたいが、2つ問題がある。」
周りの貴族たちは、その問題点に気が付いていないのだが、今までフンドにいたアシュにとっては、その問題点がよく理解していた。
「今までは、食料をすべて王都に集めて、地方の町に配給として配っていたが、王都に食料が集められた時点で、食料の半分が無駄になりまくっているのだ。今後は、町のギルドや商店に直接売り買いしていいことにまずは変更する。そのうえで、売り上げに応じた税金を納めさせることにする。農家などについては、販売しない場合であっても、取れ高に応じた税金を徴収することにする。というのが1つ目で、2つ目が、このファン・デ・ノヴァという国は広すぎる。この王都だけでは、全ての管理ができていない。辺境子爵がおるが、ほとんど管理できていないのが現状であろう。今のままで税金方式に変更すれば、辺境子爵が破綻してしまうことがわかりまくっているので、国を2つに分けたいと思う。」
周りの貴族たちは、2つ目の意見を聞いてざわざわと騒ぎ出した。
「皆の物静かにしないか、すでにフンドはこの国が放棄しているため、ここにいるリュウ様の私有地として発展しているのが現状である。で、今回の騒動を鎮静化して、国を正常に働くように協力してくれたのも、このリュウ様である。我々ファン・デ・ノヴァ国民一同は、その働きに対し誠意をもって礼を尽くさねばならないと思っている次第だ。よって、この国の北半分をリュウ様に譲渡したいと考えているが、皆の者何か異論はあるか?」
すると、1人の男が立ち上がった
「恐れ入りますが、わたしは現在コマンドルの領主をしておりますドールですが、立ち退きが必要になるのでしょうか?」
他の貴族も、立ち退きが必要になるか聞いてきた
するとアシュが、
「立ち退きは必要ないが、国として別の国になってしまうのだ、制度などが変わってしまうので、今までのような街のままというわけにはいかないとは思うのと、その場合、リュウ様の臣下に変わってしまうので、ファン・デ・ノヴァ王国の貴族ではなくなってしまうということは理解する必要はあるぞ」
アシュとしては、それぞれの意思で決めていいように伝えた。
俺は、貴族の人たちに伝えることがあった
「アシュ王女からのご意見ですので、反対はございません。国が2つに変われても国境を作ることは考えていません。ただし、新しい国にある町は、今現在スラム街があると思いますが。この人々を救済してもらいます。俺の国として生活する人には、最低限普通の生活ができるように収入が多いものが、収入の少ないものを支える社会を作ってもらうことが条件です。お金があるからといって、お金がないものを好きにしていいということはありません。それぞれの町の領主の方には、必ず町の中に学校を開設してもらいます。文字と計算はすべての国民が出来るよにsぢてもらうことが条件です。それが嫌であれば、領主を下りてもらいますので、その点だけお伝えしておきます。」
俺の言葉に1番険しき顔をしているのが、最初に質問をしてきたコマンドルの領主のドールだった。1番貧富の差が激しく、お金のないものをごみのように扱っているのが、コマンドルの富裕層たちだった。
コマンドルは、現在食料もすべて徴収しているのにさらに、お金の税金まで徴収しているのだ。これでは貧しいものはどんどん貧しくなるのは当たり前である。
「ああ、お金を出すのは領主だけではないですよ。領主からお金を持っている町民から集めてもらいますからご安心ください」
その言葉を聞いて、ドールはさらに険しい顔になっていった
ただ、俺の意見を聞いていたアシュは
「リュウ様の意見はこちらの国としても参考になるな。シルビア、ファン・デ・ノヴァでも今の政策は可能か?」
シルビアさんは、急に振られたが
「アシュ様、可能でございます。簡単に計算してみましたが、最初の2年ほどは赤字になるかもしれませんが、文字と計算が出来るものが増えて、雇われたとすると税収が単純にアシュ様の政策だけのときの倍になるのではないかと試算されます。ですので、赤字も3から4年で解消されると思います。」
シルビアさんの試算を聞いていた貴族たちは、目の色を変えだした
「わたくしの領地はすぐにでも学校の開設に取り掛かりましょう」
という声が次々に上がっていった
その中で、ドールだけはいまだに険しい顔をしたままであった。
「俺の国の臣下になる人は、このまま残ってください。そうでない人は、ご自分の領地での活動を進めていただいていいですよ」
貴族たちは、ぞろぞろと会議室を出ていった。
そして俺の前に残っているのは、3人の貴族たちであった。
ただ、この貴族たちは今の領地はファン・デ・ノヴァにあって、俺の国になる場所にはないのである
「そなたたち、ほんとにいいのか?」
そこに残っていたのは、全て人族ではあるのだが
40後半のアルバさん、年齢より見た目が更けていて、見た目だけで言うと60台に見えるのである。
「もちろんです、王女様」
次に、30代のウィキさん、この人はつい先日父親から家督を継いだばかりとのこと。ただひょろってしていて、どこか頼りになりにないと思われる雰囲気である。
「ええ、心機一転で頑張りたいと思います」
最後に、見た目では年齢不詳の、スヒールモニコーフさん、どっしりとした佇まいされており、頼りになりそうである。
「別れたといっても、国境もない同盟国のようなものですから、2つの国の発展のために協力させていただきます。」
俺は、3人の言葉を聞いてうれしくなってそれぞれの手を握って回った
「これからよろしくお願いします。」
「「「はい」」」
俺は、新たな仲間どころか、国を手に入れてしまったのであった
50000PV、6000ユニーク突破でございます。
皆さんに読んでいただけてるのが実感できてモチベーションが上がっております。
書き終わり次第、更新しておりますので書きだめが一切ありません。ちょこちょこと更新が空くことがあるとは思いますが、末永くよろしくお願いします。