フンドに起こる災難 1
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それから6か月ほどたち、町の方も活気があふれてきた
ゴビットさんのところで商人の勉強をしていた3人も帰ってきて、3人で一緒に経営することにしたのだ
3人は得意とする内容が異なっており、1人ずつで経営するより、一緒に経営したほうが効率がいいと判断したようだ。
店頭で直接販売を担当するのがロニアさん、他の商会などと取引を担当するのがフリードさん、商品の運搬などの管理をサルサさんとなったのだ
すでに商店をオープンさせているのだが、順調に営業できている。ある程度の仕入れは、ゴビットさんの商会と行ってはいるものの、工房を行っているドワーフと契約して、1部の金属製品を販売していたり、フリードさんのつてで、エルフから薬などを下ろしてもらったりしている。
この商店には、転移の魔法陣は配置していないので、サルサさんが、ギルドで冒険者を雇って馬車でクローゼに取引に行ったりしている
かなりの活気であると思われるため、他の商会が取引のためにフンドへ来ることも多くなってきた。すでにこの商店には、何人かの店員を雇っている。それぞれ自分の部下を育てているようで、そろそろほかの町に取引に行きたいと考えているようだ
これだけ栄えてきたのだから、いくら国が1度放棄していたといっても何も言ってこないはずはないだろうと思っていたところ、案の定使者らしき人がやってきた
ちょうど俺がギルドへ来ていた時だったため、門の警備をしていた冒険者がすぐに俺を呼びに来た
「あ、救世主様、何やら騎士風の男がやってきて、この町の代表者を出せって言ってきているのですが」
「わかったすぐに行こう」
俺は、南門へ向かった
そこには、鎧を着込んだ男が3人で馬上から降りもせずにこちらを蔑むように見下ろしていた
「お前がこの町の代表者か、この町を返してもらいに来た」
「は?」
俺の後ろに集まってきていた、今のこの町の住人から声が上がった
「今更何しに来たんだ、この町は放棄したんじゃなかったのか?救出活動もしない軍隊なんか、ただのくずだ。この町は、救世主様のものだ、俺達は、救世主様に力をもらったから、今更お前たちが来たぐらいじゃ怖くなんかないぞ。」
「「「「「「「「そうだ、そうだ」」」」」」」」
「役立たずなんか引っ込め」
「「「「「「「「そうだ、そうだ」」」」」」」」
俺の眷属化を受けた村人だった人や、もともとこの町の出身だった人たちすでにレベルがある程度は上がっている。普通の兵士じゃ負けることなんかなくなっているのだ
「貴様ら、言わせておけば1人残らず切り捨ててやる」
兵士たちは、みんな剣を抜いた
「師匠、ここは自分に任せてください」
町のみんなの間から、デービスが出てきた
ここ6か月で、俺の呼び方が師匠に変わったのだが、この町の冒険者誰よりもレベルが高くなった
すでにレベルが140になっており、1人で浅いダンジョンをボスの前まで行って帰ってくることが出来るようになっていたのである
「こんなやつら、師匠に相手してもらうなんてもったいなさすぎます。指2本だけで相手してきますから」
デービスが、相手を挑発するように右手の親指と人差し指の2本を合わせていた
「こ、この、ガキ、死ね」
兵士は有無を言わせずに、剣を振り下ろしてきた
デービスは、その剣を宣言通りの指2本で受け止めた。
そのまま剣を持った兵士を頭上高く持ち上げて、そのまま地面に打ち付けた
残りの兵士2人が背後にいる状態で、背中をその兵士たちに向ける格好になっていたところ
その隙を逃さないとばかりに、2人同時に攻撃してきたのだが
デービスは、最初の兵士が切り付けてきた剣を指2本で持ったまま、背後に振り回したのである
その剣で2人の兵士が切り付けてきた剣がはじかれたのだが、1人が持っていた剣が運悪く、もう1人の腹に刺さったのである
地面に打ち付けられた兵士と、自分の持っている剣が仲間の兵士に刺さってしまった兵士は、恐れをなしたように走り去っていった。
そこには、剣が腹に刺さり苦しんでいる兵士と、馬2頭を残して
俺はすぐさま苦しんでいる兵士に回復魔法をかけて、傷をいやした
「あ、あれ、い、痛くないぞ」
「大丈夫か、一応傷は魔法で直しておいてからな、上のものに言っとけ、ここは俺の私有地だ。どうしてもこの町が欲しかったら、黒貨2億枚準備して来いってな」
すでに、兵士の顔からは血の気が引いて青ざめている。何も言わずに馬にまたがり走り出したのだった
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