助けた村人達のこれから 2
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クローゼのゴビットさんのところからフンドに戻った俺は続いて
「次に農業をしたい人は、この女性の前に集まってくれ」
俺は、レイの目の前に農業の希望者を集めた
「今残っている人で、冒険者になりたい人はこちらの女性の前に集まってくれ」
「はい、はい、僕の前だからね」
嵐の目の前に誘導しようとした際に、嵐が元気よく手を上げてみんなにアピールした
「ほかに何かしたいものはいるか?」
俺の目の前に、数人のドワーフが出てきた
「わしら、鍛冶か採掘くらいしかできんのだけれども、確かフンドの近くには鉱山があったと思うんじゃが、わしらそこで採掘しながら家事をしちゃいかんかのう?」
「リーリアさんここの近くに鉱山があるって本当ですか?」
「ええ、確かに北側の山に鉱山がございますよ。ただ、魔物もよく近くに出ますのでかなり危険かと・・・」
「そうですか、では、あなた方も一応冒険者にもなってください」
「わしら戦う技術なんか持ち合わせておらんよ、それで冒険者になっても死ぬだけじゃ」
「そのまま冒険者になるわけじゃないですよ、希望者は新たなる力を身に着けてもらいます。それで、あなたたちが冒険する場所は、鉱山とこの町との間だけで結構です。ですので、あなたたちの希望通りになる予定ですね」
「わかりました、わしら救世主様に従いますじゃ」
「それでは、あと残った人でお子さんがいる人は、俺の前に集まってください」
俺は子供連れの人に集まってもらった
「皆さんのお子さんには、将来のために新たな力を与えておきたいと思います。将来進みたい道が決まれば役に立つでしょから。」
子供たちは自然と俺の前に一列に並んだ。その後ろに、自分で歩くことが出来ない赤ん坊を抱いた母親たちが続けて並んだ。
俺は、順番に子供たちに眷属化を行い、魔法の属性をすべて付与しておいた
その中で、1人の男の子が俺が付与する前からすべての属性が使用できる能力があった
この子の名前は、デービスと言って、竜人族の出身だった。村の方に母親と一緒に流れてきていたが、少し前に母親が亡くなっており、そのまま1人で生活していたのだという
「デービス、それじゃあ俺の家で生活するということでいいな」
「う、うん、じゃなくて、はい」
「別に改まらなくていいぞ、喋りやすいようにしゃべってくれ」
「うん、わかった、よろしくお願いします」
満面の笑みだが、笑うと目がなくなってしまうほど目が細い、目自体たれ目でいかにも優しそうな雰囲気を持つ子供だ
「デービス、それじゃあ、ミミとルーリルとマリサと一緒にダンジョンに行ってくるんだ、いいな」
「はい、行ってきます」
4人はすぐにダンジョンに向かった
おれは、次に冒険者の前に移動し、順番に眷属化を行った
レイは、すでに農業の希望者を町はずれに作ってある農場に移動させ、農地の区分けを行っている
ただ、現在この農園には家畜が存在しておらず、リーリアさんを通してほかの町のギルドへ家畜購入のための依頼を出してもらっている状況だ
冒険者の眷属化が終わったところで、嵐とキャサリンとシルフが全員を深いダンジョンに移動させなじめたが、先ほど鍛冶を希望したドワーフたちは、俺とウィードとアシュとビューティーで一緒に鉱山へと向かった
ドワーフたちは全員武器が、鎚を使用するとのことだったので、ミスリルの鎚を渡したら
「こんな高価なもの使っていいのですか?わしらお金なんか持っておらなんだ」
「大丈夫ですから気にしないでください」とは、伝えてはいるのだけれども、少しかしこまってしまったのだ
俺達は、村の北側にあるという鉱山に向かう途中この近くを縄張りにしていたのだろう、ホワイトボアに何度も襲われたのだが、すでに先にレベル上げをしていたアシュとビューティーにとっては問題ない相手になっていた
ドワーフの面々は、俺とウィードが瀕死にさせたところを攻撃させ、わずかながらレベルを上げていった
ドワーフの面々は総勢25人いて、それぞれ我が強いらしく連携しての攻撃などが苦手のように感じられたが、ここにいるドワーフは、男だけではない。女性もいるので、異性とコンビを組んでいるメンバーは、まだ連携がとれてはいた。
町を出て、3時間くらい歩いたところで鉱山の入り口に着いたが、暫くの間使用されていなかったため、少し奥で坑道が塞がっていることが見てとれた
「どうしたらいいじゃろうか、ここまで坑道が塞がっているとなると、掘って進むのも大変じゃろうて・・・」
ドワーフの面々は一様に困った顔をしだした
「それでは、ちょっと待っていてください」
俺が、ドワーフに告げて坑道の中に入っていった。坑道に手を当てて土の魔法と、木の魔法を使用した
土の魔法で、崩れ落ちている土などを上の空洞に押し戻し、木の魔法で、坑道内を補強していった
その光景を見ていたドワーフとアシュとビューティーは、口をあんぐりと開けて止まっていた
はっとしたように
「どんだけ~!、さも当たり前なようにしてるけど~、すごいことしてるのよ~」
ビューティーが、その顔を近づけて話してきた
「わかった、わかったから、顔が近いって、ちょっと離れて」
俺が、ビューティーを押し戻した
「あ~、気持ち悪かった」
「も~、失礼ね~」
「でも、本当すごいね、もっとレベルを上げたら出来るようになりまくるかな?」
目を輝かせて聞いてきている
「出来ないことはないけどな、魔法はイメージが大切だ。いくらレベルを上げても、イメージ出来ないことは出来ないぞ」
俺が、そう説明すると
「じゃあ出来るようになるんだね、よ~し、かんばりまくるぞ」
アシュが、手を握りしめて宣言していた
このあと、この鉱山の坑道を補正して回ったが、塞がっていたことによって、中にいた魔物は死に絶えていたので、ドワーフ達が採掘するのには問題がなかったので、全員にピッケルと背負いかごを渡した。
無限カバンを渡すと、採掘ばかりしていそうな気がしたので、簡単な背負いかごを渡したのだ
ドワーフ達は、暫くの間アシュかビューティーと一緒に鉱山に行くようにしたのであった
今後ともよろしくお願いします