フンド郊外のダンジョン攻略 11
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「よくもご主人様を」
レイが、リュウを攻撃したやつに向かって突進して行った
他のみんなも怒り狂って、冷静さを失っていったが
ミミとキャサリンだけが何とか冷静さを残していた
「すぐにご主人様を治療するだ」
「ええ、リュウ様の傷さえ治せば大丈夫なはず、心臓はまだ動いています」
「おでが、回復魔法を使うだ、キャサリンはポーションを意識が回復するまで使ってほしいだ」
「わかりました、リュウ様を急いで治療しましょう」
すでにマリサに関しては、魔力が残っていないため怒りに任せようとも、攻撃をすることもできないでいた
ただし、リュウを攻撃したものに対して、攻撃が一切当たらないのだ
しかしながら、敵の攻撃は一切なく怒り狂っているだけに、魔力を制限なく使っているこちら側はすでに動きなどが遅くなってきている
ウィードとシルフが最初に魔力枯渇してしまい、リュウの横で休み始めた
次に、レイとルーリルと嵐も魔力が尽きてしまった
チリンに関しては、魔法での攻撃頻度が少ないおかげで、まだ攻撃を続けてはいるものの
すでに、キャサリンとミミを除くほとんどの者が魔力が枯渇していてまともに動くことが出来なくなっているのだ
チリン以外が動いていないので、相手からの攻撃が始まった。
ただ、攻撃が来る方向が一定していないので、リュウを囲むように周りにいる状態だ。
ミミの風の鎚から発生している風の魔法による防御壁でかろうじて致命傷を受けることだけは避けているものの、すでにじり貧の状態である
「このままでは、まずいだ。みんなの魔力が回復するまで持たないだよ」
「魔力回復のポーションはみんな残っていないですか?」
全員が首を横に振った
話をしている中、ミミが防御壁の外からの攻撃に被弾して自身を回復し始めた
「ミミの魔力が尽きてしまったら、この防御壁も消えてしまいますわ、そうしましたら一方的に攻撃を受けてしまいますわ」
「ねえ、みんな何かいい案はないのかな?」
「あったら今の状態になっていませんわ」
「う~んと、キャサリン、え~っと、それは?」
シルフがキャサリンの無限カバンを指さしている
「え?」
キャサリンが自分の無限カバンを見てみると、本が光り輝いていた
「これは、以前リュウ様が使っていたアイギスの本」
「以前もこの本で攻撃をしのいでいましたわ」
「綺麗だっただ」
「今はそんなこと言っている時じゃないよ」
「わかりました、では、私が使いますね」
キャサリンが本を頭上にかざし
「アイギス」
みんなの周りを光の奔流が包んだ
アイギスの光によって、攻撃が完全に遮断された
みんなの真ん中にいるリュウにはすでに傷はなく、いつ目を覚ますかを待つのみであった
アイギスの光の周りでは、
「くっ、小癪な、どうせこの光が止まってしまえば俺が攻撃してしまえばいいだけだろ、こんな時間稼ぎしやがって、こいつらもだいぶ消耗してやがったから、このまま攻撃を続けていれば、光がやまなくても攻撃が通って光が消える前に決着がつくだろう」
外から攻撃している奴は、この光がそれまでの防御壁と同じものだと思っており、攻撃を続けていれば今まで通り攻撃は通るものとゆう考えのもと、魔力を消費続けるのであった
それからしばらくたつと、リュウが起き上がった
みんなが心配してリュウの顔を覗き込んでいた
「みんな心配をかけた、ですまないが状況はどうなっている」
「ほとんどのみんなが魔力を枯渇していますが、アイギスで守られている状態です」
「そうか、アイギスは誰が?」
「キャサリンですわ」
「やっぱりキャサリンか、この本の適合者はキャサリンなのだろうな、キャサリン、それとみんな助かった、それじゃあ決着を付けようか、みんな手を出してくれ、魔力なら俺は満タンになっているから、みんなに魔力を渡すぞ」
全員が円陣を組むように手を真ん中に重ねている、その上から俺が手を置き、みんなに魔力を渡した
全員の魔力を完全に回復させても、リュウ自身の魔力は半分も減ってはいなかった
外との交流を取ろうとし始めたため、光の奔流だけ収まって見えたが、実際にはアイギスが収まったわけではなかった
「やっと、光が収まりやがったか、食らいやがれ」
外にいるものが、攻撃をしてきた
ただし、アイギスが働いている限り攻撃は一切通ることはなかった
「無駄だよ、君の攻撃はもう通ることはないよ」
「そんなことはない、光は収まっているからな、くだらないこと言ってないで、死にやがれ」
その男は今の魔法が最大の攻撃だったのだろう、
「な、なぜだ、レベルも高くなったから、俺にかなう奴なんていないはずだが」
「レベルいくつだ?」
「聞いて驚くな、俺のレベルは130だ」
「は?」
「だから、130だ」
「え?」
「何度も言わせるな、130だ」
俺は、何故みんなの攻撃が当たらなかったのか理解できないでいた
「なんであいつに攻撃できなかったんだ?」
「それは、何をしても消えてしまって攻撃が一度も当たらなかったんですわ」
「一度もか、攻撃はいつ受けたんだ?」
「それは、こちらの魔力が尽きてからですわ」
俺達が話していると
「おいわれ、俺を無視すんじゃねえ」
代理者が声を荒らげて攻撃を続けていた
相手の代理者も相当魔力を消費してきたのだろう、すでに息が上がっておりよろけ始めていた
「まあ、今だったら攻撃も当たるだろうから、みんな一斉に攻撃するぞ」
「「「「「「「「「はい」」」」」」」」
「まずは、ウィードとマリサでこの辺一帯の地面を凍り付かせてくれ。で、みんなは風の靴で地面から浮き上がるようにしてから、ルーリルとレイとシルフは接近戦を仕掛けろ。次にミミとキャサリンと嵐は遠距離攻撃だ。チリンは、自分ができそうな攻撃をひたすら続けるように。俺は持てるだけの力であいつを攻撃する」
みんなは、俺の指示を受けて一斉に動き出した
俺は、今までと違った複合魔法を使おうと思っていた
正しくは、複合魔法ではなくそれぞれの効果を使用して魔法を展開するのだが
土の魔法で光を集めて反射する鏡を作成した。その光が広範囲になるため、氷の魔法でその光を集合させるレンズを作成し、さらにその光を1点に集めるために、もう一度光を集めて反射する鏡を作成し発射口から出るように調整した。その周りからほかの光が入り込まないように闇の魔法で閉ざしてから、最初の鏡に向けて、火の魔法で発生する光と、光の魔法での光を放出した
鏡が、大量の光を集めている、照準を相手の代理者に向けて合わせた、自動追尾くらいはイメージで問題はない
「みんな発射するぞ」
みんなが一斉に射線上から退避をして、相手の代理者が動けないように一斉に周りに魔法を放出しだした
「ライトニングキャノン発射」
((キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン))
高い金属音とともにまばゆい光が一瞬のうちに射線上のものは、この世から蒸発した。
射線上にあった壁や床なども、まるでドロドロに溶けた金属のように真っ赤にたぎっていた
代理者は自分の末路もわからないまま死んでしまったものと思われる
俺達は、その代理者がいたらしき場所を振り返ることなくダンジョンの魔法陣に入って地上へと戻った
今回はいつもより長めになりました
今回の内容は、昔0〇7辺りで出てきた衛星兵器みたいな感じを考えながら、書いてみました
何か意見などございましたら、お持ちしております