一章十七話 とある少女の物語③
私の名前はソラ。
誇り高き獣人族ってお兄ちゃんが言ってた。
奴隷商人に誘拐されてからもう七年。
初めはとにかく混乱していて暴れてしまった。でもすぐに私は暴れなくなる。
罰として縛られたまま水中に放り込まれたあの日から。
初めて感じた明確な「死」。それは簡単に私の心を“奴隷”まで落とした。
それからはずっと、奴隷商人に逆らう事なく言われたことをこなしていた。
この七年間で家事、計算、礼儀、奴隷としての心構えと性知識まで教えられてきた。
獣人族の奴隷は高く売れるらしい。
売れるようになる十歳までの期間に、更に高く売れるようにと色々教えられた。
棒で殴られ、鞭で打たれ、何度も死にかけながら。
そして今日、私は十歳になった。
………………なってしまった。
奴隷として買われれば、きっと今までより辛くなる。
仮にも売り物として死なないように扱われてきたけど、きっとそこから先は死んでもおかしくない。
奴隷とはそういうものだと教わり、私もそういう人たちを何人も見てきた。
最後にはいたぶられて殺されるか、狂わされて殺されるか。
とにかくまともに生きてはいけない。
そして自殺することもできない。魔法で「自殺」と「逆らうこと」を禁じられてるから。
だから私はここから先の地獄をただ耐えなくちゃいけない。
「おい獣人。喜べ、お前も今日から商品だ」
私は奴隷市場へと連れられていく。
(どうしてこんなことになっちゃったのかな……お兄ちゃん……)
私は正式に奴隷となった。
明けましておめでとう御座います♪




