竜脚機・パイルガン・ラプトル (2)
正義の秘密をバラします。
と言いましたが全然尺が足りませんでした。
次回で許してください。(__)
今回の新キャラは大分、
胸糞成分が強いので、無理だと思った方はブラウザバックをお願いします。
飛鳥は言われた通り変体してファントムの姿になる。
そして正義は
上空に向かって拳銃を撃つ。
「きゃああああ!!」
「ふぁ、ファントムだァああァ!!」
今ここは完全に帰宅ラッシュ街中のど真ん中。周りは人で溢れかえっており、ここで戦えば確実に周りに被害が及ぶ。なので手っ取り早く人払いをするにはこれが1番効率がいい。
逃げようとする人間の中、
一人だけ微動だにせず、
肌が驚くほど白く顔色が悪い白髪混じりの黒髪のオールバックに紺色のスーツを着た、
薄気味悪い笑顔でこちらを見てくる
男がいる。
(この人だ。)
人の群れが飛鳥達の周りから離れた時その男の全体像が見えた。
(...、え?
これが...、
ギアのファントム?)
それは飛鳥の予想とは大きく違った容姿だった。
仮にも生物でありながらも
まるでハサミのような無機質な銀色で機械的な左腕と
左目からは何か赤と青のたくさんの電線が左肩のポンプの様なものに伸びている、
奇妙で恐ろしくはあるが、
それ以外は、ごく普通の人間の見た目だった。
「被害が及ばぬように人払いとは、
何とも警察官の鏡のような女だな
あんた。
しかしまあ、まさか糞ガキの方がルーザーだったとは以外だったよ。」
その男は少し気味の悪い低めの声で喋り出した。
そして逃げる人々の方を向き、
「お?
いいね〜。」
次の瞬間右手の人差し指が触手のように伸び、
左足に包帯をまき、松葉杖をついていた女子高生の首に巻き付き、
これを自分の元に引き寄せた。
「!!
その人を話しなさい!!!」
そう発して正義は銃口を男に向ける。
飛鳥は足の爪を立てる。
だが男は、
ヘラヘラした表情を崩さず、
正義と、自分の射線の間に少女の髪を掴み、盾として構えた。
少女はあまりの恐怖に声にならない声で目に涙を浮かべていた。
男は少女の背後から
耳元でこう呟いた。
「俺はさあ〜
お前のようなか弱い女が逃げる姿が最高にすきなんだよ。
捕まえた後のその涙浮かべて
助けてなんて言われたらたまらないんだよな。
お前誘ってるんだろ?
わかってるんだよおれには?
欲しがりなやつだな?
たく他に用があって来たのに
しょうがないなあ。
ほ〜ら、願いを叶えてやるよ。」
男は捕まえた少女の背中から、左腕のハサミを腹に突き刺し、
そのはらわたをグリグリと抉った。
「ぶっ...!」
少女は口から
血と肉片のようなものを吐く。
「たっ...、
たす、け、...、」
「いい声で鳴くやつだな。
いいぞもう1度命乞いしたら
助けてやるよ?」
「た、...、たす、...、
け......て、...
お...、願.....、い、...、します。」
「いい子だ。」
次の瞬間、
それは誰もが
目を覆いたくなる光景だった。
腹に突き刺したままのハサミを
そのまま開いた。
少女の体は頭から股に掛けて真っ二つに割られてた。
飛鳥達は彼女の頭が割れた瞬間、
彼女の瞳の中の光が消えたのを見た。
赤い鮮血が飛び散り
少女の腹の中の贓物が
辺り一面に広がる。
「一応言っておくが、
命を助けるとは言ってないぜ?
痛みから助けてやったのさ。
正直にいえよ?
楽しかっだろ?
俺はいい感じに
暇つぶしになったぜ?」
(っ!!!!)
飛鳥は怒りで我を忘れ、
一直線に男に向かって走り出した。
「!! ちょっと飛鳥くん!!!」
「何で!!!?
あんたはカニバリズムに
勝ったんだろ!!!
あんたの心は人間のままだろ!!?
なのに!!!
何でこんなことヘラヘラしながら
やってんだよ!!!」
飛鳥は叫びながら人の形をした
化け物にいつもよりもかなり荒い
蹴り技の応酬をかける。
「ハッハッハッハ!!!
言葉普通に喋るルーザーとは何とも気味の悪い奴だな!!
お前ファントムの癖に
人殺してないんだって?
殺っちまえよ!!
そこの可愛い顔でクソエロい身体した姉ちゃんとかよ?
一緒に住んでんだってな!?
凄いな性欲ねえのか!!?
俺なら我慢できないね!!
お前みたいな最高に理解出来ない奴は初めてだぜ!!」
唾を吐きながら歪んだ笑顔で、
喋りつつも、
飛鳥の蹴りを全て
左腕だけで受け流し。
そして、焦って右足の大きな回し蹴りを繰り出した飛鳥の足を容易に受け止めそのまま左腕の大振りの裏拳を腹に入れる。
ファントムの姿になった飛鳥は2m越えの怪人でありながらもその巨体は赤子が投げ飛ばされるように大きく飛び。
正義の近くの地面に腰を叩きつけた。
「ぐ!!!」
「飛鳥君!!! どんな事があっても
戦いの時に冷静を欠くことしちゃダメだよ!!! 命がいくつあってもたりないよ!!! 」
「だまっててくださいよ!!
何で正義さんはこんな時にまで
冷静に要られるんですか!!
それでも人間なんですか!!!
何で僕と違って人間なのに正義さんにはこういう時人間らしさが欠片もないんですか!!!
見損ないましたよ!!!」
正義の顔に一瞬、影が入る。
「あー〜。
無知ってのは罪だよな?
おいクソガキ。
お前のことだよ。
つうか姉ちゃん、そのバカにに言ってねえのかよ?
手伝ってやるぜ。
ほら、
その体で教えやれよ。」
そう発し一瞬で距離を詰めて
飛鳥を頭から割らんと左腕を
振りかぶる。
腰が地面に付いたままの飛鳥によけられるわけはない。
(飛鳥君!!!)
正義は人間とは思えない速さで飛鳥の前に出る。
そして正義の体に男のハサミが
右肩から入り股から出る。
削ぎ落とされるように正義の右肩から右足まで部位がその場に転がった。
「正義さん!!!、
...、
え?」
正義は生きている。
痛みで削ぎ落とされた体の断面を抑えつつもその目には生気があった。
だが何より飛鳥が驚いたのは、
切り落とされた断面からは
人間ではありえない電線の束と、
人の骨を模したようなアームのような物が見えた。
そして
人間の血とは似ても似つかない
青いオイルのようなものが地面に滴り落ちている。
「人間なのに、
か。
残念クソガキ。
大間違いだよ。
ルーザーのお前にはわかんねえだろうが俺らみたいなファントムにはわかんだよ。
ファントムじゃねえけど、
人間でもねえってな。
今この周りに
人間なんて居ねえよ。
ばあか。
ここにいるのは、
人間みたいなクズどものせいで
生まれた
かわいそうなヤツら3人だけだよ。」
「正義さん、
これって、
...、どういう。」
正義は下をうつむき
自分の体の断面を見る。
飛鳥に問いには、
何も答えてはくれなかった。
「俺が代わりに
お前みたいな馬鹿なクソガキにも分かるように。
優しく教えやるよ。
その女の生まれた意味をな。」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この作品は他の小説より1話がボリューミーなので、 大変だと思います。
本当にありがとうござます。
これからも自分の書きたいもの書いて頑張ります。