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Open your eyes  作者: 中嶋太一
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Meeting with partner

最終回見てくれてありがとうございます。


病院の個室と言うよりはどこか工場の1室のような所に飛鳥と命、そして大量の電線とケーブルに繋がれ青い溶液に全裸で入っている目を覚まさない正義がいた。飛鳥は恥ずかしそうに出来るだけ正義を視界に入れないようにした。


「聴いてよ飛鳥ちゅん、250万だってよ。高いよね〜。保険適用外!ぶっちゃけ政府の人達早いとこ絶滅して欲しいって思っるよねこれ(笑)

そら自分の達の黒歴史だし、とっとと消えて欲しいって思うのもなんとも大人らしいというか。


まあ一括で俺が払っちゃうんだけどね。(笑)」


「本当ですか?」


「そりゃ〜ね。うん俺がもうちょい早く来てたらあんな小物、秒で解体してたし飛鳥ちゅんだって俺にもう2度と人間に戻れない体にされることも無かったわけだしさ。」





「嘘ですよね。命さんはもっと前に来てたはずです。多分女の人が殺さてから後ぐらいに。」


「あら、飛鳥ちゅんまじセンサーだね。うん俺が来た後はJKさんが真っ二つになってたよ。その後は高みの見物してたよ。 君弱かったね。


ルーザーにしては理性があるぶん多少は強かったけど。普通に死にかけてて笑ったよ。なんか熱くなって語ってたけど、俺居なかったら二人とも仏になってたよね。」


「なんで普通に助けてくれなかったんですか。」


「ん?あーまあちょっと君の事どんな奴か知りたくてね、うん後地味に気に入ったからギアのファントムにしといたよ。一応言い訳しとくとさ、最終的には見殺しにはしない予定だったからさ、一応。君がヘタレな脳死野郎だったとしてもそれはそれで助けてたから。」


飛鳥は命の顔を思いっきり殴った。


しかし殴られた当の本人は怯みもせずに涼しい顔で飛鳥の腹に膝蹴りを返した。飛鳥は痛みでその場にうずくまる。

命はあえてうずくまった飛鳥に視線を合わせる用に腰を落として話し出した。


「力=正義だよ、飛鳥ちゅん? いつの時代だって勝った方が正義になってるだろ? 君は勝ったからあのハサミのオッサンを非難できる権利がある訳よ。でも君が負けてたら、あのオッサンはきみの事を雑魚のゴミクズだって大声で歌ってたぜ? 勿論、君の事を命懸けで護ってくれたお姫様もね。

正しいか間違ってるかは関係ないのよ。


分かる? 弱さは罪なのさ。ましてやあんな外道より弱いなんて大罪中の大罪だぜ?ぶっちゃけあの時の君は、正しい事言ってたよ、ちょっと寒過ぎて悪寒がしたけどね(笑)なのに普通に負けるなんてね。そら力もあげたくもなるさ。俺のアリよりも小さい良心が働くなんてよっぽどだぜ?(笑)」


うずくまった飛鳥はゆっくりと平気そうに強がって立ち上がった。


「よく喋りますね。話長すぎて半分しか内容が入って来ないですよ。」


「うわーお。煽ってきたよ。やるね飛鳥ちゅん。ごめんね、俺喋るの好きなのよ。」


「それで...、僕に用でもあったんですか?

わざわざ僕なんかの事調べて。わざわざお金まで」


「スカウトですよ、飛鳥ちゅん。面倒見て上げるから来なよ。ギアの使い方教えてあげるよ。

ついでにファントムとしての生き方もね。」


「...、は?」


「は?っておいおい。 」


「行くと思ってます?」


「でもここには居られないよ?あんだけ派手なことして。街の人も俺らファントムも絶対カンカンだぜ?俺この身なりでも軽い公務員みたいなもんだからさ。俺、君の事殺すかとっ捕まえて持って来いって言われたのよ。君の事ギアにしたのは俺のアドリブだけどね。ルーザーでいるよりは扱いは良いかなって思ってさ。


俺と一緒に来たらお咎め無し。


ここにいたらいつかお姫様もろとも八つ裂きだね。」


(勝手すぎる。)


「...、分かりました。行きます。」


「サンキュー、悪いね。一応この街にテイマーの俺より強い人が来るらしいから君が居なくなった後もその人が街を護ってくれるらしいよ。それとね、






お姫様の飛鳥ちゅんとの記憶は、消させて貰うよ。ついでに2度と戦えないように戦闘データと他のパーツも私生活が出来る位のに変えさせて貰うね。恨んでくれても構わいけど、俺はそっちの方がいいと思うな。」


「!!」


飛鳥は声を上げて反対しようとした。


だが、今日みたいな事がまた起きるかもしれないそう思うと何も言えなくなり下を俯き、小さく弱々しくうなづいた。


「ふーん、思ったより物分りいいね助かるよ。急で悪いけど今すぐ荷物まとめてくれないかな。 俺も手伝うからさ。記憶は消すから別れの挨拶はいらないな。こういうのは長引くほど辛くなるからね。」


飛鳥達は、目を覚まさないままの正義を置いてこの場を離れこの日の内に荷物をまとめて街を去った。飛鳥も命はただ一言も喋らなかった。








………………………………………………………………………………………………




「はい着いたよ、俺んち。」


「あなたと住むんですか?」


「そりゃね。若干13歳の青年の一人暮らしを許すほど日本は緩く無いっすからね。」


「あなたも多分18以下ですよね?」


「ピチピチの16ですよ俺。」


「...、あなたはいいんですか?」


「公務員だからね。」


「学校行かないんですか?」


「俺小卒だぜ?」


「は!?」


アパートの1室の前、アレから初めて二人は言葉を発した。


「それでなんだけどね、




明日から飛鳥ちゅん俺の仕事の助手だからね。」


「いやです。」


「早いよ。 まず内容聞こうよ。」


「あら? みこっちゃん!! おひたしー。」


「あ、奥さんじゃん! おひたしー。」


二人の会話に階段から降りてきた大家の奥さんが入ってきた。


「あら! 可愛い! 弟ちゃん!?」


「違います。」


「この子俺の上司の隠し子なんだよ。」


「普通に嘘言わないでください。」


「まあ仕事関係でちと同居するから、また大家さんに言っといてよ。」


「いいわよー! でも大変ね。 これでいつもみたいに家に女の子連れて来れないわね。」


「え? そんなことしてるんですか?」


「奥さん止めて、俺のイメージ悪くしないで。」


長々と玄関の前で話を終え奥さんは家に戻り二人は部屋に入った。 部屋は特撮ヒーロー物のフィギュアとポスター、そして特撮俳優のサイン用紙を額に飾っり几帳面に整頓されていた。そして生活スペースは恐ろしく狭く、二人で住むなど正気の沙汰とは思えないほどだった。


(......、 えっ、えぇぇ。)


「さて飛鳥ちゅん。明日なんだけどちと探したい人間、いやギアのファントムがいるんだ。








Killer whale(殺し屋クジラ)って言われてるんだけどね。





あっ、お腹空いた。やっぱ先飯食いに行こうぜ。」


「は、はァー。」




飛鳥に視点を当てた話はこれで終わりを迎える。


これからはこの歯車の合わない二人と、



歪みきった正義の体現者と、




自分の美学のみの為に生きる者との、







奇妙な関係が始まるのであった。







The beginning of the next story






どしろーとの小説を最後まで読んでくれて今までありがとうございました。この作品は現在連載中のリヴァイアサンメルビレイに続きます。スピードとこの作品以上の残虐描写の数々の力作です




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