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Open your eyes  作者: 中嶋太一
10/11

竜脚機・パイルガン・ラプトル (end)

そろそろ最終回です、かなり荒いこの作品を見てくれてありがとうございます。


最後まで書ききります。

「あ?なんだこれ。」


カードを投げ入れられたヘドロは、グツグツと音を立てて沸騰しはじめた。そしてそこから切り落とされたはずの右腕が顔をだし男の右脚に掴みかかった。更に左腕もヘドロから現れ男の脚をまるで雑巾を絞るように絞りねじ曲げた。

痛みに耐えかね左脚を膝を付いた男に対し全く容赦のない両腕はそのまま左足も同様にボロ雑巾のようにねじ曲げてしまった。


「あぁ...アアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」


ありえない方向に両足をねじ曲げられた男は痛みに耐えかね情けない声で、叫びながら地面を、転がった。黒いヘドロに淡い青色が混じっていく、

沸騰はドンドン激しくなり黒と青は渦を巻いて混じっていった。


「ハッハッハ!! えっぐ!(笑)ほら早くそこから出きなよ。暴れたいだろ? 殺戮と狂気と愛憎渦巻く戦いの世界へようこそ霧島飛鳥ちゃん!

竜脚機・パイルガン・ラプトルはオタクの体の1部になってくれたぜ?さあ新しい力を試してみな!」


ヘドロは白い煙を吐き出しその勢いで男の体はビルの壁にめり込んだ。煙の中から目を光らせる人影が見える。煙は人影の元にどんどん吸い込まれていき、全ての煙が吸い込まれた時その全貌が見えた。


「な、何故だ? 何故お前がギアのファントムになっている!?」


消え去った煙の中から現れた飛鳥は、両足が骨のように細い逆関節で鋭い鉤爪がある機械の両脚に、青い羽根が集まったような腰マント、肘から先が黄色の鱗で覆われた右腕と、右目は鳥類の鋭い黄色の目に左目の奥は紅蓮に燃えている。右の頬には虹色の翼のような模様が浮かんでいた。そして右腕には、赤い文字でこう書かれていた。


【 Openyoureyes 】 (目を覚ませ)



「うわ〜、俺と違ってガリガリじゃん。あっちの方が女の子にモテそうだし。てかモデルがわっかんないな、鷲? 鷹? 孔雀? 裏を書いて烏、なわけ無いか(笑) さてこれが1番大事なんだけど、理性はちゃんと保ってるかな?」


キュオオオオオォォォォォォォォォォン


飛鳥は突如人間の喉からでは出ることないような獣の雄叫びを上げた。爪を立てもはや戦えうことの出来ない虫の息の標的に、対しトドメをさそうと狙う野獣の如き眼光で睨みつける。


「あっちゃん。元気だね~。だめじゃこりゃん。ありゃ適当に人間でもファントムでも1匹位殺らねえと理性取り戻せねぇかな。まあ丁度死んでもいい奴がボロ雑巾みてえな足で壁にめり込んでいい的になってから都合が良いや。終わったら早いとこ商売の話を進めようかね。」


飛鳥の両足の裏から炎が吹き出す。その2つの炎は螺旋を描き火柱を上げ、それによって生じた熱風は、男の皮膚を焼き血を沸騰させた。喉が焼かれ、もう叫ぶ事も出来ず、眼球も熱でドロドロにとけた男には今目の前で何が起きているのか全く分からなかった。ただ全身を焦がす熱とボロ雑巾になった両足の痛みだけがまだ自分が辛うじて生きている事を教えてくれていた。だが目の前の野獣は男の生存を許す気など全くない。


飛鳥は信じられないないほどの跳躍を見せ、8階立てのビルに達するほど高さまで飛んだ。

その瞬間、火柱は鳥の羽根が飛び散るように火の粉を撒き散らせて消え去り飛鳥の体は青い炎に包まれ目は黄色く発光する。そのまま標的に対し一直線にドロップキックの体制で凄まじい速さで向かっていった。その一撃は、男の体を辺り一面の建物ごと焼き払った。男の体はやっと痛みから解放された。



爆炎は渦を巻き散らばったガレキを飲みこんでいった。そしてゆっくりと消えていきその中から自分の体の変化に戸惑う理性を取り戻した飛鳥が出てきた。


「なんなんだこれ?コスプレ?なわけ無いよな。


これ僕がやったのか? ...、!正義さん!!」



「ちょっとちょっと! 加減しなさいよおたく!


完全に無差別大量破壊兵器じゃん。 俺が居たから良かったけどさ。


まあ、ぶっちゃけこうなったのは全部俺が悪いんだけどな!!(笑) へいへい因みにお探しのお姫様のこのお方で間違い無いですかな?」


飛鳥が声のする方に振り返った先に

(ミコト)がいた。


(この人もギアのファントム。)


体から尾鰭のように黒い背骨が飛び出し鱗に覆われた尾に、肩までかなりがっしりとした銀色の機械的両腕に腰にはドラゴンの顔のような機械的な斧を下げている。両目は爬虫類のような縦長の細い瞳孔に黄色の強膜の少しゾッとする目をしている。右腕には青い文字でこう書かれている。


【 Tokihanate your inner feelings 】


(内なる想いを解き放て)


ミコトは右腕で正義の体を担いでいた。


「一応まだ生きてるよん。余裕無かったから右半分のパーツは取れなかったんっだけどね、悪いね。

命さえ取り止めれば生き物なんだけど、代わりのパーツがあればなくなった手足と内部構造はなんとかなるぜ。まじファンタジーな体してるよね、この人達。まあ俺が言うなって話なんだけどさ(笑)」


かなり調子のいい青年のようだ。

だが飛鳥はそんなことより正義が助かった事に安心し腰を落とした。


「さて飛鳥ちゃん? いや、飛鳥«ちゅん»がいいな! ちと話があるが、まずはお姫様を病院に連れていこうか。」






飛鳥と命の新しい旅と、


正義との別れが近付いていた。




m(_ _)m

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