EP.2 吸血少女死にかける
仮住居を建ててから、数日後
(ダメだダメだダメだダメだダメだ)
何度やってもスキルの出す方法すらわからない。
そして、誘惑作戦にも関わらず何度も失敗して助けられるはめに。
「これは、予想以上に苦労しそうだわ…まずは操作の基本からって感じかしら」
おかげさまで必要なお金もなくあまつさえこの先見込みの立たないこの生活。
「やっぱりやってこなかったミッションとかやってみよう」
報酬次第で言い値のついているミッションやクエストをやるためギルド掲示板を見に行くことにして村に降りた。
《ルビー村》
やはり大きい村なのでプレイヤーがわんさかいる。
「どのクエストをやっていこうかしら」
「ちょっとそこの可愛い子ちゃん見かけない顔だな、ちょっと付き合ってくれよ」
(うわーでた、ネカマとか関係なくナンパするやつ)
「いやっ…私今そういう気分じゃないのごめんなさい」
「あっそ勝手にしとけぇ」
(勝手にしてきたのあんたでしょ!)
心のなかで突っ込みを入れながら手頃なクエストをチョイスした
【彩雨の遺跡にて強敵発生】
クエスト内容
グランドニュウム地方の遺跡にて指定の敵を全滅を倒す
神覚死神
神覚合成魔獣
神覚バハムート
報酬
1000.000lk
「これくらいは楽勝!」
~数分後~
「ウーーー…私が負けた…お金に釣られ過ぎた…」
見事に惨敗して帰ってきた
というより、逃げ出してきた
どうやら攻撃を喰らって一撃で死ぬと言うことは無いのだがそれ以上にゲームがリアルとなった今…切られたら痛いわ血が出るわ
なんとかポーションでしのぎ、転送石で帰ってきた
「はぁ、無様過ぎる…」
まさか魔法の発動方法が少し違うだけでこんなに苦労するとは思っていなかった
この世界が私のリアルになった以上魔法の発動方法とか、色々習得していかなきゃ…あと反省して仕方ないけど、弱いクエストを行って小遣いでも稼ぐしかない。
てか、あの神だかなんだかわからないやつが魔法の使い方教えないから行けないのよ。
教えてくれたら楽だったのに…
コツン
「ん?なにこれ、本?」
"渡すの忘れてた許してね!テヘペロ 神様より"
「テヘペロじゃないわよ!全く、なになに?説明書…完璧にゲーム扱いねまったく」
そう言いながら説明書を開く
結構暑さがあったので魔法の発動方だけとりあえず見た
1・魔力の流れを感じる。
2・呪文を覚える。
とりあえずこれを会得しないといけない訳ね。
魔力を感じるってどういう事かしら?
とりあえず「ファイアラ!」
…なにも起こらない
魔力のは流れ、これは血液みたいな感じかな。
魔力の感じ方とか書いてないかな?
「あった、えっと落ち着いて意識を集中しさせてっと…ファイアラ!」
すると手からいつもの炎が出る。
だが、威力の制御ができなく直ぐに消えてしまった。
「まだまだ練習が必要みたいね」
とりあえず、流れは掴んだ。
発動の詠唱は必要は無いらしいが簡単な単語を言わなければいけない。
とりあえず、稼ぐには魔法のみでは無理だと思い、過去にドロップした魔剣を使う事にした。
黒のベースに真ん中に赤い線の小太刀。
ドロップした当時から使わないでいつか使うときにと取っておいたものだ。
他のゲームで剣を使っていた為に剣は扱える。
試しにモンスターを狩ってみようと、ゴブリン狩りに行く為クエストを受けた。
ファルドの森
ゴブリン退治×30
報酬 6000lk
一体200程度のモンスターだが試しに相手にはちょうどいい相手だった。
とりあえずやろう。
現れたゴブリン、なんて懐かしいモンスターなのだろう。
「掛かってこい!」
やはり、弱い。
倒した感じはするけど、うん。
弱っ!
どんどん掛かってきて、やられて行く。
と言うか私が呼び寄せてるような…
「ヴァンパイア様ァァァァ!」
「せい!」
「グァァァァァ!」
気のせいかな。
どんどん、小太刀にやられて行き少しだけ使ってみようとブラッディドレインを使って見ても、私のレベルと相手のレベルが違い過ぎてすぐに終わった。
と言うか途中から変なの紛れていたような。
気のせいか。
「ヴァンパイア様ァァァァ」
グチャ。
「反射的に切っちゃったけど、うへっキモっ」
悪魔ね、これは悪魔ね。
よくある設定…よくある?
あれ?ヴァンパイア様って言って襲ってくるモンスターなど居ただろうか?
さて、わからなくなってきたぞ。
これはあれかよくある作成したNPCの、そう言うことか。
ならいいや。
「ヴァンパイア様ァァァァ!」
グチャ。
「ヴァンパイッッ!?」
ベチャ。
「ヴァッッ!」
グチャグチャグチャ。
「なんだこいつ、不死身?悪魔と言って不死身?怖っ」
早く出ようこの森から出よう。
変な悪魔が寄ってきてキモい。
というより、増えてる!?
「悪魔よ、消え去りなさいホーリー!」
「きゃっ、やめっ。痛い!痛いやめてええええ!いやぁぁぁぁ!」
「「ヴァンパイア様ァァァァ!」」
だから、この悪魔何よってか、光属性くらわされてるのだけど!
「あっ、すみません。大丈夫ですか?」
「はぁ、はぁ、だっ大丈夫な訳無いでしょ!」
「ひっ!すみません!すみません!」
「あなたは、聖女でしょ、心配するならヒールしなさい」
「わかりました。神よ私に力をヒール!」
やはり、聖女は回復力が違う。
こんな可愛い聖女からHPを吸ってもいいと思ってしまう。
「すみませんでした。てっきり吸血鬼のモンスターかと」
「吸血鬼だけど、モンスターでは無いわ。」
「あの、私はクラウディアと言います。先ほどはすみませんでした。何かお詫びができたらいいのですが」
「お詫びならいいけど、そうね。相当強い光属性魔法だったから、あなたソロよね?」
「はい、パーティーにも入ってないです」
「それならちょうどいいわ。私とパーティー組みましょ」
そうすればさっきの悪魔を払えるし、クラウディアと組めばヒールもしてくれるしいいわ。
「はい。迷惑が掛からないようにします。」
「じゃあお願いするわ。私はロゼリアよ」
「ロゼリアさんですね。よろしくお願いします」
「そういえば、クラウディアって聖杯伝説の人から取った名前よね?」
「そうですね、気に入った名前でバハムートには聖女があったので」
「そう言うことね、とりあえずあなたは何をしているの?」
「私は、悪魔を退治しながらレベル上げをしてました。でもそろそろ時間ですから、街に戻って寝ようかなと思います。明日は学校なので」
「なら、一緒に帰りましょう」
学校なんて懐かしい。
現実では引きこもりのニート生活をして居た私だが、高校は行っていた。
懐かしいワードだったから、ちょっとだけクラウディアが羨ましいとさえも思えた。
「着きましたので、私はこれでお休みなさい」
「お休みなさい」
クラウディアのアイコン操作さえ懐かしい操作…
「あれ?あれっ!?」
ん?アイコン操作さえ出てない?
「ど、どういうことでしょう」
そんなうるうるされても、可愛すぎるから。
「やあやあおめでとう!君も選ばれたのだね!」
またですか、この展開次はクラウディアの番だとは。
「誰ですか!?選ばれたって何ですか!」
「そう怒らない怒らない」
「この人は自称神、私をこのバハムートに閉じ込めた本人」
「変な言い方しないでよ〜誤解されちゃうし、自称神って何!自称じゃない!神だからね!か、み!」
「紙ね、わかったわかった」
「酷いなぁ〜、まぁ君はクラウディアだよね?一つロゼリアには言い忘れてたことがあって」
「何?また忘れてたとか本当ドジね」
「パーティーを組んだ人もこの世界の住人になるって事言い忘れてた〜、もう遅かったね」
「先に言え!クラウディア、あなたも何か言ってや…」
「うぇ…うぇぇぇぇん!ママァーパパァー!会いたいよぉぉぉぉ、ひっ、ひっく」
「泣かないで、よしよし」
「わわわっ!僕はしーらないっと!またね!」
「トドメさすな!逃げんな自称神!」
「ひっく、うぅぅぅぅぅぅひっくふぇ、ふぇぇぇん」
「よしよし、私の家に案内するからね」
「う、ううぅ」
私の生活どうなるんだろうか、クラウディアがこんなに泣き虫でこの先やって行けるのかなぁ。
クラウディアの手を繋ぎながら、仮の家に案内すると、クラウディアは泣き疲れたのか寝てしまった。
「クラウディアは何歳だろうか…」
クラウディアの寝顔は可愛くもうずっと見ていたくもなる。
そして、共に眠気さえも
「ふぁぁぁぁ…」
自称神のせいで新たな被害者を出して、逃げて行った押し付け神。
クラウディアをあやしながら私の家は完成できるかなぁ。
もうこの先不安しかないや、クラウディアの寝顔が眠気を誘うのでもう寝ることにしよう。
もう明日色々考える事にした。
NEXT.