EP.1 吸血少女ロゼリア
「このお次にお相手をしてくださる方はどなたかしら?」
「ぐ…皆で一斉攻撃だ!」
「「オーー!!!」」
「ふふふ…」
それは、数分前のこと…
私が歩いていると敵と戦っている。
戦士のジョブの男達が目に入った。
「ちょっとくらいからかっても良いよね♪」
このVRMMOは、多数の自由アバターや、ジョブを兼ね備えたゲーム。
4年も立つ今でも絶大な人気は耐えずプレイヤーを増やしていった言わばメジャーゲームなのだ。
私はそのジョブから、吸血鬼《アンデット属》を選んだのだ。
バハムート内では吸血鬼もブラッティードレイン以外の回復魔法は覚えられないが、攻撃系統魔法、防御魔法などは使える優れたジョブなのだ。
おまけに当たり前だが飛行もできる。
多分、今居る戦士ジョブの男は、始めたばかりの素人。
数年やっている私に比べて弱い。
ちょっとくらい遊び相手になるだろう。
私は早速行動に出た。
「あう」
わざとらしく林の中から転んで見せた。
すると男は作戦通りこちらをむく。
「お嬢さん大丈夫ですか?」
「あ、はい…大丈夫ですよ〔にこっ〕」
私は即座に近いてきた戦士のHPを吸う。
「こ、こいつ…」
数秒間としないうちに戦士は倒れた。
「くふふ…あはははは!!!」
「お、お前誰だ!」
「ロゼリアよ~ふふふ…次にお相手してくださる方はどなたかしら?」
「ぐっ…皆で一斉攻撃だ‼」
「「オーー!!!」」
「ふふふ…」
襲いかかる戦士達。
そのまま私は動きを止め戦士たちの攻撃をフルに受けた。
私は数人の戦士ジョブの剣が突き刺さり立てないほどにHPを削られていた。
「雑魚吸血鬼め!トドメだッ!」
(…ニヒッ)
「アハハハッ…死ぬのはあなた達よ!《ブラッティードレイン!》」
たちまち私の周囲にいたプレイヤーはHPを削られ私のHPになっていく。
「ご馳走さま、じゃあね《ファイアラ》」
私は火を放ちその場から立ち去った。
このゲームでは、相手に自分のHP等のゲージを隠そうとすればシークレット設定で隠せるレベルまで隠せるという誘惑作戦にはもってこいの設定。
「遊び相手には、向いてなかったか、んー!そろそろログアウトして寝ないと…」
指を降り下げコンソールを出す。
そのままログアウト…あれ?
アイコンが出ない
「ちょっと待ってよ!」
(え、まさかあの、ソードなんちゃらみたいになったとか!?)
HPやSPのゲージ等が目の前から消えていた
すぐさま私は町で状況を確認した。
そこには、普通にその場からログアウトする人をみた。
じゃあ、なんで私だけ?
臭いも感じ冷たいそういうのを体から感じていた。
やはりアンデット属脈はない。
もう一度コンソールを…やはりでない。
でも、少しだけ感覚で分かることが合った。
(多分こうして…こうすると)
やはりそうだった。
アイテムを取り出すことは可能だった。
空間を裂くような形ですっと手を振る。
そこに、空いた空間から取り出したい物を想像すると思い通りに取り出せた。
「どして、私だけ閉じ込められた?」
「おめでとう」
「誰?」
そこには、少年がその場に立っていたNPCにしても、表情もリアル。
「誰と言われても…まぁ、とりあえず君の願い事は叶いました」
「いやいや、叶えられたって?」
「それは、この映像を観てみな」
とりあえず、NPC?少年の出した映像を
『本日未明、森高 賢治さん(19)が、行方不明になったということで、警察は行方をくらませた賢治さんを捜索中です。
行方不明前、賢治さんはVRMMOゲームである"バハムート"をやっていたとのことです。
次のニュースです』
そのニュースは、紛れもなく自分のことだった。
「これが君の本当の姿なんだね」
「そ、そうだけど…どうして?」
「それは君が…"この世界にずっと居たい"ってだから、叶えてあげたんだよ?」
確かに願ったVRMMOでの姿の自分は、なりたかった姿でだったからだ。
あるときバハムート内の神社に似たような場所で、願い事をした
まぁ、イベントポイントを入れれば限定アイテムが手にはいるというイベントだったからだ
そこで確かに願い事をした
『この世界にずっと居たい』と
「あぁ…確かに言ったけどどうして?君はゲームのサービスに関係者なの?」
「いいや、違うよ~まぁ強いて言うなら…」
「ん?」
「この世界の"神"かな?」
「神…か、信じがたいけど、信じるしか無いようね、まぁありがとう願い事叶えてくれて」
「いえいえ~、その内精神も女の子に…吸血鬼になってくからね!」
「そ…そうなの、わかったわ」
「じゃあ待ったねぇ」
神と言う少年は浩然と姿を消した。
少年の言葉に不満は懐かなかった。
「これからどうしようか」
このゲームは、土地を買えばお城さえ作れるけれど、この前金をこのオーダーメイドのゴスロリシリーズを造るのと強化にほぼ使ってしまったからだ。
「これからお金を集めるか、土地はあそこにしよう、土地買うくらいのお金は合ったはず」
私は、まず闇に隠れた城を造るために万年闇夜の土地へ行った。
「大丈夫、4年間もやっていてレベル170の私には、勝てない相手はいない」
私は、大工NPCを呼び小さな家を建てた。
「ここから始まるんだ、私のリアルから離れた暮らしが」
わくわくしていたリアルから離れたかったから。
「それにしても、精神も変化するって本当みたいだわ」
男みたいに"俺"とか自然と言わなくなっていた。
前まではきずいたら"俺"と言っていたことが合ったからだ。
「んっ!さて、お金集めに行きますか!」
私はプレイヤーを狩りに森へ出た。
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