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通常生活。  作者:
5/17

病院 1

ちょっと複雑。

シリアス…?

って、死んでないからね?

死にかけたみたいだけど。

「因果なこって………」

「まさに九死に一生って感じね。」

私の独り言に、隣で林檎を剥いているみーちゃんが答えた。

「本当に、その身体は如何なってるの?」

「それは私が聞きたいよ……」

本当に不思議だ。

今回ばかりは本当に死んだと思ったけど起きたら生きてた。

骨は何本か折れていたが、その折れた骨が内臓を傷付ける事は無かったらしい。

その上、強打した筈の頭にも何の問題も無かった。何回検査しても結果は陰性。

ありえないだろ、普通は。

その所為で個室から出して貰えない。

退屈だ。

「みーちゃん、林檎まだー?」

「まだ、もう少し。と言うか六、家の人呼んだら?」

「は?嫌だし。いちいち侍女長に来て貰うの悪い。それに、あの人達の手なんか借りたくない。」

「筋金入りねぇ…」

みーちゃんは呆れた様にそう言って、私に林檎を渡してきた。

一口齧る。うん、美味い。

「私のお袋の味はみーちゃんの味だよ。」

「強ち間違ってない事言わないで。」

「いーじゃん、別に。だってあの人がこんな事すると思う?したとしてもそれは侍女長が剥いた奴か、毒入りだね。」

「強ち有り得る事言わないで。」

「実際にそうだったし。」

「経験済み!?」

そりゃそうだろう。

この年にもなって、毒殺を図られた事が無いなんて、よっぽど大事に育ててこられたに違いない。

「いや、普通は無いでしょう、そんなの。」

「え?そうなの?」

「六の家しかないよ。」

そうなのかなぁ…。

「そうよ。…このままだと意味が解らないから、読者の皆さんに説明してあげなさい。」

というわけで、説明しよう!

私の家は、かなり複雑なのである!

つっても、それは百ある内二百は私の所為。

なぜなら私は、私の親と呼ばれる人間と血液型が一致しないのだ。

父親と呼ばれる人間の血液型はA型。母親と呼ばれる人間の血液型はAB型。

対する私の血液型はO型。

全然一致しない。

私は本来有り得ない子供なのだ。

もしかしたら、私は妾の子供かも知れないな。

如何でもいいけど。

まぁ、そんなわけなので、私はかなり忌避されて育った。

地下室に押し込められた。

日常的に蹴ったり殴ったり落としたり折ったりされた。

今、あの家を出た私にとってはもう、如何でもいい事なんだけど。

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