ワールド1の5
今夜の事で、頭一杯で授業どころじゃなかったぁ!
どうしよ、今夜!!
忘れてたことに…
ムリ!
急に女の子の日…
ムリ!!
この際、病気に…
ムリ!!!
あぁ〜どうしよ。
とりあえず、家帰って考えよ。
ただいまぁ。
あら、帰って来たの。
え?
今夜、榎田さんとデートなんでしょ?
うん。
って、どうして……
や〜ね。自分が頼んでおいて。
わたしがぁ?
そうよ。ちょうど、お父さんが出張だから門限は大丈夫だけど
もしもの時は、お願いねって。
そ、そうだったっけ。
まあ、もう千秋も子供じゃないし
自分の責任は自分でね。
榎田さんなら、いいんじゃない。
お金持ちだし♪
(そこ!やっぱり、そこですかぁ。)
着替えてくるね。
可愛い格好でね♪
(いや、いや、あなたそれは…)
う〜ん、なに着よう。
そうだ、まずは下着だ。
勝負下着!ん、違うぅ〜。
勝負して、どうすんのよ!!
でも、一応……
あとは、なるべく露出の少ない、刺激しないような‥‥
まっ!こんなとこかな。
千秋ちゃん!
びっくりしたぁ〜。
お母さん、なに?
ダメ、ダメそんな格好。
ホテルでお食事なんでしょ。
ほら、去年買ったげたやつ。
これ、これにしなさい。
ええ〜っ!
これって、ミニだし肩も出てるし……
大丈夫よ、上からこのコート着れば。
(母よ、あんた娘売りとばす気かい‥)
うん。可愛い。
千秋ちゃん、さすが我が娘。
(やっぱり、その気だね‥)
行ってきまぁす。
はあぁ〜〜。
ま、なんとかなるか!
あっ、もう待ってる。
お〜い!お待たせぇ。
良かったぁ。
ん?なんで?
もし忘れてたら、千秋の家まで迎えに行こうかと‥
やだなぁ。
忘れるわけないじゃん。
(ほらね、作戦1はやっぱりダメだった。)
とりあえず、食事に行こうか。
うん。
イタリアンでいい?
は〜い。
いらっしゃいませ。
ああ、予約してた榎田ですけど。
はい。承っております。
お嬢様、コートをお預りいたします。
ああ、コートね。
やっぱり、コートは脱がないとね。
(ほらぁ。やっぱりこの服、刺激強すぎ。聖也くん目がハート。
元男の俺にも、メガヒット)
お飲み物は?
あっ!ワインね。
おまかせで、美味しいやつお願い。
(値段聞かないんだぁ。
う〜ん、勝負かけてるなぁ。)
ん、このボトル?
どこかで見たような…
美味しい?
うん。スッゴク。
(ホントは、よくわからんけど‥)
はら、このニョッキがね……
ほんとだぁ!美味しい〜ぃ のか?
(なぁ〜んか、ぐにゅぐにゅしてるだけ)
じゃあ、スカイラウンジに行こうか。
ん?んん?
ほら、ここの夜景。
すごいだろ。
うわぁ〜ほんとだぁ。
あっ、俺はボーモア、ロックで。
(ふ〜ん、シングルモルトね)
わたしは…
千秋は、甘口の方がいいかな?
オレンジベースで
うん。
じゃ、スクリュードライバーね。
えっ!?
(ウォッカベースじゃん!
聖也のやつ、本気だなぁ)
あっ、甘くて美味しい。
そう、良かった。
気に入ってくれて。
うん。おかわりぃ♪
(へへぇ♪底無しの千秋知らんなぁ)
千秋ちゃん、ゆっくりね。
わかりましたぁ。
フフッ、美味しい〜ぃ。
あら、ちょっと酔いが……
あれ、あれれ……?
千秋ちゃん、大丈夫?
う、うん……
だいじょ‥ぶ‥‥れす‥
ホントに、平気??
ら、らいじょびれすがぁ‥‥ね、眠気がぁ………