ワールド 2の6
これは、榎田の聖也くん、いらっしゃい。
こちらが、噂の奥方ですかな。
あっ!先生ご無沙汰しております。
千明、鬼塚先生だ。
初めまして、千明と申します。
ほほぅ♪
こりゃ、聖也くんがベタ惚れするわけだ。
なかなか、チャーミングなお嬢ちゃんだ。
鬼塚です、初めまして。
千明、先生には榎田グループ全体でお世話になってるんだ。
いやいや、お世話になっているのはこちらの方だよ。
今日のパーティーのお客様、すごい方達ばかりで
さすがは、鬼塚先生のパーティーですね。
お招き頂いて、光栄ですわ。
おお、綺麗なだけではなくてお世辞も立派なもんだ。
聖也くん、いい奥方をもらったな。
ありがとうございます。
じゃあ、私は挨拶回りがあるので。
はい。また、後程……
あのじいさん、あの年でまだまだお盛んだからなぁ。
元気なもんだ……
その上、あっちの方もなんだから。
あっちの方って?
あの子達のこと。
本命はさっきの京香だって、噂だよ。
ええ〜〜っ!
英雄、色を好むってね。
まあ、いろんな色があるわけだ。
いろんな色ねぇ………
千明、飲み物は何がいい?
あっ!わたしワインにしようかなぁ。
ほら、あのボトル!
あの、ワインがいい。
あんまり飲みすぎるなよ。
わかってます。
おいしい〜ぃ♪
このボトル、どこかで見たんだよねぇ‥
どこだったかなぁ?
あれっ?
しまったあ!!
どうしたの?
うん‥ホテルの部屋にさぁ、忘れ物。
部屋って?
今日は、このままこのホテルに泊まろうかと思って部屋とってあるんだ。
もちろん、千明も一緒にさ。
そうなんだ、それで着替えとか持ってこいって。
うん。
僕は一足先にチェックインしておいたんだけど。
部屋に大事な物、忘れてきたみたい。
わたし、取ってこようか?
悪いんだけど、頼めるかな。
ここに、一人で残されても居心地悪いし、行ってくる。
これ、部屋の鍵。
テーブルの上に青い封筒があると思うから。
わかった。
青い封筒ね、それだけ?
うん。頼んだよ。
はぁ〜い。
ええっと‥部屋番は……
1006だから10階ね。
あれれ?このエレベーターの階数ボタン?
わかった!このホテル、4階と9階がないんだ。
へんなのぉ!!!
あれ!なんだろ、この白いの。
どっから降ってきてるの?
チーン!
あれっ?
まだ10階じゃないよ。
さっき8階をすぎたから、9階???
扉が……
うわっ!何この光!!
まぶしい〜ぃ!!!