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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

貴族令嬢に転生した宇宙的存在に婚約破棄を突きつけた結果

 貴族だけが集まる華やかな魔法学園の卒業パーティ。会場には煌びやかなドレスをまとった貴族令嬢や、気品ある貴族の青年たちが集まり、上品な笑い声や音楽が響き渡っている。その中でも一際目立つ、金髪の王太子、ジミールが優雅に会場の中心で人々の視線を集めていた。


 「皆、聞いてくれ!」


 そう言った王太子の隣に、騎士爵の家で生まれた、最下級の貴族に位置する少女、イローバはおどおどしながらもしっかりと王太子の腕に絡んでいる。茶髪で、まるで小動物のように愛らしい見た目。しかしその目の奥底には嘲りが隠れていた。自分こそが王太子の婚約者に相応しい。あの意味の分からないラウラという公爵令嬢なんて、ここでお終い。


 ラウラは決して人から愛されようとする努力をしない。何の興味もないという無機質な目を向けて、まるでその人の価値を自分だけが知っている基準で調べているようで、これが不気味なことこの上ない。女の戦場であるはずの社交場にも顔を出さない。


 自分の婚約者である王太子相手にも媚びを売るのはまっぴらごめんと、冷めた目を向ける。そんな人間が時期王妃だなんて、あってはならないこと。背は王太子とためを張れるほど高く、その腕と足にはしっかりと筋肉まで付いている。蛮族じゃないんだから、そんなことをして何になると言うんだろうか。毎日筋トレばかりしているんじゃない?筋トレばかりしている脳みそ筋肉女、頭の可笑しな変人を婚約者に持っていたジミールの心は荒んでいた。その隙間を埋めるかのように近づいて、王太子と親しい仲になったのである。


 やりたい盛りの思春期の、それもとびっきり美形で性格もいい、本物の王太子をほったらかしに筋トレ?馬鹿じゃないの?


 そんなんだから、こんな目に会うのよ。この場で彼女は、身分をはく奪され、国外追放を言い渡される。


 「今日この場にて、王太子である私、ジミール・ラトプは、そこのラウラ・ヘカーテとの婚約破棄を宣言する!そして、彼女、イローバを新な婚約者にする!」


 ざわざわとざわめきが広がる会場。


 ラウラは何も言わずただ美しく微笑むだけ。扇で自分の顔を隠してすらいない。まるでその顔そのものが張り付けた仮面のようだと、目ざとい人はその姿に嫌な予感を覚えていた。


 会場がざわめきに包まれる。王太子は続けて、周囲の取り巻きと共に、彼女を非難するような視線を投げかける。


 「君のような、わけのわからないことしか仕出かさない人間を婚約者として受け入れることは、前々から理たいところだった。しかし、ここには言い逃れのできない証拠がある!君は王家が管理する森に無断で侵入し、王家が代々守っていた様々な希少な精霊や動物を盗んだ!本来なら命を持って償うべき大罪!しかし君は貴族の冷徹として、これまで王国のために育ってきただろう。そんな君を処刑するのは、さすがに過酷なことであると判断した。だから、君はこの国から追放される!」


 ラウラは首を傾げた。


 「なぜ、私に処刑を言い渡さない?そんな弱腰な理由は何?」


 ラウラはこうやって、王太子相手でも敬語などは使わない。


 「貴様!」


 剣を抜いて王太子の隣にいた取り巻きの一人、将軍の息子ブルコーフがラウラの方へと向かおうとすると、王太子のジミールはそれを手で制してから言い放つ。


 「それは、ただ君への恩情というわけではない。君はこの場で、謝罪をするんだ。膝をついて、頭を下げろ。命だけは助けてくださいと、命乞いをするんだ!」


 ラウラは笑みを崩すどころかさらに笑みを深めた。


 「嫌だと言ったら?」


 ブルコーフを制していた王太子ジミールの手が降りると、ブルコーフはラウラのところにずかずかと歩いてきてはラウラの腕に手を伸ばそうとして、固まった。ラウラがブルコーフを見ただけで、固まってしまった。それは本能的な恐怖だった。ラウラの目は、人のそれじゃない。人のそれのように見えて、実際はそうじゃない。鍛えぬいたブルコーフだからこそ、気が付いた。それ以上動いたら、次の瞬間自分の体は爆発四散してもおかしくない。


 そう感じてしまった。


 「ラウラ様、この語の及んで言い訳をするおつもりなんですか?」

 そうイローバから聞かれて、ラウラはイローバをまた無機質な目で射抜く。しかしイローバはその目がどれだけの深淵をため込んでいるか、知る余地もなかった。イローバからして、ラウラは高位の貴族として生まれ、その地位に胡坐をかいているだけの寄生虫にしか見えなかったのである。ここでイローバが少しでも鉄火場を経験していれば、彼女はこの後生き残ることだってできたかもしれないのに。


 「何も言ってないが。」

 「イローバ、彼女は話す価値すらもない。ただの犯罪者、いや、異常者だ!」

 

 周囲でもまたラウラの脅威を理解できなかった、貴族のボンボンたちは、日頃のうっ憤を晴らすかのように、口々にラウラへの非難を浴びせる。


 「そうだ!この犯罪者が!」

 「あんな頭の可笑しな女は、この国から出ていくべき!」

 「熊女が、王太子の命令を逆らうんじゃない!何様のつもりだ!」


 こうして言いたい放題に盛り上がっている連中は、さぞ王太子に忠誠心があるかのように見せかけてはいるが、心の中ではただ己の地位を守り、上手く立ち回りたいだけの小賢しい者たちばかりだった。彼らの多くは肥えた身体をきつく包む衣装に身を固め、その表情にはひねくれた笑みや、卑屈な羨望が滲み出ていた。誰かが王太子に媚びへつらい始めれば、次々にそれに倣い、嘲りの渦が広がっていく――まるで腐った果実が積み重なるように。


 だが、その令嬢――つまりはラウラは、彼らの罵声には一切動じることはなかった。むしろ、彼女は静かに、冷めた眼差しで一人ひとりの顔を観察していた。彼らが吐き出す不愉快な言葉や、気取った笑い声をまるでどうでもいい雑音のように聞き流し、心の中でこう呟いていた。


 「なるほど、それが君たちの総意というわけか。」


 そしてその瞬間、ラウラの目が捕食者のそれに替わる。続いて異様に長く鋭い舌がするりと唇の間から伸びて、ブルコーフの体に絡みつくと、ラウラの口が大きく割けて、舌が戻ると同時にブルコーフはラウラの口の中へと消えた。


 唖然、騒然。


 会場の誰もがあっけに取られている。何が起こったのかがわからない。目の前で起きているのに、信じられないと言った様子。誰もが予想できなかった。誰が想像できよう、自分より明らかに大きな男性を丸のみにしたのだ。当の本人であるラウラは、あっけらかんとしている。体のラインが浮き出る灰色のドレスに包まれた平べったいお腹は彼を呑み込む前のそれと変わりない。


 「な、なにが起きたんだ!?」


 この中でも一番早く、現実に戻る王太子の顔はさっと青ざめていた。隣に立っていたイローバは茫然とした顔で、ラウラを見た。他の会場中の人たちはただ恐怖に怯えた表情を浮かべていた。一足遅く状況に追いついていた人たちは悲鳴を上げるか、卒倒する学生も現れた。そして何人の生徒たちは耐えられないと逃げ始めていた。


 王太子の取り巻きたちは、あっけに取られ、目の前の異様な光景にどう反応すればいいのか分からず立ち尽くしていた。


 ラウラは舌なめずりをしてから呟いた。

 「それなりに良質の魔力だった。」


 「何を、何をしたんだ?ブルコーフは何処に行った?ブルコーフをどうしたんだ!」

 ジミールが叫ぶ。

 「見ての通り、食べた。」

 ラウラは何事もないようにそう言う。


 「ふ、ふざけているのか!」

 王太子は自分の目で見たと言うのに、まだ信じられないのだろう。


 ラウラは舌をまた急速に伸ばし、口を大きく開いて、瞬く間に王太子の取り巻きをもう一人、今度は魔法を使おうとした魔導士の卵だった少年を下で絡みつけてから引っ張って来て吞み込んだ。


 「た、たすけ⋯⋯。」

 断末魔の声が漏れ出すも、それすらもラウラの喉の奥へと消える。


 「なっ⋯⋯。」

 ラウラはまた舌なめずりをする。今度は会場中に悲鳴があがった。誰もがドアに殺到した。残っているのはラウラと残り二人の王太子の取り巻き、そして足から力が抜けてしまい座り込んでいるイローバ。彼女はあまりにもあまりな現実を受け入れず、しかし恐怖だけはしっかりと体に刻まれていたせいで、体が耐えきれず下へと尿を漏らしていた。


 「次は誰にしようか。」


 ラウラがまた舌なめずりをすると、王太子が一歩下がりながら自分の取り巻きのもう一人、財務大臣の息子アンドレを盾にした。


 「お、おい!」

 メガネのアンドレが何かジミールを見るも、次の瞬間彼の体はラウラの舌に絡み取られ、また不自然に怪物のように大きく割けたラウラの口へと消えた。


 続けてもう一人、法務大臣の息子もラウラの口の中へと消えた。次にその舌はイローバを絡み取る。

 「え…きゃああっ…!」

 イローバの悲鳴が彼ら以外には誰もいなくなった会場中に響く。

 「や、やめろ!それだけは⋯⋯!」

 ラウラは聞く耳を持たなかった。


 王太子が絶望に満ちた言葉を残す間もなく、イローバの体はラウラの体内へと完全に吸い込まれた。王太子以外の全員がラウラの中で溶け、吸収されてしまった。彼らの薄っぺらな忠誠や自己保身の思考、ささやかな魔力や技巧も、すべてラウラの一部として取り込まれ、力の糧となった。


 最期に、王太子がラウラの舌が鋭く締め付けた。王太子の視界に、奇怪に避けた口が近づいていく。王太子は思った。これは悪い夢だと。残念ながら夢じゃなかったが。


 ラウラは手を軽く払い、特に何事もなかったかのように静かに微笑んだ。


 「さて、片付いたな。」


 ラウラは微笑みを浮かべたままゆっくりと歩き去った。


 王太子とその取り巻きが忽然と姿を消した夜、王国は深い混乱に陥った。王太子が婚約破棄を宣言したという場面までは多くの者が見ていた。そして多くの生徒たちが、ラウラがブルコーフを吞み込むのも目撃していた。しかし誰が信じようか。そんな荒唐無稽な話を。戯れ言か、それとも何かしらの比喩かと受け取るのは自然な流れだった。だから王太子とその取り巻きたちは、失踪していると見なされた。


 それもそうだ。


 「王太子のジミール、一体どこへ消えたんだ?」

 王様がそう聞いたところで、「ラウラに食べられました。」回答しか返ってこなければふざけているのかと怒鳴りつけたくもなるものだ。

 ラウラは見た目だけは完璧な令嬢だ。筋肉質な体つきをしていて、背も高いが、その流麗な動作に隙はなく、言葉遣いは一見すると粗暴に思えるが、実のところ理にかなっていることしか喋らない。


 そしてラウラは比類なき魔物の討伐に関しては才能を発揮していた。その武威は世間知らずの学生たちの耳には入らなかったが、大人たちは知っていたのだ。彼女は王国の秘境に住みついた、数々の伝説的な魔物を討伐している。


 そんなラウラが王太子と取り巻きを食べたなどと、意味不明な戯れ言が信じられるわけがない。どうせ、騎士爵の娘とやらと夜逃げしたに違いない。婚約破棄を突きつけて、何か幻術でも使ったんじゃないだろうか。自分の息子ながら忌々しいと呟く王だった。


 経緯がどうであれ、次期後継者だった王太子のジミールが消えたのは事実。それからだった。それまで良く育てた後継者がいることで、地位を盤石なものにしていた国政の中心部にいる人たちの権威が失墜し始めた。

 

 最初は、逆ハーレムを作ったイローバという、傾国の少女が全てを狂わせたという噂が流れた。しかしどれだけ探しても、王太子やその取り巻き、そして彼らをたぶらかした稀代の悪女という事になっているイローバのことは見つからない。実のところ、イローバは王太子一筋だった。取り巻きたちにはちゃんと婚約者がいたし、ちょっと蔑ろにはしていたけど、それはイローバのためというより男同士で時間を潰す方がずっと楽しいという思春期の男子にありがちな傾向でしかなかったが、取り巻きと王太子、そしてイローバは常に一緒だったため、イローバこそが諸悪の根源ということになっていた。結果、イローバの実家は取り潰しになった。


 そして、何日、何週間、何か月が経ても王太子の姿が見当たらない。


 結果、王太子が何者かに暗殺されたのではないかという憶測が流れるようになった。ラウラが婚約破棄をされたことを恨んで、王太子に暗殺者を仕向けたと。だが、ラウラの家族には明確なアリバイがあった。そもそも王都に住んでない。ヘカーテ公爵家は巨大な港町を管理している。昔はその港町が首都だったけど、いくつかの戦争を経て今の王都へと移転したという歴史がある。


 そしてその港町、単純に距離が遠い。婚約が有耶無耶になったことで、ラウラはその遠い実家へと戻っていた。そもそも王都は城壁に囲まれている。物理的に超えて行ったならともかく、地位が高いとは言えただの学生でしかない彼らが、兵士たちが巡回しているそびえ立つ城壁を超えるなんてありえないことだ。なら王都の門を通ったはずなのだが、王太子が失踪した当日から張り付いているのにも関わらず、それらしき人物が通過したという記録は残っていない。


 なので、今度は王都にいる貴族全体を巻き込んで大規模な調査が行われることとなった。


 その混乱をよそに、当のラウラは静かに己が今までやってきた研究に没頭していた。

 彼女は人間社会を利用対象としてしか思わなかった。


 港町にある公爵邸で、ラウラは魔力を利用しての生体実験に励んでいたのである。ラウラは転生者である。しかし、彼女は別に前世が異世界の人間だったわけではない。彼女の前世は、強大な力を持つ、大きな怪獣だった。


 それも大きさを好きに変えられる。一番小さい時は2メートルくらい、大きくなると160メートルほど。名前は発音ができない、怪獣の言語のそれ。知性ある種族たちからはたんに、強大な化け物、などと彼らの言葉で呼ばれていた。最初からそんな強大な怪獣だったわけではない。ラウラの前世で、彼女の種族は他の生物の遺伝子を取り込んで、そこからいいところだけを取り強くなれる特性を持つ種族だった。小さな、甲殻を持つ芋虫みたいな何かから始まり、何十万年を捕食しながら強くなって、銀河に名を轟かせた強大な存在として自らを進化させた。


 彼女以外にも同じく進化に進化を続ける同じ種族の個体は数えきれないほどいた。そしてその中にも彼女は一番強い個体というわけでもなかった。しかし、彼女には彼女だけが持つ固有の哲学があった。他の強者たちは、膨大な遺伝子を組み合せて、一番効果的な殺りく兵器へと自らを進化させた。しかし、彼女はそうはしなかった。彼女は実験が好きだった。様々な組み合わせを試して、最適解を求めた。だから百メートルを超えるほどにまでなっては、まあ、これにはこういう特性があるのかと、大きくなった体から小さいそれへと戻る。それを繰り返して、一番の効率と、環境への適応能力を発展させた。


 彼女は強さではなく、生き残ることを優先していたのである。その彼女が持つ哲学が、最終的に彼女を種族の中で一番の強者へと仕上げたのである。


 そしてラウラは、今世において意図して人間として生まれ変わっている。転生した後の体が貴族家の令嬢だったことは予想外だったものの、それはそれで彼女の研究には面白い題材となった。


 貴族の令嬢としての肉体は怪獣だった過去の自分のそれに比べると貧弱なことこの上ない。じゃあどうするか。また効率を求めればいい。前世で吸収していた遺伝子の組み合わせは全部覚えている。魂に焼き付いて、転生しても覚えるように仕組んだのだ。この体の大きさと形をある程度は維持したまま、すべての部位を作り変える。筋肉の動力をATPを消費する化学反応ではなく、耐熱を集めて核融合でできるように。その過程で出来て放射線すらも利用できるように。もちろん、体の組織は普通のそれではない。炭素ナノチューブのようになっている部分もあれば、様々な元素が複雑に絡み合っている部分もある。今のラウラは刃物なんぞ通らない。魔法も解析済み。彼らが魔法と信じてやまないのは実は超能力だ。その超能力を駆使するには、細胞の中にミトコンドリアのように独自の役割をする器官が必要で、ラウラはもちろんそれも最適な形へと還元し、その器官が生成する魔力を他者から吸収できるようになっている。


 瞬時に吸収して、分解して、圧縮して、体内に保管する。数十万年の研鑽の末にたどり着いた遺伝子の最適解は、その過程をコンマ一秒以下に短縮することにまで成功していた。だから、彼女は文字通り、王子と取り巻き、そして王子をたぶらかしたイローバを食べて吸収している。別に異空間に消えたわけじゃない。体内の強烈な放射線を浴びて素粒子単位に瞬時に分解され、圧縮され、ちゃんとラウラの養分になっている。


 ラウラの遺伝子は人間のそれより何万倍も長く、二重螺旋ではなく四重螺旋構造をしている。そして、ラウラはそれを任意に変更できる。この世界の人間が生まれながら持っている超能力を発揮できる器官が、それを可能とした。ラウラがこの世界の人間に生まれることを選んだのもそれが理由だった。


 もうあの過去の、怪物の体ではどうしようもできない。発想が行き詰まっていて、それ以上の最適解を見つけられずにいた。その時、発見した。この未開の惑星を。超能力を持つように進化したのにも関わらず、その能力に胡坐をかいて、科学の発展を下ろさかにし、何千年もくすぶりながら、原始的な社会構造から離れず、宇宙世紀へと突入できずにいる文明を持つ惑星。ちなみにこの惑星、彼女が元居た銀河とは別の銀河である。それをどうやって知ったのかというと。


 もともとラウラの種族、他の生物を食べて遺伝子を吸収して好き勝手に自分の体をいじれるという意味不明な特性を持つ超種族が、自然界で自然に生まれるわけがない。つまり、彼らは実験の産物だった。


 彼らはある発展した文明が、生命の本質を理解するために作り出した種族だった。火山活動が活発で、惑星全土に惑星が内部にため込んでいた様々な元素がばら撒かれる、肥沃な惑星。原生植物と魚、小さな昆虫しか存在していなかったその惑星に、彼らは解き放たれた。そして、彼らは予想以上の成果を見せたが、宇宙に進出するほどの進化には至らなかった。次はそれができるよう、別の惑星にて指向性を持たせてみることにした。その生物は創造主である種族を意識し始めて、彼らの遺伝子をも取り込むことにしていたのである。


 そしてその被造物たちは、ひそかに力を蓄えて、創造主たちの種族をまとめて取り込むことに成功した。しかしそんな彼ら以外にも銀河には数多くの文明が存在していた。例えば宇宙世紀に入った様々な種族たちが集まる銀河連邦や、住民が全員超能力を使えて、莫大な戦闘力を持つ文明とか。創造主たちを取り込んだ指向性を持つ化け物たちは、いくつかの勢力と争った。


 そして、ある時点で、その化け物たちは、戦力を強化しようと、創造主たちが残した火山の惑星に目を向けた。そう、ラウラが前世に生まれ育ったその惑星。その惑星に伸びた侵略は逆に撃退されることに終わってしまった。火山の惑星の怪物たちが宇宙に進出してなかったのは、単にその必要性を感じていなかったからで、別に能力が劣っていたからではない。宇宙は広い。一つの惑星から別の惑星に行くには、数百万、数千万キロメートル。別の太陽系に向かうには光年単位の距離を超えないといけない。


 そうするためには、次元を跳躍する必要がある。これは実は、火山の惑星で住んでいる強者なら出来なくもないことだった。けど、ここより強力な怪物は存在しない。だからこの惑星でいた方が、自分をより高みへと昇らせる。


 だから、その指向性を持った創造主たちを取り込んだ怪物たちの侵略は、侵略者側の屈辱的な敗北へと終わった。しかし、ラウラだけは違った。彼女は、侵略者たちを一部勢力を乗っ取り、そのまま外へと向かったのである。彼女は知識が欲しかった。だから、姿かたちも小さくして、様々な惑星を旅しながら、原住民たちを表には友好的に、裏では彼らの情報を取り入れ、時には強者をそのまま飲み込んで遺伝子を強化していった。


 そしてある惑星で、彼女は見つけた。別の銀河にまで空間跳躍をする方法と、別の銀河に対しての調査結果を。ラウラはその文明を一人で滅ぼし、別の銀河へ跳躍する技術を自らの物にした。それからもいくつものの惑星を旅し、魂に関する知識を手に入れることができた。もちろん、その文明も一人で滅ぼした。


 いくつかの文明をそうやって一人で滅ぼして回ると、さすがに銀河連邦やら戦闘力の高い超能力を持つ種族やら機械文明やらに目を付けられるわけで。姿かたちを変えながら彼らの目を潜り抜けて幾星霜。


 やがて彼女にも終わりは訪れた。銀河連邦と超能力を持つ種族が連合を組んで彼女を討伐にに来たのである。勝機はないと早くにも悟ったラウラは、体を自壊させ、魂を遠くへと飛ばした。記憶だけ残したまま、超能力を使って赤子の頃から遺伝子をいじれる潜在能力を持つ、別の銀河にある惑星へと。


 そうやってその銀河は宇宙怪獣をあっけなく、戦闘もなしに駆除することに成功したのだが。ラウラが生まれた星は、逆に何の対抗策もなく、宇宙的な脅威にさらされる羽目になったのである。


 ドラゴンやマンティコアのようなファンタジー生物がなぜか実在するその世界で、ラウラは彼らの遺伝子をも取り入れ、過去の自分を凌駕するほどの強さに達しようとしていた。


 一方、王太子の失踪は、やがて王国全体にとって深刻な問題へと発展していった。王位継承者である彼がいないことで、王国の支配基盤が揺らぎ始め、各地で反乱や陰謀が芽生え始めていた。王族と貴族たちが次期王の座を巡り争い、権力の空白を埋めるために激しい権力争いが勃発した。


 同時に、王太子が本当に食べられたのではないかという話が巡り始めた。ラウラは魔女なんじゃないか。魔女じゃないなら証拠をみせろ、などと、言う話が、王都から港町へと流れ込み、群衆が騒ぎ始めていた。


 もちろん、証拠などどこにもない。むしろラウラは魔女なんて可愛いものじゃない。本物の、正真正銘の、宇宙的な規模の怪物だ。この惑星の一番強大な力を持つ暗黒竜ですら、宇宙レベルのラウラに比べると像と蟻、いや、文字通り、銀河の広さと惑星のちっぽけさを比べるものに等しい。


 一般的な元素は第一世代のクォークで出来ている。アップクォークとダウンクォーク。しかし第二世代のクォークでできた物質は第一世代のそれより強力で、特殊な性質を持つ。これがこの惑星には多くあって、第二世代のクォークであるストレンジクォークが魔法を使える機能をもたらしている。ラウラは第二世代どころか、第三世代のそれすらもエネルギーを体内で圧縮させて作り出している。それで体を作りかえっていて、質量すらも変更が可能な状態となっている。要するに、彼女は巨大化ができる。口が裂けるのも同じく、体を構成する物質が根本から違うせい。


 そんなラウラに喧嘩を売るとどうなるか。港町の公爵邸前で魔女狩りのつもりだった群衆の前に、ラウラは現れた。そして腕だけを大きな怪獣のそれへと変貌させ、上から押しつぶした。皆死んだ。血のしみになって、地面に広がった。


 ちなみに公爵家は、ラウラにとっくの昔に乗っ取られている。父が浮気をして、母はラウラを愛せず。そんな環境だったのに、ラウラは毛ほどの興味すら持たなかった。体の改造に忙しかったのである。


 幼少期のラウラはぼろぼろの部屋へ閉じ込められ、粗末なご飯を与えられた。しかし、ラウラはそもそもそのぼろぼろの部屋にいなかった。外へ出て、森に入り、魔物を狩っては食べて彼らの遺伝子情報を取り入れたり、自らの体を改造したりと、好き勝手に過ごしていた。ただ、ラウラにも興味があったのだ、この世界の、ストレンジクォークが自然界に存在する惑星環境で発展した文明が培ってきた知識に。


 それが魔法学と呼ばれる学問で、ラウラがそれを勉強するには、それなりの資金が必要だった。体の改造がある程度終わって、もはやただの人間は百人や二百人、素手で屠れるようになったラウラ。だから別に、魔法学を研究する研究所や図書館などに勝手に入り込んで、資料を盗み読み、邪魔する奴は皆殺しにして、食べてしまえばいい。ただラウラは思った。それって非効率なのでは?


 自分は冷遇されているとは言え、れっきとした貴族。それも最上位の公爵家である。別にこの家の権力を利用すればいいじゃん。たったの六歳だったラウラは、この時、家に戻ることにした。誰もラウラがいなくなったことすら気にも留めていたなかったんだから、実家での彼女への扱いどれだけ酷いかわかるというもの。


 ラウラの母は父に一方的に惚れ込んで、公爵家の地位を利用して脅迫して結婚へと至っていた。父は貧乏な子爵家の出身で、平民との火遊びに興じていた。ラウラの母はそれを禁止されたけど、その前に父と平民の間に子供が生まれていた。父は結婚してから母を愛することなく、その平民をメイドにしては、彼女との時間を楽しんだ。堂々と公爵家の中で。母方の祖父母が生きていれば、状況が違っていたかもしれないが、彼らは別の大陸へ旅行に向かう途中、海難事故に会い亡くなっている。


 そして元から性格が歪んでいたラウラの母は、雇った使用人やラウラを理由もなくいじめて、使用人を殺したこともある。それが原因で、公爵邸の離れに別館を建設し、ほぼそこで時間を過ごすようにして、精神が常に安静状態になる麻薬を飲まされ、幽鬼のような状態で別館で過ごし、父は平民の女性と好き勝手に過ごして、連れ子の、ラウラの腹違いの妹がまるで正当な公爵家の後継者のように育てられていた。ちなみに母にいじめられたラウラだったけど、殴られても母の方が手を痛めただけだった。それもそうである。ラウラの体は三歳の頃にはもう、深海の水圧にも耐えらえるほどに強固なものに作り替えられていたんだから。


 そしてラウラの腹違いの妹、ターリアは、ラウラが貰うはずであろうものをすべて自分のものにしていた。しかし、ラウラが六歳になって、魔法学に手を出そうと思った時点で、ターリアとターリアの母親の運命は決まっていた。この時のラウラはまだ、瞬時に体内で分解しての吸収はできずにいたけど、普通に食べられた。この惑星の人間にはストレンジクォーク、魔素をコントロールできる部位が細胞内にある。そしてその遺伝情報は、人によって違う。そもそも活性化状態のストレンジクォーク、魔力を内包している。それらを、ラウラは吸収することで取り入れることができる。


 要するに、食べて、それを自分のための養分として使える。


 「ねぇ、あなた?この汚い子供は誰?」

 森で三年間暮らしていたラウラを、ターリアの母、ターシャは顔すらも忘れていた。ターリアの父、ディミールはラウラの姿を見て、あれ?まだ生きていたんだ?などと呑気なことをのたまっていた。


 そしてラウラは、彼らを捕まって、生きたまま食べた。頭からボリボリと。逃げないように手足をその小さな手で折って、ゆっくりと食べる。幸いというべきか、この場にターシャはいなかった。


 「ママ、パパ、どこ?」

 顔から血を拭いたラウラは、ターリアもそのまま食べようとして、実験に使うことにした。ラウラは自分だけではなく、他人の遺伝子も変えられる。この時のターリアはまだ五歳。ラウラは彼女を自分の体ではあまりしたくない実験をするために使った。魔素、ストレンジクォークを過剰に取り入れたらどうなるかを、ラウラは見たかった。自分でするには、リスクが高い。制御ができずに暴走したらどうするのかと。また転生するのもできるけど、せっかく数年もかけてここまで来ているのに、最初からやり直すのも面倒だと。


 なので、ラウラはターリアの遺伝子を変えて、体内で魔力を過剰に活性化してみた。すると、大きなゴリラみたいな姿に変わり、知性を失ってしまった。攻撃してきたので、殴り飛ばしたらおびえるようになった。


 それから数年もかけて暇になる時は変化させると、ターリアは普通の女の子に戻った。見た目だけは。知性も取り戻しているけど、記憶を失くしたというか、脳の作りが変わっていて、完全に別人になっていた。我儘な性格は自分より強い相手には絶対服従になり、ラウラの信奉者になってしまった。黒かった髪も青に変わっている。なぜ青?ラウラはわからなかった。


 とにかく、ラウラはターリアを自分の専属メイドにした。ターリアで成功したので、母にも同じ措置を施して、自分に絶対服従するように変わった。こっちも髪の色が青に変わっている。なぜ?ラウラは訝しんだ。ちなみにラウラの髪の毛は綺麗な銀色である。瞳は黄色だけど、別に縦に裂けてはない。やろうと思えばできるけど、そうする理由がない。ドラゴンじゃないんだし、怪獣ではあるんだけど。

 

 そのようにラウラは実家を完全に掌握したけど、王家までは手が伸びなかった。せっかくだからと、ラウラは数々の文明を回りながら取り入れた知識を使い、自分が住む港町を大いに発展させたのだ。それが王の耳に入り、彼女は王太子の婚約者になることが決まってしまった。


 別に青天の霹靂というわけではなかったけど、単純に百歳も生きてない青二才の連中と群れるのはあまりいい気分になれなかった。事務的な会話は必要なので合理性を求めて誰ともやるようにはしていたけど、同年代の感受性がわかるわけがない。ラウラは当然、脳の仕組みも変えている。非効率なところは全部そぎ落として、例えば恐怖を感じる部分や、異性もしくは同性相手に恋に落ちる部分は不必要だと、脳からその機能を除去している。それだけじゃない。認識のエラーや誤認が起こらないように、勝手に記憶を脳が改ざんしないように、反射神経は光の速度でなるよう、神経を電気信号から光信号にかえるなど。睡眠すらもとる必要がない。


 そんなえげつない改造を自分に施したラウラが、人間と同じ感受性を持てるわけがない。だからみんなに不気味がられた。だからみんなに変な奴みたいな扱いを受けた。しかしラウラは気にも留めなかった。人のことを気にするのもまた、進化の結果だ。社会性を持つように進化しているので、それが脳にも仕組まれている。それも当然、ラウラは消している。罪悪感もない。極めて効率的。


 王太子はそんなラウラを見てどう思うか。最初はおどおどしながらも近づこうとしたけど、こいつ気持ち悪いという考えを持つようになるまでそこまで時間はかからなかった。


 それはもはやノイローゼに近い状態だった。こいつは何かが可笑しい、別に犯罪者みたいな、自己中心的で欲望に充実というのではない。根本的なところで何かがずれている。普通じゃない。ただ、これは思春期特有のもので、大人たちは違った。事務的な会話が殆どの関係において、ラウラはとても評判が良かった。説明は簡潔ながらも的確。相手の意図をくみ取り様々な可能性を提示する、緊張せず物怖じしない、問題もちゃんと指摘してくる。


 だからラウラの評判は両極端に分かれていた。彼女と日常会話をしない、軽口を言い合わないほどの距離にいる人間は、ラウラの有能さを高く評価して、彼女が日常会話を行う相手は、彼女のどこか人とずれた喋り方をすることに不気味さを覚えた。


 ただ、それも子供ならともかく、大人は日常会話がかみ合わないことくらいは普通に経験することだ。人それぞれなのをちゃんとわかっている。だから、自分がただ彼女と波長が合わないだけじゃないかと思うことで、関係がこじれることはない。しかし、感受性の豊かな人は、ラウラの特殊さを近づいてはいけないと感じてしまう。


 これが、ラウラが魔女ではないかという騒ぎを引き起こす原因の一つになったのである。だから、ラウラは反抗的な人間を片っ端から見つけては殺害するよう、メイドのターリアと母親に命令した。そして自分の住む屋敷の前にまで押し寄せて来た群衆を、文字通りに潰した。


 ラウラは肩をすくめた。当然だけど、このことも噂にされるも、比ゆ的な意味だろうと受け取られた。血の跡なんて次の日の朝は綺麗さっぱりなくなっていたし、遺体も見つからなかったんだから。


 しかし王国は着実に混乱へと向かった。権力の基盤を失った現王とその側近たちに対しての猛烈な攻撃。筆頭に立っていたのは現王の弟だった。この争いはやがて内戦にまで発展した。ラウラは吸収できる死体が増えると喜んだ。戦場跡に、得体の知れない巨人が現れ死体をすべて呑み込んだという噂がまた広がったけど、これもまた戦争の残酷さに対する比喩だろうと、現場で直接それを目撃した人間以外は受け取った。死体が消えたのも、きっと何かしらの魔法か魔物の仕業だろうと。


 ラウラからも興味深いことに、この内戦、互いを潰しながら同時に彼らに武器や資金を調達していた勢力である資本家たちの力を増やすことに繋がってしまった。貴族は戦争で数を減らしている、じゃあ国政は誰が?そこで、状況を分析できる能力を持つ資本家たちが入り込んだのである。


 そのように状況が混迷を極めながらも、旧支配階級の力が解体される様子は、ラウラにとっても見ものだった。かつて彼女が住んでいた火山の惑星において、生存競争は決して終わらないことだった。だからすべての生命体が力を求めた。強力そうな組み合わせを発見したら、その遺伝子を伸ばす方向へと進化した。しかしそうすると、何かしらの弱点が出て来る。例えば体を大きくすれば体内に寄生虫として侵入しやすくなり、脳にまで達して支配することだって可能だ。何事にも弱点がある。それでも、それが嫌だとやってないと、周りが大きくなってゆく中、自分は押しつぶされて死んでしまう。このように流れがあって、弱肉強食というより、言わば遺伝子の特定の組み合わせが有利になる状況があった。多分、自分たちを創造した創造主の種族はこれらが惑星環境にどのような変革をもたらすのかを調べたかったのだろう。同時に我々が果たして彼らと同等の、宇宙世紀に向かえるのかも知りたかった。生命体が科学技術なしで、進化だけで、体を変えるだけで、宇宙世紀に向かえるのかという疑問。その疑問に対して答えを得ては指向性をもたらせて全滅してしまうほどだったんだから、まさに好奇心に殺されたようなもの。


 果たして彼らは満足したんだろうか。ラウラは思う。自分は果たしてどこを目指しているのかと。当然、自分は老いなどしない。そして宇宙には、このままだと寿命が来る。それは永遠にも近い時間だけど、その永遠を生き延びる自信が、自分にはあった。死にそうなら魂をまた転送させて、別の生命体として生まれかわればいいだけのこと。


 もしかして、この宇宙以外にも別の宇宙があるのかもしれない。なら、そこに向かうのはどうだろうか。しかしその世界には生命体が遺伝子を持ってない可能性がある。そもそも生命体そのものが存在しないことも考えられる。


 そんなことより、国内の状態は、そのまま放っておくと弱体化して隣国に侵略でもされそうだったので、ラウラは王と王の弟、二人と彼らに着いたそれぞれの貴族を皆殺しにして、全部資本家たちに丸投げした。自分の爵位も返却して、国から貴族制度そのものを消した。これで、この惑星の文明レベルも少しは宇宙世紀に近づいたんだろうか。あらかじめこの銀河にある文明レベルは調べてある。生れて間もない、膨大なエネルギーを保有する若い銀河だ。


 その膨大なエネルギーの一部であるストレンジクォークを、まるで当たり前のように、その原理も知らず、魔法などと名前を付けて使っているのは、別にこの惑星だけの話じゃない。


 若い銀河ではそう言ったことが良く起こるようだ。問題は、ストレンジクォークに内包されているエネルギーを全部使えば、それは第一世代のダウンクォークに変わる。つまり、魔法は使い続けるといずれは使えなくなる時が来る。


 そうなると体内の細胞もそれに反応して変わらないといけない。生命の機能を一部ストレンジクォークが内包するエネルギーに依存している状態なので、その状態が変わってしまうと大量絶滅は必然。


 その時のために、別の超能力を使えるよう、例えば以前の銀河にいた時の、超能力をメインに使う文明のように、一部の人間の遺伝子を変えて、その遺伝子が自然に広まるように待ってみようか。


 せっかく得た体だ。膨大な改造を施している。大量絶滅どころか、この惑星の知的生命体までもが絶滅するような状態になるのは、さすがに寂しい。


 果たしてラウラとラウラの住む惑星の未来はいかに。


 なんて、こんな話、きっと誰も気にしないことだろう。

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