7話 お泊まり会
「坂本くんの家に、ご飯食べに行った時は、お泊まりしても良い?」
わたしは、勇気を出して言った。
「え、え?!か、構いませんが、先輩はいいんですか?」
坂本くんは戸惑っていた。
「わたしから誘ってるんだし、!」
わたしも坂本くんも、顔を真っ赤にしていた。
「じゃあ、とりあえずスーパーで材料買いますか」
「そだね!」
私たちは、地域でもダントツで安いショッピングモール内の、スーパーマーケットに向かった。
「普段ここで買い物をしてるんですよ。安いですし。五月雨先輩はどこで買ってるんですか?」
坂本くんはわたしに質問をした。
「わたしもここだよ!ここ安いし、2階には服屋さんとか、アクセ屋とかあるからいいんだよね〜!」
しまった、喋りすぎた、、
坂本くんの話もちゃんと聞かないと!
「そうなんですね。ここの服屋さんで買ったことなかったので、今度買ってみます」
「うん!買ってみて!」
よかった、、会話が続いてることに安心する。
「今日何食べたいですか?」
坂本くんはわたしに聞いた。
「え、えっとねー」
やばい、可愛い女の子ってこう言う時何を言うんだろ、
こいつこんなの食うのとか思われたくない。
「さ、坂本くんの得意料理なに?」
「僕ですか?そうですね、肉じゃがとかですかね?」
「じゃあ肉じゃがにしよ!」
「わかりました。家にないものだけ買って行きますね」
「食費とかわたしの分払うよ!」
「大丈夫ですと言いたいですが、親に怒られるかもなのでお願いします」
坂本颯人は申し訳なさそうに言い、買い物を続けた。
わたしたちはスーパーを出て、坂本くんの家まで歩いた。
「もうつきますよ」
「ほんと!坂本くんの家行った事ないから楽しみ!」
「僕の住んでいる家、和というか、古臭いですけど大丈夫ですか?」
「うん!全然!昔ながらなのいいじゃん!」
そう言っていたら、かなり大きな和風の建物が見えた。
建物自体も大きいが、塀で囲まれている敷地がかなりの大きさだ。
「つきましたよ」
わたしは被せるように反射的に声が出た。
「でっか!!!」
「ここ、祖父の代からあって、昔だとかなり裕福な方だったらしいです」
「まじ?!金持ちやーん!勝ち組かよぉ〜!」
「とりあえず晩御飯準備しときますね。先お風呂入っててください」
「ありがと!お借りします!」
少し会話をしてから、わたしはお風呂場に向かった。
でも、どうしよう。替えの下着は念の為で持ってるから大丈夫だけど、服どうしよう、
脱いでから気づくなんて、自分の頭の悪さにため息がでる。
「五月雨先輩、僕の体操着ですが、よかったら着てください」
坂本くんはこんなにわたしを優しくしてくれる。いい人すぎて泣きそうになる。
「ありがと!じゃあお風呂借ります!」
「ごゆっくりなさってください」
少しからかうか、
「坂本くん覗かないの??」
坂本くんは慌てて応えた。
「覗きませんよ!!いいから気にせず入ってください」
坂本くんかわい〜!!!!
とりあえずシ髪と体を洗ったら、タオルで身体中を拭く。
坂本くんと同じ匂いな上に、坂本くんの体操着からも坂本くんのにおいがする。
そうしよう、、、、
「ご飯できましたよ」
そう呼ばれて、席についた。
和室に座敷だけど、床が掘られているタイプで、長時間座っても、特に足が絞れたりはしない。
「肉じゃがと、焼き魚の定食です」
そう言って並べられたのは、ものすごく豪華な食事だった。
「美味しそ!!食べていい??」
わたしは本能的に目を輝かせて言った。
「どうぞ。僕も食べます」
2人揃って、
「いただきます」
と言った。
ご飯もおかわりしちゃって、お腹いっぱいになった。
「ごちそうさま!めっちゃ美味しかった!特に肉じゃが!」
そう言った五月雨光に対して坂本くんはこういった。
「ありがとうございます。肉じゃが好きなので、よく作るんですよ」
「そーなんだ!坂本くんって肉じゃが好きなんだ!」
いつか肉じゃが作ってあげたいな。
「先輩なににやついているんですか」
坂本くんはそう注意?した。
「あ、なんでもないよ!大丈夫!」
やばい、ニヤニヤが顔に出ちゃってた、、
恥ずかしさで頭がいっぱいになる
「僕、お布団準備してきますね。お客さんようの部屋と布団があるので」
「え、別の部屋で寝るの?」
思わず声が出てしまった。
お互いの顔が熱くなる。
「あ、い、いや、今のはそーゆー意味じゃなくて!せっかくのお泊まり会だし同じ部屋がいいかなって!」
「え、あ、そ、そう言う事でしたか。すみません。すぐ布団運びます」
坂本くんは少し顔を隠しながら、テキパキと布団を運び始めた。
どうしよう、なんかいろんな男子と泊まってるビッチだと思われてないかな、
内心焦りまくる。
そうこうしていると、坂本くんが帰ってきた。
「そういえば、さっき買ったアイス冷凍庫なので、縁側で食べましょ」
「お!いいねー!食べよ!」
わたしもさっきまでの心配がなかったかのように、ハイテンションで坂本くんについていった。
「さっき、食事作る時に、スイカも切ったので、食べますか?」
「食べたい!!!!!」
めっちゃ元気にそう応えた。
「アイス美味しいですね」
「美味しいね!坂本くん抹茶でしょ?一口ちょーだい!」
「え、あ、構いませんよ」
坂本くんはアイスを差し出してくれた。
わたしは、少し、攻めてみよう、と思ってこういった。
「え、スプーンは?貸して!」
坂本くんは想像よりも大きくリアクションをとった。
「え、えー!先輩のスプーンあるじゃないですか!」
しまった、何か言い訳を考えないと、
「いや、だって、抹茶味アイスに苺味ちょっとついちゃうでしょ?」
これならいける!間接キス!
「あ、あー、な、なら貸しますけど、」
坂本くんはアイスのスプーンをわたしに貸してくれた。
生まれてから17年間、年が近くて、す、好きな人と間接キスなんて初めてで緊張する。
「いただきまーす!」
一気に食べちゃって、頭がキーンとする。
「ん、おいしー!」
「ならよかったです」
わたしは抹茶アイスと、スプーンを坂本くんに返却した。
「もう夜も遅いので、寝ませんか?」
「そだね!もう23時だしね!」
そう言ってわたしたちは、隣に並べた布団に入った。
「い、一応で聞くんだけど、」
「どうしましたか?」
「お、おお、襲ったりとか、しないよね、?」
恥ずかし!なに聞いてるんだわたし!!
「し、しませんよ!そう言うのは色々段階を踏んだりとか、と言うかそもそも交際してないですし!」
「そ、そうだよね!おやすみ!」
「お、おやすみなさい、」
わたしたちは結局、背中合わせになって横になった。
大体15分くらい経った頃、坂本くんは先に寝ちゃった。
襲わない?とか聞いといて、わたしから襲っちゃったりして、
そんな勇気があるならいくらでも払うから欲しい。
ただ、これだけは言えるかもしれない。寝てるし大丈夫だよね。
「好きだよ、坂本くん。おやすみ」