2/14
夢 猫
夢の中で起きた、ある出来事を紹介しよう。
私は、遊園地にいた。何度も訪れたことのある、家族連れの多い昼間だった。
なぜか私は下を向いていた。きれいに敷かれていたレンガ道の真ん中に、ゴロリと横たわっている猫の死体を、私はのぞき込んでいた。
猫の死体は半分綺麗で、半分は肉片になっていた。眼球がじゅるりと顔から飛び出ている。綺麗な状態の体を撫でると、冷たく、気味が悪かった。
私は死体を素手で持ち運び、どこからともなくスコップを持ってきて、死体を土に埋めた。
たったそれだけの夢。なのに、起きたとたん冷や汗に襲われ、吐きそうなくらい心臓の音がうるさかった。
猫の死体は、毛並みも体の大きさも違っていたが、私の買っている猫とそっくりだったのだ。
なんだか飼い猫に常に訴えられているような気がする。あのはみ出した緑色の瞳は、もうすぐお別れの時が近づいているんじゃないかと勘繰ってしまう。
それでも猫は今でも元気なので、これを読んでいる人は気にしないでいただきたい。今でも私の足にスリスリ、お手々にスリスリ、パソコンの上に乗って妨害……。元気である。




