遺書
もうすぐわたしは死ぬでしょう。
どうしてわかるのかって?心が疲弊してるのがわかるからなのです。
できれば桜の木の下で首を吊って死にたいものなのですが、その桜が切られたらなんだか嫌なので、桜の見えるところで死にたいですね。
友達にも自分なりに沢山の別れや見切りをつけました。当の本人達はなにがなんだかだと騒ぐのでしょうが、分からなかったらそれでいいのです。
好きな人や大切な人、いっぱいいましたが、私は死にたいのです。若ければ若いほどいい。このままずるずるとこの気持ちを引きずったままではいられないのです。
私の夢は、死ぬことでした。物心ついた時から、人生に希望なんて抱いていなかったのです。
いつもどこかポッカリとした心の穴を埋めようと必死でしたが、埋めれば埋めるほど、穴は広がっていくのです。
高校三年の冬から、自分の心の穴を埋めるのを辞めてしまいました。唯一のマシな夢でさえ、学校が決まった瞬間霧のようにかき消えてしまいました。見ることは出来ても触ることは叶わないのです。私はいくべき光を見失ってしまいました。
ただ流されて生きていく人生でした。結局自分のことは自分でも分からないのです。辛くて悲しくて涙が出ます。ずっとこのままでいたいのに、どうして変わらなければいけないのでしょうか。
私はこの人生を抗います。自分の生を自分自身でトドメを刺したいのです。さようなら。今までありがとうございました。
◇◇◇
「こんなんで死ねるわけがないだろう……」
私はそうつぶやいて、何もできずにただ、突っ立っていることしか出来なかった。
紙は破いた。もう昔の私はいない。なぜか淋しくなった。




