自爆ドローンの活躍
「殿!被害の方、味方は小傷程度のみ!誰一人として欠けてはいませんぞ!!」
「初日としては上出来だ。大橋殿と信治殿の奮戦のおかげだ。して、敵の方は?」
「敵は被害大。死者は700前後かと」
「うむ。ようやった。明日は青地?お前の軍を出す!信治殿と大橋殿の軍は明日は後方にて待機。まずは全軍に慣れてもらう」
「慣れですか?」
「あぁ。そう易々と敵は退くまい。我らが一丸とならぬとここは突破されてしまう。まずは皆に慣れてもらう。本番は3日後くらいからだろう。今の内に大橋殿も休息を」
やっぱ何日も何日も戦うのかな?俺はそんなの嫌だわ。明日に別行動して敵陣を撹乱してやろう。
「小雪そっちはどうだ?」
『何も問題ありません。小林なんとかさんって方を討ち取っただけです』
「知らんな〜。だけどこれからどんどん敵は多くなると思う。小雪は大丈夫だと思うけど危なくなれば攻撃ヘリなんかも使っていいからな?」
『了解致しました!暁様の方は?』
「俺の方?こっちも普通だ。まあ初日から1000人程の突撃が来てすずちゃんが一瞬危なかったけど信治さんに助けてもらった感じかな?それで信治さんとすずちゃんが良い感じになりかけているけどそれはまた今度本人達から聞いてくれ!じゃあまた明日な!」
小林・・・小林・・・知らんな〜。けど小雪が名前を出すくらいだからそこそこ有名な人なんだろう。次は佐助の方だ。
「佐助?どうだ?」
『問題ないすよ!なんなら敵は我らの30m以内に近付かせてすらいないすよ!(あれ?佐助?その電話は暁様と?代わって!)
おっおい!今は我が話してーー…暁様!?お疲れ様です!風華です♪名前は知りませんが騎乗武将を2人倒しましたよ!』
「おぉ〜!風華ちゃんか!2人も倒したのか!さすが!」
『オイ車の主砲はあれは撃てば撃つほど破壊してしまうためもう使えませんが彩葉が副砲で敵を圧倒してる間に私が狙撃して何にも問題ありません!』
「分かった。そのまま織田様に伝えておくから明日以降も頼むぞ?くれぐれも佐助を暴走させないでくれよ?」
『お、おい!あ、暁様!?我は決して暴走なんかしませんよ!ちょ!そのツナマヨ握りは我の飯で…彩葉まで!!?』
「まあ仲良くなったみたいで何よりだ。佐助?お前もゲームの世界から飛び出して色々したい事があるだろう?あまりは言わないけど皆を守ってやってくれ。また明日な!」
佐助達は俺が思った以上に皆と仲良くなってるみたいだな。良かった!最後は信長さんに電話か。もう向こうは向こうで勝負ついたかな?
「織田様お疲れ様でございます」
『うむ。そっちはどうじゃ?』
「本日、浅井、朝倉軍と衝突致しましたがこちらの損害はほぼないに等しい形で敵は損害大でございます」
『よし。不足しておるものはないか?』
「とりあえず今のところ大丈夫です。そちらは?」
『馬鹿将軍が福島城に待ったをかけておるのだ!将軍の威光を見せるとか抜かして奉行衆で攻撃すると言って聞かず苦戦しておる。ワシも将軍の考えを無下にできずにな・・・』
「あ・・・・それは・・・」
『まあこちらも負けはせぬが暫くかかるやもしれぬ。こちらが片付けばすぐにワシが宇佐山に出向く!今暫し奮闘せよ!』
ったくまたいらん事する実力のない将軍かよ!?何してるんだよ!?
そう愚痴を溢しながら1日目が終わった。迎えた2日目の早朝、普段から毎日・・・なんなら1日に2回も3回も風呂に入ってる黒夜叉隊からの愚痴から始まる。
「暁様?お風呂に入りたいです!」
「私も同じで・・・以前なら気にならなかったですが体がベトベトして気持ち悪い・・・」
「そう言ってもだな・・・俺も同じ気持ちだけどどうしょうもない。許してくれ」
こんな愚痴から2日目が始まったが今日は俺達は城に居残り組だ。俺が城代という肩書きになり城の事は俺に全て任すと森さんに言われ颯爽と出陣していった。
"との事だからコナユキ?悪いけど俺達はまた明日だ"
"えぇ〜?つまんないの!わっちの活躍を見せたかったのに!"
"そう言わないでくれ!本当は裏工作しようかと思ったがまさか城代に信治さんじゃなく俺が任命されると思わなかったんだよ"
"まぁ分かったよ!また明日ね!"
俺は待ってるだけでは面白くないから一揆勢はバラバラに個々に突撃してくるから足止めにしかならないと思うけど自爆ドローンにて森さん達の援護をする。
「あっ!森様頑張ってますよ!」
「暁様!こっちこっちの敵を!」
俺はすずちゃん、千代女さん、黒川さんとタブレットの画面を見ながら音声こそ聞こえないが近付いてくる敵を見ながら美味しそうな場所で自爆ドローンを操作して爆破させている。
あまり味方の近くで自爆すると被害がでるといけないから少し離れた敵ではあるけど効果覿面だ!
城の俺に充てがわれた部屋で操作しているとこの日俺と同じ城組に回されている信治さんがやってきた。
「おう!城代!邪魔するぞ!!って・・・おい!?それはなんだ!?」
「あっ信治様お疲れ様です!信治様も操作してみますか?自爆ドローンと言って敵を爆殺させる兵器ですよ!森様に援護射撃のような感じです!」
「面白そうではないか!!俺にもやらせてくれ!どうやってするのだ!?」
俺はタブレットで簡単に操作を教え、自分で頃合いを見て赤色の右端にあるボタンをタップする事を教えた。
「押す時はポチッとな。と言わないといけませんよ!」
「え?何故そのような・・・いや従おう。ポチッとな」
画面上だから音は聞こえないが敵は阿鼻叫喚で後方の人達も空をかなり確認しているな。
「お!?昼すぎなのに敵が退いていってるぞ!?」
「さすが信治様です!あの一撃で敵が退いていってますよ!」
まあ多少はリップサービスだ。これでも今日だけで40機の自爆ドローンを使っているのだ。
「はっはっ!俺の一撃か!なら今日の功労者は俺だな?ははは!いやいやそんな事で来たんじゃない!ほら!これを見てみろ!城中の倉庫から見つけたんだ!飲んでみろ!」
信治さんに湯呑みに渡された物を見て分かった。酒だなと。しかも梅が入っている。
「え!?これって梅酒!?」
「チッ。なんだ?暁は知ってやがるのか。なんかコソコソ可成が酒を作ってお前を驚かすとか言ってたが暁の居た世界ではこの酒はあるのか」
「いやいやいや、あるにはありますが独学でよく作れましたね!?」
「ふん。作ったのは可成だがな?ちなみに勝手に持って来ただけだから後で謝っておけよ?じゃあな!城代!ははは!」
っておい!!こんなの盗人と同じじゃねーか!?帰ってくれば謝らないと・・・。けど、これはよくできている。どぶろくに牡蠣貝殻でも入れてまだ濁ってはいるけど澄み酒風になっているな?それに火入れをして梅と砂糖も少し入れたのかな?普通に美味いぞ!
そしてこの日の戦闘は昼過ぎで退いてから突撃する事はなく夕方に森さん達が帰ってきた。言うまでもなく信治さんが軍議の折に俺が酒を飲んでいたと言い梅酒の事を謝ったり途中の自爆ドローンの事で助かったなど言われとても戦の後とは思えない雰囲気で2日目が終了した。
夜に森さんが部屋にやって来て酒の事を色々言ってきたが全て信治さんのせいだ。皆の前では気にしてないふりしてたがやはり俺を驚かせようとしていたみたいだ。
俺がたまに出すチューハイや日本酒が常時飲みたいみたいで味噌職人の人達と共に作り始めた品らしい。
これについては謝るしかなかった。




