野田福島の戦い3
オレは黒夜叉隊の所に行き作戦を伝える。まず隊を二つに分ける事だがこれは先の戦の時と同じように分けた。そして黒母衣衆だが全員小雪の方に振り分けた。
俺の方に居てもらってもよかったが色々装備の事聞かれるのも面倒だから小雪に対応してもらう事にした。
「またまた二方面作戦ですね!すずは漲っております!!」
「おい!すず!あまり出過ぎるなよ?」
「千代女様もそう言いつつ前の戦ではかなり敵を圧倒してたじゃないですか?」
まあこの2人は大丈夫だろう。
「小雪?面倒ばかり押し付けて悪い。大丈夫か?」
「はい!私が敵を瞬殺して城を制圧してみせます!」
「よし。今回は短期決戦。自爆ドローンを人の密集地に突撃させ、スモークグレネードで以前と同じように突撃しよう。弾の管理を間違えないように。織田様は三好の兵は要らないと言っていたから・・・」
「ははは!暁様!我が敵を全滅させれば良いのですね!!?」
「・・・あ、うん。佐助の言う通り・・・敵は可哀想だけど今回はできるだけ殺してください」
「待たせましたな!」
「ちょうど良いところに。河尻様お久しぶりでございます」
「うむ。某も夜襲に参加できるとは武の誉れ。黒母衣衆の名に負けぬ働きを見せてさしあげましょう」
うん。残念。あなたの活躍は小雪にしか見られないぞ。
俺はさっきの作戦を伝え黒母衣衆は小雪の方についてもらうように言った。
「な、なんと!?奥方の隊を我らが!?いやいや、せめて某だけ大橋殿の隊に・・・是非に!!!」
「なんでですか!?何か理由でも?」
「いやぁ〜、某は大橋殿がどのように戦うのかと興味がありましてな?」
信長みたいな雰囲気だな。まあこの人くらいだけならいいかな。
「小雪?河尻様だけ俺に振り分けるけどいい?」
「構いませんよ」
「ありがとう。じゃあ今から装備の確認をして2時間後に向かおう。馬が居ないから徒歩になるけど」
それから俺はクルツ弾、自爆ドローンなんかを確認して時間を過ごした。途中懸念していた事が起きる。
「大橋殿!?1時間とは!?そもそもなぜ60秒が1分になると!?前々から思っていたのです!お館様がお決めになった岐阜時間。理解はして覚えやすいとも思いますが何故そうなるのかと」
「この自爆ドローンとは!?どうやって飛ぶのですか!?」
と色々聞かれたのだ。そもそも時間に関してはそのように決まっているとしか言えない。ドローンに関しても4つの羽で推進力と言っても分からないだろう。ここは気合いで乗り切るしかない。
「河尻様!!!考えるのも大事ですが時には感じる事も肝要かと。ドントシンク!フィール!!!」
「な、なんですか!?どんとしんく?」
「直訳すると、考えるな!感じろ!という意味でございます。私が思うに名のある侍、武将達は直感が鋭いと思います」
「ドントシンク!フィール!か・・・良い異国の言葉だ。いや色々聞いてばかりですまない」
よし!なんとか乗り切ったぞ!!そして、決めていた時間、夜の9時になった。
「ではこれより夜戦を仕掛けます。迅速に速やかに。くれぐれも死なないように!」
「「「オォォォォーーーーー!!!」」」
本能寺を発つ前に信長からも激を貰った。
「この戦よりお主達、黒夜叉隊の存在も他国に知れ渡るであろう。存分に名に負けぬ働きをしてこい!」
「はっ。作戦はすぐに完遂致します故、織田様も進軍よろしくお願い致します」
その後本能寺を発った俺たちだが俺は古橋城、小雪達は榎並城を攻略してもらう事にした。
河内に入った所で別れる事になる。
「じゃあ小雪?俺達は北側だからここで別れる。榎並城は任せるよ!」
「はい!暁様も武運を」
「隊長!」「河尻様!」「殿ッ!!」
「騒ぐな!気取られてしまうぞ!お主達も大橋殿の奥方をよく見て学べ!また後で会おうぞ!無事制圧できればこの戦が落ち着けばワシがお主達に岐阜の山城の団子を奢ってやる!」
「「「「オォォォォーーーーー!!!」」」」
いやいや団子如きでそんなに喜ぶのか!?かなり士気が高いぞ!?いや山城の団子とは初めて聞いたけど美味いのか!?俺も食べてみたいぞ!
「暁様?我らには・・・・」
チッ。望月さんも言うようになったな!?
「すずはまたティラミスが食べたいです!」
「あっ!すず!卑怯!!!私はシュークリームが食べたいです!」
「そう言うなら私はプリンが食べたい!」
「ぐぬぬぬぬ!ワシはエクレアが食べたいですぞ!」
いやいや各々が好きな物言ってるけど今から戦だぞ!?遠足に行くかのようなんだが!?
「暁さま・・・・」
「うん?市華ちゃんが話すのは珍しいね?どうした?」
「私は・・・かすていらが食べたいです・・・」
物静かな市華ちゃんまで言うか・・・・。ここは俺の器がどれだけ大きく見せれるかだな。
「市華ちゃんの希望は分かった!岐阜に帰れば作ってあげるよ!!」
「やったぁぁぁぁ!!!!!」
「あ!!!市華も卑怯だぞ!某はフルーツゼリーがーー」
「黒川さん!!あなたはセバスチャンに作ってもらいなさい」
「大橋殿の隊は落ち着いておられますな。笑いはここまで。各々の奮闘を!」
「そうですね。では・・・殺りますか」
そして俺達は別れ古橋城に向かう。向かうが・・・城ではなく寺な感じがする建物だ。堀はありはするがそこまで堅固な感じもしない。確かに桝形虎口や櫓なんかはあるが・・・。
山なんかは近くにないから俺は古橋城から1キロ程、離れた場所から自爆ドローンをインベントリーから取り出し操作する。
「小雪?古橋城は、正直拍子抜けだ。多分15分程で制圧できると思う。攻撃開始するからそっちも各々の判断でお願いするよ」
『了解致しました。私達も今偵察中ですが問題なさそうですので攻撃開始します』
「大橋殿!?それは何ですか!?まさか奥方と話ができる夢幻兵器ですか!?」
「え?これ?これは電話と言って離れていても話ができる物ですよ。この戦の後お渡ししましょうか?これはかなりの数がありますので」
「よろしいのですか!?約束ですぞ!?」
まあ電話くらい別に構わないけどさすがに信長に怒られたりはしないよな!?
「河尻様?今から攻撃開始します。このドローンを5つ程向かわせます。爆発音がなった後に突撃します」
「畏まりました」
俺はドローンを操作して、ドローンで撮っている映像をタブレットで見ながら操作する。
「これは偵察もできて良いですな!!」
「確かに偵察もできますが偵察はもっと性能の良い物がありますよ。おっ?ここは夜なのにやたらと人が多いですね?とりあえず一機はここに突撃させていいですか?」
「大橋殿にお任せ致す」
俺は城?寺?砦?とも言えない中にある小さな小屋の上にドローンを待機させタブレットに表示されている【自爆】ボタンを押した。
「ポチっとな」
ブゥゥゥーーーーーーーーン ドガンッッッ
すかさず2機目を飛ばし確認する。残念ながら偵察カメラではないため声は拾えないから分からないが見るだけで分かる。阿鼻叫喚だ。
「凄い!凄いぞ!大橋殿!効果抜群ですな!!!あっ!!ここを見てくだされ!人がごみのようだ!!はははは!!」
いやいやまたあんたはム○カ大佐かよ!?
「黒夜叉隊!500メートル前進!」
半分くらい近付いて2機目を同じ場所で自爆させる。
「ポチっとな」
ブゥゥゥーーーーーーーーン ドガンッッッ
「おぉぉぉぉーー!!!素晴らしい!!最高の劇ですな!!」
「まあ、敵から見ればいきなり空から爆発ですからね。おっと?1人3機目に気付いたようです。こちらに向いて何か話してますよ」
「ふん。所詮は三好の弱兵よ。5つ使うとは言いましたがもったいない。既に効果絶大です。突撃してはいかがでしょう?」
「そうですね。けど折角出しているから適当に爆発させてからにしましょう。念の為に防衛設備も壊しておきましょう。残しておいた方が後々自分達で使えるけど安全に制圧したいので」
「人はそれを恐れと捉える者も居るでしょうが某はその考えに賛同します。命あってこそですからな!ははは!」
やっぱこの人面白い人だ!信長に古くから付いているだけあるわ。無謀に突っ込んでばかりはゲームだけでいいからな。
俺は残りのドローンも飛ばし櫓、虎口、城門で自爆させた。
ブゥゥゥーーーーーーーーン ドガンッッッ
ブゥゥゥーーーーーーーーン ドガンッッッ
ブゥゥゥーーーーーーーーン ドガンッッッ
「さて・・・・黒川さん!城手前でスモークグレネードを投擲!デジタルスコープ装備して突撃しますよ!!」
「はっ!」




