表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国時代に迷子!?  作者: デンデンムシMK-2
この時代で名をあげる!
40/189

飯の執念

 いや〜酷い目に合った・・・。信長が来て俺は一応素知らぬ顔で挨拶だけしたわけだが・・・。ゲンゴツをされみんなの前で怒られた。


 「貴様!味方の指揮を下げてどうしてくれる!?こんな戦場で、しかも普通より良い飯を食べてどうする!?」


 と凄い剣幕で怒られた。別に豪華な飯ではないし煙もそんなに出てないと思うけどな・・・。


 「これは卵焼きとウィンナーですよ!?そんな豪華でもないです!」


 「ならそのたまごやきとやらとういんなあとやらをワシに持ってこい!!」


 俺は一瞬時が止まった。うん。要は信長が食べたかったのね。俺は残り数個の卵を全て焼きウィンナーはまだあるが3本程焼いた。焼きにくい。焼きにくい。信長が横で見てくるもんだから。


 「織田様、米でございます」


 「うむ。大橋の米は美味いからな。いただこう」


 あれだけ右手が左手がと言っていた喜助と佐助も本物の前では静かだわ。


 「いかがですか?」


 「美味い!これはなんぞ!?それ程時間もかからずこんなに美味い物が出来るのか!?」


 「まあ卵焼いてるだけですからね。ウィンナーもこのように事前に調理済みな物を焼いてるだけなので早いのですよ」


 「良い!これは良いぞ!悪いがワシの後ろをチラチラ見よる雑兵どもに一口ずつ何か食わせてやってくれ」


 信長の後ろを見ると目はすぐに逸らされたが恨めしそうにこちらをチラチラ見ているのが分かる。みんないい物食ってなさそうだもんな。痩せてる人ばっかだし。ウィンナーは・・・30本くらいあるけど全員は難しいな。


 「そろそろだと思いやしたよ!」


 「誰じゃ?」


 「勘助!何してるんだ!?」


 どうしようと思っていれば健脚行商人アンドロイドの勘助がどこからともなく現れた。


 「朝飯で皆を振る舞うには持ち出しがちと少なかったように思いましてな?」


 勘助が持って来た物。勘助自身のイベントリーに入れて持ってくればいいのにわざと特大な風呂敷とリュック擬に入れて持って来た。


 「織田様紹介致します。私の昔から仕えてくれている勘助です」


 「ほう?身形みなりは普通じゃがどことなく・・・切れ者に見える」


 一目見ただけで参謀、智謀パラメータが高いのが分かるの!?


 「大橋暁様家臣、勘助と申します」


 「うむ。その荷物はなんじゃ?」


 「大事な決戦を前に他の部隊の士気を上げるよう'暁様に事前に頼まれていた'物資でございます」


 いや強調してるけど、俺はまったく頼んでねーぞ!?


 「勘助ご苦労!この先は私達で差配するわ!」


 「では小雪様。後はよろしくお願いします」


 何か小雪も話に乗っているが・・・。


 「クハハハハハ!中々やるではないか!皆の士気を下げるかと思いきや士気を上げる布石だったとはな?」


 いや俺なんも知らんっすよ!?小雪に軽く手を叩かれた。まあ計算高い勘助が俺にも内緒で物資を持って来て他の部隊に振る舞えと言う事だよな。この手に乗らないのは悪手だな。


 「そうです。さて・・・みなさん!順番に!俺達と同じ物食べさせますよ!」


 「「「「「おおおおぉぉぉぉーー!!」」」」」


 食い物・・・されど食い物。食い物の呪いは恐ろしい。一度良い物を食べればまた食べたいと思うだろう。俺以外にこんな飯を用意できる奴はまだ居ないだろう。それを見越して勘助はわざわざここにやってきた。新参の俺が織田家のここに居る人達に認めてもらうためにだろう。さすが智謀マックスなアンドロイドだ。


 それからは時間との勝負だった。喜助、佐助、小雪、望月さん、黒川さん、千代女さんにも手伝ってもらいながらの料理だ。2時間くらい掛かったのではないだろうか。既に俺は疲れた。


 みんなからは『美味い』『これでいつ死んでもいい』とか言われたけど。こんな簡単な飯で死んでもいいと言うなら普段どんな飯食ってるんだろうかと思う。


 すると法螺貝がなり背中に旗を挿した男が『進軍開始!!』と言って来た。俺は急いでイベントリーに物を入れて火を点けた所にはちゃんと水を撒き皆と少し遅れて進軍を開始した。


 "コナユキ?大丈夫か?"


 "大丈夫だよ!暁君は人気者になりそうだね!"


 "だといいけどな"


 "小雪嬢!さぁお乗りください!ワテの背中に温もりを!良ければ少し叩いてくれて構いません!ワテは叩かれると本気が出るタイプの馬です!"


 疾風は相変わらず変態馬だな。


 虎御前山には1時間くらいで到着した。目の前の山には小谷城。眼下には小谷城下町。ってか、既に町の人は居ないような気もする。城で匿ってるのだろうか?


 俺も遅れてだが山の上に登りどこに陣取りすればいいか分からないから適当に腰を下ろしたら電話が鳴った。信長からだ。


 プルルルル


 「お疲れ様です!織田様」


 「貴様何をやっておる!はようワシの横に来ないか!!」


 言いたい事だけ言ってすぐに切られた。ってか使い方完璧に覚えてるんかい!さすがだな!?


 俺達は慌てて信長の所にやってきた。すると言われた事が・・・・


 「お前の陣はワシの横じゃ!」


 まったく落ち着かないんだが!?


 「陣構築してるのですよね?」


 「そうじゃ。言うて、この陣でそこまで長く居るつもりはない。本命は姉川にて」


 「俺は何をすれば良いですか?」


 「は!?決まっておろう?お主は火炎放射器隊を率いるのだ!お主が出した物じゃろう?」


 「分かりました。眼下に見える家々を燃やしつくしましょう!」


 それから、俺、森可成、柴田勝家、佐久間信盛の動きは早かった。まず本陣に集まってもらい今一度使い方のおさらいをした。


 「こ、こ、ここを押すのじゃな!?」


 「佐久間様!そんなにビビらず普通に人差し指で押すだけです!」


 ブォー・・・ブォー・・・


 「佐久間ッッ!!!貴様!何をやっとるか!!?」


 柴田さんと森さんは問題なかったが佐久間・・・お前はだめだ。完全にビビっている。


 「織田様・・・・」


 「分かっておる。佐久間?貴様はやめじゃ。大橋?お主が代わりにやれるか?」


 「分かりました」


 結局は俺がやる事になるのか。


 俺は虎御前山を降り眼前にある家々を向かい作戦を伝える。


 「まず私の配下に家の者が居ればまずいので小谷の方へ退くようにさせます」


 「温いな」


 優しい雰囲気な森さんだがやっぱこの時代の人だ。


 「人を見つければワシは殺す。その一人のせいで味方が死ぬやもしれぬ」


 「そうじゃ。大橋?お主は平和な所から来たのだったな?これは戦だ」


 柴田さんもそうか・・・。


 「「まあ建前ではな」」


 「え!?」


 「建前上は殺すって事だ。だがそんな酷い事して小谷を落として治められるわけないであろう?建前上逃す事はできん。見つけれなかった居なかったった事が重要なのだ」


 なんだよ!?変な体裁がいるのか!?武士ってマジで面倒臭いな。


 「分かりました。まあとりあえず燃やしましょう」


 それから3人はバラバラに家を燃やしまくった!従来の松明から燃やす兵も居るが基本俺達が主となってだ。


 ブォーーーーーッ! ブォーーーーーッ!


 「暁様?この辺は誰も人がおりません」


 「了解!望月さんもやってみます?」


 「はは!ご冗談を」


 いや何が冗談なんだ?普通に聞いただけなんだが?そんなにやりたくないのか!?


 この火炎放射器を見れば思い出す事がある。首都を遷都する架空戦記の時だ。まずは帝を攫い好きな場所に居を構えればそこが都になるイベントだった。京の兵士は無限湧き。装備は飛び道具はないが何故か刀、槍で突かれれば一撃死という鬼畜ミッションだった。


 ブォーーーーーッ ブォーーーーーッ


 「何か思い出す事がありますか?」


 「うん?さすが小雪だな。あの鬼畜ミッション遷都を思い出したんだよ」


 「あっ、あの如月様と共闘したミッションですね!懐かしいですね!」


 「そうそう。如月は無限湧きにキレて遷都するから退いて戦わないといけないのに逆に京に突っ込んで行ってたよな」


 「はい、汚物は消毒だぁ〜!なんて言ってましたね!」


 「ははは!懐かしい」


 俺は使い慣れているから粗方燃やしつくし灰だらけの家ばかりになった。隣が柴田さんの担当だから手伝いに行こうと柴田さんの方に向かったんだが・・・。


 「燃やせ!燃やせ!柴田はここぞ!汚物は消毒だぁ!!!」


 うん。ここにも世紀末な人が居たわ。しかも何で甲冑脱いで上半身裸なんだ!?意味があるのか!?


 「おう!大橋か!見よ!ワシは柴田勝家だ!!」


 いや知ってるから!10キロ先からでもあなたは柴田勝家だから!なんの自己紹介だよ!?


 「柴田殿も大橋殿も終わったか?」


 「はい!終わりました。けどまったく抵抗がありませんね?」


 「浅井はまだ準備できておらぬのだろう。柴田殿がこれ程挑発しても石投げの一つもやり返して来ない」


 これは挑発だったのか!?俺には頭がおかしくなったように見えたぞ!?


 「なんぞ大橋はワシが呆けたように思ったのか?」


 いや、何で頭の中が分かるんだ!?ビックリしたじゃないか!


 「い、いえ。その挑発くらい分かっていました。さすが柴田様だと感心しておりました」


 「ははは!そうであろう?ワシは柴田勝家だからな!お市様をワシが助けるのだ!!」


 弱点発見。この髭もじゃガチムチおじさんはお市さんに恋しているな!?まあ、実際あと少しすれば結婚するだろうけど残念!本能寺は起こらないからそれはなくなるかもね!?


 カシュンッ  カシュンッ


 「やっと敵がおいでなさったか。こんな石投げ程度で情けない」


 「頃合いだ。柴田殿、大橋殿。退くぞ」


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ