全員集合
俺達は館に着いたが驚いた。
「なっ!なっんじゃこりゃ〜!!!?」
「あらぁ?おかえり?暁ちゃん!」
「セバスチャン!どうなっているんだ!?」
「え?だってぇ〜、演習場の横に厩舎でしょう?それに紹介するわ!」
「はっ。お初にお目に掛かります。岐阜汁粉屋久兵衛の息子、市兵衛と申します。横の3人は俺の下男です」
「俺は国友善兵衛です。よろしくお願いします!」
「某は竹中半兵衛様の与力、大杉多八郎と申します」
他にも数人居たが、セバスチャンが加工場を作りまずは腕慣らしに包丁を作り無償で城下の人達に渡し、たまたま渡した汁粉屋の市兵衛と言う人がお礼で汁粉を渡しに来て、セバスチャンが飯を食っている途中で、その飯を食べたらしく弟子入りさせてくれと。
その汁粉屋に居た国友っていう人は俺も知ってはいるが鉄砲鍛冶師。国友一門の頭領だ。この人もたまたまその汁粉屋に居て中々戻らない市兵衛を見に館に来て加工場にある手慣らしの包丁を見て弟子入りになったと・・・。
そして与力の大杉さんって人は半兵衛さんからの申し付けで俺から『仕事を一つ貰いなさい』と言われたらしく来たみたいだ。なんとまあめちゃくちゃだ。一晩でこんなになるのか!?一晩だぞ!?
「セバスチャン?少し話を聞こうか?みんなは風呂入って少し休憩!弾補充や服などは小雪にお願いして!」
「「「「はっ!!」」」」
「ちょっとなによぉ〜?別に怒られる事してないわよぉ?」
「いやいや、牧場みたいになってるけどどうやって作った!?」
セバスチャンが言ったのは俺ですら忘れていたというか使った事すらないアイテム【牧場の素】というそのままのアイテムを使ったと。
「なんだそれ!?そんなのあったの!?」
「暁ちゃんも牧場は作らなかったから知らなかったのねぇ〜?」
なんか言い方がムカつくな!?負けた気分だ。
聞けばその名の通りのアイテムで四角く囲むように牧場の素という米に掛けるふりかけみたいな薬を掛けると囲まれた場所に芝生が生えて牧場になるらしい。
「コナユキと疾風に良いかな?と思ったけど仲間が増えたみたいでよかったわぁ」
「そんなアイテムがあったんだ。とりあえずありがとう。それでその管理を大杉さんに任せたと?」
「そうなのよぉ。今は馬の管理だけだけどあーしが食肉用の猪や牛なんかを捕まえてくるからぁ〜大杉ちゃんに任せようと思ってね?」
「・・・・・・・あ、ありがとうございまする」
最後のウィンクは体力を削るようなウィンクだ。俺も少し寒気がしたぞ!?
「で、市兵衛さんって人達は?」
「市兵衛ちゃんは料理の腕が中々上手だからあーしの料理を覚えてもらい新しく飯屋を作ろうと思うの。それで、最後の国友ちゃんは暁ちゃんも知ってるでしょう?」
言わずもがな・・・兵器作りだな。
「分かった。とりあえずセバスチャンに任すから好きなようにしていいよ」
「ありがとうね?あーしもこの世界に名を刻もうかしら?けどあーしが行っている事は全て織田に大橋家に帰結する事だからね?20年後くらいには今の意外が普通になってるんじゃないのかなぁ?」
小雪よりセバスチャンの変化に本当に驚く。リアルになり縛りがなくなった今やりたい事をできセバスチャンはどんどん進化してるように思う。相変わらずあの口調は苦手だが。
「取り急ぎ俺はまた戻らなければならないから少し休憩した後、物資補充して今度は虎御前山に向かう。インベントリーに飯を補充したいから簡単にでいいからいっぱい作ってくれないか?今度は中々帰れないと思う。それと電話を渡しておく。もし何かあれば・・・」
「分かったよ!あーしは戦闘はできないけどみんなを守る事くらいはできるからぁ」
みんなによろしくと伝え、さきさんの部屋に向かう。
「ただいま!」
「おかえりなさいませ!よくぞご無事で!!」
「大丈夫だよ。けど悪い。まだここからが本番なんだ」
俺はこれから暫くはまた留守にするから家の事はセバスチャンが居るから問題ないけどその間もし、来客なんかがあれば頼むと言い倉庫に向かう。かなり寂しそうな顔してたがしょうがない。帰れば抱くから堪えてほしい。
「なぁ?小雪?どうせなら残りの3体のアンドロイドも出すか?」
「出してもいいと思いますが・・・戦闘に特化した2人は敵が可哀想な気がしますが・・・」
「まあそうだけど、俺は遠慮しない。無闇に殺したりはしないけど、もし千代女さんやすずちゃん、彩葉ちゃん達が怪我でもしたら俺は責任を感じてしまう」
「(クスッ)やはり変わりましたね?ゲームの時みたいに感情がないわけじゃなくちゃんと考えているんですね!」
そりゃリアルだからな。だけどなんだろう?分からないけどみんなを守らないとって思ってしまうな。小雪はそれが嬉しいみたいだ。
俺はインベントリーから護衛アンドロイド佐助と喜助、残りは健脚行商人アンドロイド勘助を出した。
「ひでぇ〜じゃあありやせんか!?アッシはいつだって大橋家の財政を任されてきた勘助ですぜ!?」
「クックックッ・・・我が右手を解き放つ時が来たか・・・」
「クックックッ・・・我が左手を解き放つ時が来たか・・・」
佐助と喜助は双子のアンドロイドだ。少々独特な性格なアンドロイドだが・・・。
「みんな出すの遅くなってごめん。インベントリーの中でも外の事聞いてたんだろう?」
「そうそう!だからアッシはあの空間で今か今かと待ち望み待ってたでやんす!」
「悪いな。じゃあ話は早い。何故か俺はリアルな世界の戦国時代・・・西暦1570年、多分元亀 元年にタイムスリップしている」
「我が右手もそう言っている」
「我が左手もそう言っている」
いや、こいつらバカだろ!?信長よりさらに上をいってる黒歴史だぞ!?
「これで俺の持ってるアンドロイドみんな勢揃いだ。そして今から姉川の戦いが起ころうとしている。それに俺は参加する。勘助は取り急ぎしてもらいたい事はないけどこれからやりたい事が山程ある。だから俺が帰るまでセバスチャンを補佐してくれ。城下の人間もいるから頼む」
「畏まりやした」
「喜助と佐助は俺と小雪と同じ行動。無闇に人を殺さない事!」
「「クックックッ了解しましたよ」」
喜助と佐助は主に銃火器のパラメータが高かったはずだ。勘助は名前の通り行商人アンドロイドだ。
だが舐めてはいけないのがこの勘助・・・戦闘のパラメータはNPCより低いのだが智謀と算術だけパラメータマックスで行商人と付いている通り勝手に領内の物を各地で売り20倍の値で売ったりするのだ。
俺がゲームをしていた時なんかは確かあの時は上杉家プレイだったと思うが貿易で勝手に薩摩に行き、あの島津家と大友家と同盟を結んだりしてきたのだ。最早意味が分からなかった。そのくらい智謀だけ突出しているのだ。
「喜助と佐助は倉庫から12ポンドナポレオン砲をインベントリーに入れて弾も50発は用意しておけ。インベントリーの権限は一部渡してるから」
「え!?暁様はナポレオン砲を使うのですか?」
「そうそう。どうせフランスの砲撃を使うならもっと高威力のシュナイダーM1917C 155mm榴弾砲にしましょう!」
いやいやお前達は世界大戦でもするつもりか!?姉川がなくなるぞ!?
「そうですね。初めて喜助、佐助と同じ意見になったわ」
いや小雪お前もかよ!?
「いや今はまだこのレベルにしておこう。フランス兵器ガチャで色々あるけどナポレオン砲でも大概だと思うぞ!?」
「敵を圧倒的に蹴散らせてこそ花道です!」
「もっと強い敵の時とかは使うけど喜助、佐助は初陣だろ?ナポレオン砲で我慢しなさい!」
「分かりましたよ!じゃあ用意しておきます!」
「あの二人に持たせると危ないから携帯火炎放射器は小雪が持っててほしい。小谷城下を燃やすらしいからあれば便利だろう?」
「確かにあの二人はダメですね。けど民が可哀想に思いますね」
「ここだけの話、もしかすると俺も耐えれないかもしれないからその時は保護してあげて。もしバレて咎められたりしても俺のせいにしていいから」
「いえ、その時は私も。さて、暁様も少し休みましょう」
城下を焼き払うと・・・俺もやらないといけないだろうな。




