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戦国時代に迷子!?  作者: デンデンムシMK-2
この時代で名をあげる!
33/189

【絶対正義の名の下に】

 「すずちゃん!砲撃開始!!!」


 「了解致しました!」


 ヒューーーーーーンドンッ!!


 「黒川さん!2発目!!!」


 ヒューーーーーーンドンッ!!


 「みおちゃん!3発目!!!!」


 ヒューーーーーーンドンッ!!


 「少し待機!偵察機で状況を見る!」


 俺はタブレットで敵の着弾地点を確認する。


 「これは酷い・・・いやそんな事言ってられない。これは戦だ!やらなければやられてしまう!」


 「みんな!後ろの台座のメモリーを・・・ごめん!後ろの台座の丸いのを左に半周回してくれ!その後各自もう一発ずつ撃って!」


 ヒューーーーーーンドンッ!!ヒューーーーーーンドンッ!!ヒューーーーーーンドンッ!!


 よし!城の建物にとりあえずは命中した!相当数な人が怪我もしくは亡くなってしまってるはずだ!行くか!


 「これから突撃します。くれぐれも死なないように!俺がこのスモークグレネードを投げるから続いてみんなも投げるように!後、今から渡すこれ。デジタルスコープって言う物だけど松明とか明るい物は見ないように!銃を確認!!行くぞ!!!」


 俺は素早くインベントリーにM60迫撃砲を収納し山を降りて長比城に向かう。向かうのだが・・・


 「ちょっと!みんな早すぎ!!待ってくれ!!」


 「何を言っていますか!!?一番槍ですぞ!?すず!千代女!お前達は暁様の覚えが良い!暁様と一緒に来い!」


 「分かりました。黒川様はくれぐれも突出しないように!」


 「ふん。そんな歳じゃない!じゃあ先に行くぞ!」


 「ハァー ハァー ハァー どうせなら俺も英雄の薬を飲めばよかった・・・忘れてたよ・・・」


 「暁様お手を・・・」


 「千代女さんごめん・・・情け無い・・・」


 「ふふふ。今のお顔大変優しいですよ!一緒に行きましょう」


 千代女さんに引っ張られすずちゃんに背中を押されて長比城の真下に到着するが思ってたより被害甚大みたいだ。信長が拠点として使うって言うから戦車とかバルーン、装甲車は出さなかったがこれはこれで怒られそうだな・・・。


 「黒川さん、みおちゃんごめん遅れた」


 「大丈夫ですか?どこか具合でも?」


 違うわ!お前達が可笑しいんだよ!なんだよ!90度くらいの崖をどうやって降りるんだよ!?


 「さて・・・殺りますか。スモーク!投擲!!!みんな!デジタルスコープ装着!俺より前に出ないように!各自赤く映る者を撃て!味方と間違えないように!!」


 「なんだ!この煙は!?」「前が見えん!」「空から雷の次は霧かよ!?どうなってるんだ!?」


 敵はまだ俺達の事分かってないんだな。


 バンッバンッバンッバンッバンッ


 「おい!敵襲だぞ!」


 バンッ


 「おい!どこだ!どこに居る!?」


 バンッ


 「ははは!暁殿!これは凄い!この煙の中なのに普通に見える!!」


 「まだ戦闘は終わってないですよ!早くこの城の主を!」


 その後も俺達は敵が可哀想に思いながらも撃った。迫撃砲の瓦礫に埋もれている者。隠れている者も。目に入ればこの黒夜叉隊4人は撃っていた。俺は途中から可哀想という感情が出てきて撃つのを躊躇ってしまった。

 その時、煙の中で闇雲に槍を振るう奴が居て俺は不意にこの人を見逃そうと思い声を掛けた。これがいけなかった。


 「そこかッッッ!!!!!!」


 シュッ


 間一発、敵の槍の突きを体を捻り躱した・・・つもりだった。


 「いってぇ〜!!!」


 「あ、暁様!!?お前よくも!!」


 バッバッバッバッバッ


 「そこだ!そこに居るぞ!!鉄砲の音がしよる!盾を持ち捕らえよ!!殺すな!長比城をこのような事に・・・ワシ自ら素っ首叩き斬ってやる!!」


 カチ カチ カチ 


 「すず、リロード入ります!援護を」


 「暁様と、すずを援護しろ!」


 カチ カチ カチ


 「クソ!ワシも弾切れリロードだ!」


 「すいません!私も!!」


 俺は俺の慢心でまたもや二の腕辺りを斬られた。幸い体を捻った事で突かれなく済んだが、ゲームなら間違いなくスリップダメージが入るくらいだがここは現実。


 「みおちゃん!援護お願い!」


 「ひ、引き金が引けません!」


 くそ!こんな時にジャムってるのか!?連射しすぎでガスが溜まりすぎたのか!?ヤバイヤバイ!


 「みんな伏せて!!!」


 ビシュューーーーーーーンッ!!!


 俺は反対の左手でニンフ剣を抜き、飛ぶ斬撃を放った。それと同時にスモークも晴れてしまった。と同時に再び激痛が走る。


 「いってぇ〜!いてぇ〜よ!!!」


 「グフッ・・・・今のはなんだ・・・鉄砲の音もしなかったぞ・・・」


 ビシュューーーーーーーンッ!!!


 ビシュューーーーーーーンッ!!!


 ビシュューーーーーーーンッ!!!


 最初の一撃でたまたま斬撃の射線に居たから当たったが、2発目3発目は俺は近付かれないように雑兵らしき人を切断した。腕が限界だ・・・


 「ばっ、バケモノか!?」


 「みおちゃん・・・落ち着いて空薬莢を排出して・・・」


 「黒川リロード終わりました!」「同じくすず終わりました!」


 「千代女もリロード終わりました・・・暁様・・・・」


 「問題ない!かなり痛いけど大丈夫!少しこの場を確保!傷を治す!」


 俺はタイムスリップした初日に使った完全回復スプレーを突かれた場所にふりかけた。すると傷はすぐに閉じて血は止まった。


 「みんなごめん!俺の慢心が招いた事だ。敵を可哀想と思ってしまいみんなを危険に晒してしまった。大将失格だ」


 「いえそんな事・・・・」


 バッバッバッバッバッ


 「うっ!」「グハッ!」「グフッ」


 「そんな事より暁様が治ったとはいえ、深手を負わせてしまったのは我らの落ち度。この戦が終われば必ずワシが咎を・・・腹を斬れとおっしゃるなら喜んで腹を斬りまする」


 いや黒川さんは何言ってんの!?俺のせいで腹斬るって・・・なんでこんなにみんな切腹したがりなの!?馬鹿なの!?


 "暁く〜ん!!!!助けに来たわよ!!!"


 なんだ!?なんだ!?コナユキ!?さっきの場所で待機って言っただろうに!?


 「私はコナユキ。暁様の愛馬。暁様の邪魔する者は許さない!」


 ブビィィィィィィィィィーーーーー!!!!!


 「う、馬が喋っておるぞ!!」「もののけかぁ!?!?」


 「うん。まあ暁様の馬だからな」


 「そうそう。コナユキ嬢なら喋りそうな気はしてたんだ」


 「私もそう思う。だって暁様はコナユキの操縦してる気しなかったし」


 いやいやいや!?あんたら驚かないのかよ!?馬が喋ってるんだぞ!?しかもあの鳴き声はなんだよ!?それに山の方から知らない馬が走って来るのだが!?


 「な、何か分からぬが殿に近付けるな!!敵はたかだか5人に馬が来ただけだ!すり潰せ!!」


 「い、いやじゃ!!」「死にとうない!!」「そもそもオラ達は賦役で集められただけじゃ!」「いくら殿の事でも死にとうはない!!」


 「こ、こら!待て!」


 農民らしき人達が鍬や古い槍なんかを捨てて逃げて行った。残るは奥のでかい家?みたいな所に居る甲冑来た人達だけだな。あれは正規兵だな。


 "ごめん。コナユキ助かったよ"


 "わっちの方こそごめんね?興奮して括られてた紐を切って仲間呼んでしまった。それに人間の言葉で話してしまった"


 "いやそのおかげで助かった。正直現実を舐めていたよ。ってかこの大群の馬はどうした?"


 "これは赤兎馬の固有技【絶対正義の名の下に】を発動したんだ♪"


 いや、こんな固有技を馬が持ってたの!?いやゲームでも知ってる奴居ないだろう!?だって、より早く、より強い乗り物あるんだから馬なんか乗らなくなるだろ!?しかもその技の名前はなんだよ!?俺ですら知らないぞ!?


 "そ、そうか。それはどんな効果があるのだ?"


 "近くに居る所有者が居ない馬を呼び寄せわっちの仲間にできる技だよ!だから山じゃないと意味がないし馬生で3回しか使えないんだよ?初めて使っちった!テヘペロ"


 いやこんな技知らなかったってのもあるがコナユキの人生で3回しか使えない技を使わせてしまったのか!?


 "コナユキマジでごめん!!そんな大切な技を使わせてしまい、なんかーー"


 "いいの!わっちはゲームの中では最初は喜ばれるけどみんなわっちをインベントリーに放置したり捨てられたり。大好きな走る事もできないしインベントリーではお腹が空いたりはしないけど孤独なの"


 "・・・・・・・・・"


 "けど今、暁君は乗り物いっぱいあるのにわっちによく乗ってくれて、他の人みたいに鞭や棒で叩いたりしないし自由にしてくれるからいいの!わっちは暁君の愛馬コナユキだよ!"


 今は心の中で喋っているが・・・今までは小雪にしろセバスチャンにしろこのコナユキにしても心なんて知らなかった。そりゃ、ゲームの存在だったからだ。


 だが今は違う。喋る馬なんか世界探しても居ないだろう。けど俺はこのコナユキの言葉に自然と涙が溢れてきた。


 "コナユキ?一生乗り続けるからな!インベントリーに入れたりしないからな!放逐したり捨てたりなんか絶対しないからな!覚悟しておけよ!!"


 "わっちも暁君から離れないよ!"


 「気色悪い男だ!それに変な出立ちの者だ!馬廻り衆!奴らを殺せ!もう生きて捕らえなくてよい!」


 「お前が堀何某か?」


 「貴様は馬鹿か?攻める相手の事も知らぬとは馬鹿ここに極まれりだな」


 「俺は馬鹿だ。俺の我が儘でこんな事をさせついてきてくれる者が居る」


 「は?何を言っておるのだ?」


 「俺はもう遠慮しない。武器を置け。5秒以内に」


 「今更何を抜かすーー」


 「0」


 パンッ!


 「うぐっ!」


 「肩を撃っただけ。上手く治療すれば生きられるかもね?この城主堀何某はどこ?」


 「グハッ・・・だ、誰が貴様なんかに言うものかッ!」


 「ひ、樋口様!?」「樋口様!?」「引け!城の中に退け!樋口様をお運びしろ!」


 「あら?案外人望があるんだな?聞いてたのと違うんだけど?」


 「暁様?お加減は?」


 「うん。もう大丈夫。だけどあの樋口って人は人望がありそうだったですよね?」


 「え?そりゃ若き城主 堀秀村に代わり政務や軍事に携わっておりますから多少は・・・」


 え!?そうなの!?いや俺はこの人達名前でしか知らなかったけどそんな凄い人だったの!?堀何某は要らないけど樋口って人、俺が欲しいんだけどな?手遅れかもしれないけどお話しでもしてみようかな?

 


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