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戦国時代に迷子!?  作者: デンデンムシMK-2
新たなる時代の幕開け
130/189

信長vs謙信

 「徐々に地に近くなっておるが降りるのか?」


 「えぇ。上杉とは少し・・・俺の刃が通じるか確認したく」


 「そうか。ならばワシ自らが出向いてやろう。大橋!降りるぞ!」


 「え!?い、いや!?織田様!?」


 信長さんはヘリが完璧に地に着く前にジャンプして飛び降りた。いやさすがだわ。


 信治さんは信治さんで誰も居ない方に未だに撃っているけど。


 「信治さん?アパッチを任せてもいいですか?」


 「おう!任せておけ!俺が見張っておいてやろう!兄者を死なすなよ!」


 24時間経ったから今一度ゴッドセイブザキングの固有技が使える。負ける道理はない。けどなんだろう?純粋に剣での勝負がしたいと思ってしまう。


 "暁ちゃん!来たよ!!"


 "おっ!コナユキじゃないか!?どうしたんだ!?"


 "小雪嬢に言われて急いで来たの!さぁ!乗って!乗って!後、小雲雀号も連れて来たよ!"


 "ありがとう!さすがだ!"


 「織田様!コナユキが小雲雀号を連れて参りました」


 「うむ。空の夢幻兵器に負けずよう追い付いた!大橋!行くぞ!」


 戦としては完勝だろう。上杉の兵は既に見当たらない。だが上杉謙信は逃げている気配がない。本陣まで300メートル程だろうか。更に俺達の後方には佐久間隊の人達が追って来ているのが見える。


 そのまま信長さんと肩を並べ上杉本陣の盛り土まで向かう。


 陣旗を横に見ながら入る。そこには紛う事なきあの上杉謙信と小島弥太郎が床几に座っていた。


 「来たか」


 「その方が上杉家当主だな」


 「如何にも。我は上杉不識庵謙信。横は小島弥太郎。我の右腕だ。お主は織田上総介信長だな。お主がここまで参ったという事は将軍は制圧されたのだな」


 「ふん。ワシが居なくとも将軍はどうということない」


 「将軍が織田の手の内にあるならば我等は賊軍と同じだな。久しく味わった事ない敗北。我が宿敵にやられるならば仕方ないが織田にただで敗北するとは・・・許せんッッ!!!ちょうど良い所に織田の頭がここに居る。我がここでお主を討ち形勢逆転といこうか」


 「ワシが貴様如きに負けると思うてか?ふん」


 「まずは此奴からだ。不思議な男だが首と胴が千切れれば死ぬであろう。抜けッ!!大橋ッ!!」


 謙信がそう言うといきなりの飛び掛かりの一撃だ。間一髪、この動きは予想していたため、左に下げているセバスチャンに改造された太郎太刀にて防ぐ。そしてそのままインベントリーにあるゴッドセイブザキングを取り出し構える。


 「謙信様。あの者のあの刀・・・妙な技を出しとてつもない一撃を放ちます。お気をつけを」


 「知っておる。弥太郎はそこを動くな。あの女を見つけておけ」


 小雪の事か?小雪は今頃徳川様のところだろう。


 ガキンッ ガキンッ ガキンッ ガキンッ


 カツンッ カツンッ カツンッ カツンッ


 絶妙な間合いだ。技を繰り出すには一定距離離れないと出せないのだがそれを謙信が許してくれない・・・というか防ぐ事しかできん・・・。


 「チッ。離れろ!フンッ!!」


 ヒューーン  シュパッ


 俺は距離を取るため飛ぶ斬撃を放ったがこの上杉謙信・・・ゲームでも上級者しかできない飛ぶ斬撃を斬った。


 「我に一度出した技が通じると思うなッッ!!もらったッッ!!!」


 そう。これこそ俺の作戦。瞬間記憶も持っているだろうと小雪に聞いていたためさっきの飛ぶ斬撃は餌みたいなもんだ。そして一度俺が斬られた謙信の剣筋・・・空間把握が完璧故に懐に飛び込んでくる初見ならば必ずくらってしまう謙信の技だ。


 もれなくくらえば死んでしまうけど。大技には硬直がある。これを見逃さない。


 ズドンッ  シュッ


 「なにッ!?」


 「生憎俺もあんたの技で一度死んだからな。くらうわけない。そして終わりにしよう。中々の人だよ。上杉謙信・・・」


 「謙信様ッッ!!!!!お先に・・・」


 「ゴッドセイブザキングッ!!!!」


 グシャッ


 「弥太郎!!!おのれ!!大橋ッッ!!!!!我を唯一分かってくれる弥太郎をッ!!!!!」


 ゴッドセイブザキングは見事に決まった。だが謙信を両断する瞬間、小島弥太郎が俺達に割り込み謙信を自らの命で守った。しかも俺が斬った小島弥太郎の首・・・顔が笑顔だ。


 ズドンッ!!!! ガキンッ!!


 俺はゴッドセイブザキングの技の反動で剣が持てなくなり瞬間的に太郎太刀で受け身を取ろうとしたが・・・俺だけなら確実に殺られていただろう。


 「貴様等も2人で来るならワシらも2人だ。一方は部下が主君を守り、もう一方は主君が部下を守る。どちらが勝つかは天のみぞ知る」


 「織田様すいません・・・助かりました・・・」


 「良い。あの一撃は見事であった。少し休んでいろ。ワシが直々に成敗してくれよう」


 この事は全然予見してなかった。まさか信長さんが駆けつけ、謙信と一騎打ちをするなんかと・・・。


 「クックックッ・・・傑作ではないか!織田軍、上杉軍まさに驚天動地!皆が驚くであろうよ!」


 「戯言よ!貴様はこれより死ぬ。ワシが討ち果たしてくれよう・・・・」


 ジリジリ ジリジリ ジリジリ


 「先程の覇気はどうした?謙信坊よ。ワシを貴様如きの物差しで測れると思うてかッ!!」


 ブゥオンッ!! ガキンッ! 


 「ふん。それこそ戯言よ。ぬしこそこんなものか!?」


 ガキンッ!!


 「小雪の一撃の方が重かった。温いな」


 「抜かせ!我、毘沙門天の化身なり!」


 そこから勝負は一瞬で決まった。


 「ぬりゃぁぁぁぁ!!!」「ぬぅぉ〜〜ッ!!!」


 ズシャンッ!!  スパッ


 「織田様!!」「兄者!?」「大殿ッ!!!」


 気付けば信治さんと小雪が俺の横に居た。2人の仕合いに夢中で気が付かなかった。


 「騒ぐな!作戦勝ちじゃ!ワシはハナから大橋を信じておる!左手はくれてやる!だが・・・ワシの勝ちだ!上杉謙信ッ!!!」


 ズシャンッ!! ズシャンッ!! ボトッ ボトッ


 「クッ・・・・・してやられたか・・・両の腕を取られるとは・・・」


 「ふん。中々の腕であったぞ!上杉家当主よ!まさかワシも本当に左腕を完璧に斬られるとは思わんかった」


 「殿ッ!!」「お館様ッ!!」「大殿!!!」


 「他愛ない!ワシは元に戻る!直に大橋に治療してもらう!」


 あぁ。そういう事か・・・。最初から信長さんは無傷の勝利はできないと思い、普段は右構えなのを左構えにし、明らかに左を斬れと言わんばかりの構えをし、あの謙信の一撃を左腕で受け止め、右腕で謙信の両の手を斬る。そして斬られた腕は俺が治すというわけか。


 いやこんな事、並大抵ではできないだろ!?だがこの信長さんはそれをやってのけた。謙信が毘沙門天の化身と言うならば、信長さんはまさに・・・第六天魔王だわ。


 「負けだ。最早切腹すらも困難。戦としても一騎打ちとしても完敗だ。部下に守られた男と部下を守った男の違いか・・・」


 「ふん。過信せずに素直に勝てぬ戦は退く事を覚えるべきであったな。念の為に聞くがーー」


 「急げッ!!!謙信様をお助けしろ!空の鉄虫は去った!!」


 「足軽共!!是が非でも殿をお助けせよッッ!!!」


 


 「佐久間隊急げ!!信長様が敵本陣に居られる!!!急げ!急げ!!」


 お互いの部隊がちょうど俺達を境にして相対した形となった。


 「殿・・・・なんというお姿に・・グスン・・・おのれ!者共!!1人でも多く敵を討ち取れッ!!!」


 「待て!本庄!勝手は許さぬ!退けと言うたであろう!」


 「ほとんどの者は退きました!戻ってきた者は志願した者です!!殿に最後までお付き合い致します!!」


 「本庄・・お前・・・」


 ポロッ


 ここで一つの疑問が生まれる。上杉謙信・・・口に生えてた髭だが・・・今落ちたよな!?ってか上杉謙信って・・・女か!?

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