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猫と切り身と下剋上 10
港手前3キロメートル地点――。
今ちょうどクロがそこを通過した直後、工事のおじさん達が通行止めのバリケードを張りました。
「まず1つ目! 明日の朝、この場所で道路の補修工事が行われるの。その開始直前にここを通過するのよ」
何も知らない後続の野良猫たちがバリケードに阻まれ驚いています。
「「「ンニャー!!」」」
「うわあああ!! なんだこの猫たちはー!?」
何も知らない工事のおじさんもひどく驚いています。
そこを通りたい野良猫たち。何が何でも通したくない工事のおじさん。
双方が格闘しているその間に、クロは後続との差をどんどん離していくのでした。
クロは再び神様の言葉を思い出します――。
「理由2つ目、これはあなたが惚れた例の白い猫ちゃん……彼女が現れる時間も何気に避けているのよ」
どの世界も恋愛下手なオス程、惚れた相手の前では能力を上手く発揮できないものです。
しかし今日のクロはそれを意識することなくゴールを目指せるのです。




