87/198
猫と切り身と下剋上 3
早朝――。
日の出と共にクロは出発します。
軽快に走るクロ。
最初は一匹だけでしたが、港に近づくに連れてだんだん並走する野良猫の数が増えていきます。
その中でお調子者な野良猫が話しかけます。
「ニャー、ニャー!!」
何を言っているか分からない人の為に、ここからは人の言葉に吹き替えましょう。
「お前見ねえ顔だな? 新入りか?」
「………」
「だんまりかよ。まあいいさ……ここにいる奴らは全員シェフが振舞う極上の切り身を狙っているのさ。せいぜい怪我しねーよう……頑張ることだな!!」
そう言うと、お調子者な野良猫はクロの脇腹を目掛け強烈なタックルを仕掛けます。
不意打ちを食らいバランスを崩すクロ。さらに後続の野良猫たちに邪魔だと言わんばかりに蹴り飛ばされるのでした。




