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神様はとっても負けず嫌い  作者: そえじろう
神様はいっつも負けず嫌い
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ゼロ番目の発見者 3

 殺害された男性にはざっと10人以上の恋人がいました。


「はあ、そんな事よりも若い刑事さん……わたしとあなたはこんなにも近い距離にいるというのに……どうして心の距離はこんなにも遠いの?」


 そして犯人はその内の一人なのでしょうか。


「嗚呼、若い刑事さん……聞き込みをする姿も素敵。本当は今すぐにでもあなたの胸へ飛び込んでいきたい。でもダメ! わたしは神様、そしてあなたは人の子。そう、わたし達は決して相容あいいれない関係……」


 事件の謎は深まるばかりです。……ところで。


 神様は先ほどから一体何をやっているのでしょうか?


「え? いや、違うからね! 相手から見えないことを良いことに彼の顔を間近でまじまじと見つめてなんかいないんだからね!」


 神様……相手から見えないことを良いことに彼の顔を間近でまじまじと見つめないで下さい。


「もう、うるさいなあ。それから言っとくけど、これミステリーでも何でもないから。だってわたし犯人の顔見てるんだもん」


 ――!?


「そんな驚くこと? まあいいわ。犯人は第一発見者の女よ」


 第一発見者? だとしたら……神様が犯人!?


「どうしてそうなる? バカが! 確かにわたしは最初から全部見てたけども、この場合のわたしは除外なの! 神だからノーカンなの! いて言うならゼロ番目の発見者なの!」


 もう言ってることが無茶苦茶です。


「無茶苦茶で大いに結構! だって恋は矛盾のスパイラルなんだからー!!」


 神様の妙なテンションはひとまず置いておくとして、神様が犯人ではないことは確かです。


 だとしたら、先ほどわざとらしく泣いていた三十路みそじ手前の女が……。


「そう、三十路手前の彼女が犯人。因みに凶器を逃走途中のどぶ川に投げ捨てたところも見た。で、三十路みそじ手前の彼女は第一発見者を装って犯行現場に戻って来たって訳」


 そこまで分かっているならもう解決ですね。


「それがそうでもないのよ。だって今のわたしって本調子ではないじゃない? だから高島平たかしまだいらさんにわたしのことを認知してもらうすべが無いの」


 高島平さん?


「若い刑事さんの名前よ。それくらい察しなさいよ。そう、だって彼……高島平伯爵たかしまだいらはくしゃく三十三世にそっくりなの! わたしの推しメンである()()高島平伯爵三十三世様によ!!」



 高島平伯爵三十三世とはテレビドラマ『悪役令嬢と108人の伯爵パラダイス』の登場人物です。


 神様が毎週テレビの前で正座して見る程、お気に召した番組ですが……。



 どう見てもクソドラマです。ありがとうございました。


「馬鹿言いなさい! あれは神が認めた今期の神ドラマよ!!」

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