宝石を取り返せ! 2
その日の夜――。
紬は身体を揺すられて目が覚めました。
「おはよう。あれ? 今って夜だからおそようの方が正しいのかしら」
目の前には女の子。昼間、神社の鳥居で出会った子です。
「!?」
驚きのあまりベットから転げ落ちる紬の姿に女の子は嬉しそうに手を叩きます。
「ふふ、リアクションは完璧! でも相変わらずあなたって口数が少ないわね。まあ良いわ、あなた合格!」
「……合格?」
「そう、わたしはあなたの事が気に入った。だからあなたにこれをあげる」
女の子から手渡されたのは小さな瓶のスプレー。
「何これ?」
「ん? 香水」
「それは何となく分かるけど……」
「もう! 察しが悪いなあ。貸して、わたしが付けてあげるから」
女の子が紬に向かって香水を吹きかけます。
すると――。
「え? ええ!?」
紬の全身が光ったかと思うと、パジャマだったはずの姿が一瞬で純白のロングドレスに変わったのです。
「へー、なかなか似合ってるじゃない」
満足そうに頷く女の子。
あまりにも訳が分からず、とうとう紬は思ったことを口に出しました。
「な、何これ? あなた一体何者? 合格って何?」
「ようやく目が覚めたって感じ? じゃあ、順番に説明してあげる。まず、わたしは神よ」
「紙?」
「神! わたしは神様なの! もう、古臭いボケをかまさないで頂戴」
「ええ! 神様!?」
「そう、わたし神様」
神様を名乗る女の子は上機嫌に語り始めるのでした――。
昨晩、蔵を荒らされ大事な宝石コレクションを持ち逃げされてしまった神様。
あまりの悲しみに号泣していると、通りがかりの少女がおはぎをくれました。
神様は少女の力を借りて、宝石を取り返そうと考えたのです。
「まあ、とにかく、そのドレスを着てる間は魔法的なあれが使えるようになるから。じゃあよろしくね」
「魔法的なあれって何? 私魔法使いになったってこと?」
「うーん、魔法使いって言うより……怪盗?」




