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宝石を取り返せ! 1
神社から歩いて10分くらいの所に中学校があります。
休み時間にいつも一人で本を読んでいる地味な少女。
名前は黒野紬。1年生です。
たまに話しかけてくるクラスメイトもいますが、話すことが苦手な彼女は上手く馴染む事が出来ずにいました。
でも成績は至って優秀だったりします。
とある休日――。
紬が神社の前を通り掛かると、鳥居の下で小さな女の子が泣いていました。
「うおーん! おおおおん――!!」
紬は動揺します。
「どうしよう。女の子が泣いている。迷子? でもこいう時ってどうすれば……」
そんなことはお構いなしに女の子は泣き続けます。
「うおーん! おおおおん――!!」
「どうしよう、見捨てる訳にもいかないし……かと言って私は一体どうしたら」
悩みに悩んだ結果……
「あ、あの、もしよかったらこれ食べる?」
先程近所の和菓店で買ったおはぎをあげることにしました。
女の子は差し出された物をじっと見つめます。
するとピタッと泣き止んで、おはぎをむしゃむしゃ食べ始めました。
やがて食べ終えると……
「うおーん! おおおおん――!!」
また泣き始めました。
「ええ!? なぜ? どうしよう……あのう、もう一個食べる?」
女の子は再びおはぎを手に取ると、ピタッと泣き止むのでした。




