動画配信者VS歴代最強のしもべ 5
桜子は落ち着いた様子で湯飲みのお茶を啜ると、それを床に置きます。
「さて、それじゃあ先生……事情も聞き終わりましたので、そろそろ帰ります」
「ちょ、待って待って! だからなぜ帰ろうとする? まだ解決してないじゃない。せっかく事情まで聞いたんだから助けてから帰ってよー」
神様は再び桜子の足にしがみ付きます。
桜子は神様を優しく抱きかかえると、再び布団へ戻します。
「先生それでしたら、もう終わっていますよ」
「へ? 終わった? それってどういう……」
キョトンとする神様。桜子は外に向かって指を差します。
「あ、ほら! ちょうど来ましたよ」
例の迷惑系動画配信者の男がやって来ました。
「はいどうもー。今日も始まっちゃいました。ヤッテミーのやってみチャンネルー!! イエーイパフパフ!!」
二人はその様子を陰から伺います。
「ねえ、桜子ちゃん。どうする気?」
「見てれば分かります」
すると男は手荷物から電動の切断工具を取り出します。
「じゃーん! という訳で今日はこのチップソーでね……狛犬の首を吹っ飛ばしちゃおうと思いまーす!!」
男が切断工具の電源を入れると、ヴイ―ンという凄まじい音が境内中に響き渡ります。
その様子を見て神様は取り乱します。
「あわわわわ! なんてことを……今すぐ止めなきゃ!!」
しかし、桜子は神様を制止します。
「先生、落ち着いてください」
「これが落ち着いていられるかー! わたしの大事な狛犬ちゃんがー!!」
「言ったでしょう。もう終わってるって。とにかく見ていてください」
男は切断工具の刃を狛犬の首に目掛けて近づけます――。
「あー! もうダメー!!」
神様は思わず目を瞑りました。




