「地下墓地の動物園」 海燕
貧者は悲しい死に方をする。
無惨に扱われ、その命を讃えられる事もない。
光を知らない深海の蟹の様に
なんてことだ!!幸福すら知らないのだ!!
炭鉱夫の骸は泥濘に沈められ、
目のない虫と昵懇の友となる。
十字架を恐れ、青泥の中で涙するその魂を
どうか、キリストよ、救い給え。
その名も無き海溝の下では、無数の海淵達が集まり、
その悲しい人生の残骸を食べるのだ。
美しい窓辺に生まれなかった者を
その青い骸骨の知性を憐れむのだ。
ああ、惨めな生き物達よ!!
無数の哀れな貧者の魂を
聖書を読めない海淵達によって
どうか泥に帰してやってくれ。
だがキリストよ、見給え。
ここでは何もかもが腹ぺこで、
与えられたものは全て消化され、
お前の印も圧し折られる。
線虫、渦虫、紐虫、平虫・・・
悲しみから湧いて出たものに、
今宵、神は勝てぬ。