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「地下墓地の動物園」 海燕

作者: 黒実 音子

貧者は悲しい死に方をする。

無惨に扱われ、その命を讃えられる事もない。

光を知らない深海の蟹の様に

なんてことだ!!幸福すら知らないのだ!!

炭鉱夫の骸は泥濘に沈められ、

目のない虫と昵懇の友となる。

十字架を恐れ、青泥の中で涙するその魂を

どうか、キリストよ、救い給え。


その名も無き海溝の下では、無数の海淵達が集まり、

その悲しい人生の残骸を食べるのだ。

美しい窓辺に生まれなかった者を

その青い骸骨の知性を憐れむのだ。

ああ、惨めな生き物達よ!!

無数の哀れな貧者の魂を

聖書を読めない海淵達によって

どうか泥に帰してやってくれ。


だがキリストよ、見給え。

ここでは何もかもが腹ぺこで、

与えられたものは全て消化され、

お前の印も圧し折られる。


線虫、渦虫、紐虫、平虫・・・

悲しみから湧いて出たものに、

今宵、神は勝てぬ。

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