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3話 「幸運」 ①

今日は高光と地元の祭りに来ている。

どうやらこの世界にもみんなで騒ぐようなイベントがあるらしい。


「うおっ!今度はあれたべようぜ!」

「まだ来たばっかりなのに腹壊すぞ、、、。」


俺の話も聞かずに出店へ走っていく。

また吐かれてはこちらもたまったもんじゃない。


「そういえば司は来ないの?」

「ああ、司は練習があるからあとで来るらしい。」


「ふーん、、、。」

「なんだよ。」


高光は少し不服そうに買ったたこ焼きを口に入れる。

どうやら、俺と司の仲の良さに嫉妬しているらしい。


最近は学校ではよく司と一緒にいるせいであまり高光とは話せていない。

だから今日は無理やり俺を引っ張り出してきたのだろう。


「なんか司と仲良すぎない?」

「別に普通だろ。そういうお前はいつも学校でつるんでいるやつと来なくてよかったのか。」


そういうと高光はさっきよりももっと不機嫌そうな顔をする。

ちょっといじめすぎただろうか。


「べつにー。いつも一緒にいるからこういう時こそ遊ばないだけだしー。」

「なるほどな。まあ今日はとことん付き合ってやるよ。」


すると高光も顔は一変して笑顔になる。

まるで犬のようだな。


「さて、俺もなんか食べるか。」


周りを見渡してた食べ物を探す。

見たことのないものばかりで選ぶのが大変そうだ。


少し歩き続けると、「氷」という文字が目に入る。

氷を食べる、、、?氷は相手の身動きを止めるものか飲み物を冷やすものではないのか。


「ん、拓斗はかき氷を食べるの?俺も食べようかなー。」

「いやお前さっきたこ焼き食べたばかりだろ。」

「デザートは別腹だもーん。」


俺と高光はかき氷を買いに店に向かう。

近くに行くとおじさんが大きい声で客寄せをしていた。


「おっ!兄ちゃんたち、仲いいね~。」

「そ、そうかな~。おっちゃん!かき氷二つね!」


高光は機嫌を良くしたのか俺の分まで買ったくれた。

まあ、俺からしたら得でしかないからいいかな。


「ありがとねっ!何味にする?」

「ん~、俺はイチゴ!拓斗は何にする?」


俺は店の前に並んでいる種類を見てすぐに決める。

なんだこの味は想像ができないな、、、。


「俺はブルーハワイかな。」

「よし!ちょっと待ってくれよ~。」


おじさんは氷を削り、器に入れる。

氷にこんな使い道があるとはなかなかやるな。


それぞれが頼んだ味のシロップをかけてかき氷は俺の元に渡される。

真っ青だ、、、。これ、本当に食べられるか?


「おっちゃんからのサービスで多めにシロップかけてあげたからね~。」

「ありがとっ!」


店を離れて近くの休憩所に座る。

すると高光は俺のことをニヤニヤ見ている。


「拓斗ってかき氷好きなの?」

「べ、別にそんなことはないけど。」


どうやら初めて見る食べ物に心なしか楽しみにしているように高光からは見えたようだ。

この世界に来て俺も随分緩くなったみたいだな。


俺は恐る恐る氷を口に運ぶ。

思いのほかおいしくてあのとき食べたラーメンのようにほおばる。


「うっ!頭が!」

「そんなにがっついたらキーンってなっちゃうよ。」


この食べ物はおいしさの代償にそれなりの痛みを伴うのか。

全く、、、油断しすぎたな。


そしてかき氷を食べる高光を見て、俺は目を見開く。

なんと高光の舌が真っ赤になっていたのだ。


「お、おい。お前真っ赤だぞ。」

「え?そりゃいちご食べてるんだからこうなるさ。それに拓斗は真っ青だよ。」


俺は携帯のカメラを起動して自分の舌を見る。

高光の言う通り俺の舌は真っ青になっていた。


「まさかこんなものが存在するなんて、、、。」


高光は不思議そうに俺の顔を見ていた。















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