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プロローグ:あと一歩のところで負けてしまいました。

「やっと追い詰めたぞ!!!」


今にも倒れそうなボロボロの体。相棒の剣も刃こぼれしている。

勇者であるダジルは今まさに魔王との勝負に生死をかけていた。


「貴様ごときにこの私がここまでやられるとは。」


片腕を失った魔王は息切れをしながら立っている。


「まだ嫌味を言う余裕はあるようだな。」


お互いに探りながら残り少ない体力を回復する。


あと一回。これで俺たちの戦いは終わる。

やられていった仲間を頭に思い浮かべながら最後の攻撃へと脳を切り替える。


「そろそろ決着をつけようか。」


少し笑いながら魔王に剣を向ける。


「そうだな、貴様一人やれば私の勝ちだ。」

「それはお前も同じだろ。」


右足に力を入れ、


「いくぞ!!!」


剣を握りしめて走り出した瞬間。





「・・・・え?」


違和感を感じたところに目をやると、腹部に刺さった槍と大量に流れる血が。


「ははは!!いつ私が一人だと言った?」


甲高い笑い声をあげている口から視線は足元に。


その場に倒れた俺は自分が立っていた後ろに気配を感じた。

そこには魔王との戦いでやられたはずの仲間で親友のシンナが泣きながら立っていた。


「ごめんよ、ごめんよ。」


俺は頭が真っ白になった。



なぜ、いつから。負けた。こんなことがあってたまるか。騙された。死ぬ。

頭の中にいろんな感情が巡る。


「これで邪魔者はいなくなった!この世界は私のものだ!!!」


徐々に霞んでいく視界は黒く染まっていく。


「くそがっ!くそがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」




バァン!



「よく眠れたかー?」

聞いたこともない声が頭の中に響く。


「だ、誰だ!?」


咄嗟に声がでた。


「誰だ?じゃない!!放課後教務室に来なさい。」


大勢の笑い声に囲まれながら頭がすっきりしていくのを感じる。



視界が完全に開けたその時、あまりの光景に、


「なんなんだここはっ!!!」

「うるさいっ!!!」


頭に二度目の衝撃が走った。





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