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ŪNDER WΦRLD  作者: 赤神裕
Scene 05:Warning ―警告―
38/85

Episode 31:姑息悪魔バンシー

みなさん、おはこんにちばんわ

第31話になります


続きをお楽しみください!

「まずはお前だ!」


 バンシーがレイラに向かって飛んでいき、右腕を切断した。それだけでなく、足の腱を斬り、レイラを動けなくした。一瞬だった。レイラは痛みにもだえる。


「くあぁぁぁぁぁッ!」


「レイラ!」


 レフォルが大剣を持ってバンシーに斬りかかる。バンシーは巨大な翼で風を起こし、レフォルを吹き飛ばそうとした。レフォルは風除けに大剣を横にして吹き飛ばされるのを防いだ。


 バンシーがレフォルの後ろに回る。そして、長大剣を振るいレフォルを斬ろうとした。レフォルは大剣を背に構えそれを防ぐ。いつの間にか長大剣を奪い二大剣で斬りかかったが、バンシーは後方飛びで距離をとった。


 そこではフォラスがブールと戦っていた。ドリウスもブールの横からランスを振るい応戦していたが全く効いていなかった。フォラスがブールの大刀を弾き、回し蹴りをお見舞いする。ブールが体勢を崩し、バンシーにぶつかった。バンシーは地面に叩きつけられる。


「気をつけろ!」


 バンシーがキレる。ブールは黙ったまま体勢を立て直し、大刀を振るった。大刀はフォラスの両足を斬った。その場に倒れこむフォラス。大量に出血していた。


「これは、やられましたね……」


 フォラスは額に汗をかき、荒い息遣いで壁にもたれかかっていた。そこに大刀が振り下ろされる。ドリウスが間に入りランスでそれを止める。


「大丈夫か! 耐えろ、耐えてくれ!」


「私は、大丈夫です。……後は頼みましたよ」


「フォラス兄さん!」


 レフォルが近寄ろうとする。だが、バンシーが廻し蹴りでそれを阻止する。


「レフォル兄!」


 レイラが叫んだ。バンシーは笑いながらレイラに近づいていった。


 フォラスが壁にもたれかかったまま首をうなだれた。ドリウスの左腕はまだ完全にくっついていなかったが辛うじてその大刀を受けとめた。だが、ブールの力は強かった。ドリウスのランスがミシミシと音をたてる。


 それでもドリウスは退こうとはしなかった。退けばフォラスが斬られるからだ。ドリウスは力をランスに込めて大刀を抑え続けていた。


 一方でアストロは一匹でアビゴイルと戦っていた。


「加勢致す!」


 ブルエが二又の巨大槍を横なぶりに振った。アビゴイルがサッと避ける。


「お前さん、こっちに来て良いのか?」


「相手が槍ならこちらも戦いやすいのでな。レイラはレフォルに任せまする」


 ブルエが巨大槍を腰に構える。アビゴイルは両刃の槍を天地に構えた。この両刃の槍も悪魔化する前とは形を変えてより鋭く、より大きくなっていた。


 アビゴイルが天地に構えた槍の柄を下から掬い上げてブルエの喉を狙った。ブルエはそれを避け、巨大槍をアビゴイルの身体目がけて突き刺す。アビゴイルは片手でそれを受け止めた。そして突き返す。


 アビゴイルの力は強かった。ブルエの何倍もあった。ブルエは突き返された槍を回転させ柄の方で鎧を叩き割ろうとした。弾かれる。ブルエが体勢を崩す。そこにアビゴイルの槍が横なぶりに振られた。アストロが咄嗟に青い光の槍を出して受け止める。バリンと大きな音がして光の槍は一瞬にして消え去った。


 だが、それのおかげでアビゴイルが振るった槍の威力とスピードが弱まる。ブルエが槍でそれを受け止めた。


「おっと、そのまま動くなよ!」


 その声に皆が振り向く。そこには右腕を切断され、腱を斬られたレイラが左手で弓を構えて浮いていた。


「動いたらこいつの命はねぇぞ?」


 バンシーがレイラの首元に長大剣を突きつけた。先ほどレフォルに奪われたものとは別の長大剣である。医療団メンバーはもちろん、アストロとドリウスも手を止めた。


「わしに構うな! 早う戦え!」


 レイラは叫んでいた。


「いいねぇ。美しい叫び声だ」


「バンシー! 汚い真似は止めろ! 騎士の名に泥を塗る気か!」


 アビゴイルが叫んだ。バンシーは笑っている。バンシーがレイラの左腕を持つ。それをレフォルに向けた。バンシーが右手で矢を番える。


「止めろ! 止めてくれ! レフォル兄は関係ないじゃろう! 殺すならわしを殺せ!」


「なるほど。お前の兄だったのか。丁度いい。お前の手で、兄を殺すのだ」


 レイラが抵抗して左手を動かそうとする。しかしレイラの左腕は強い力で押さえつけられており、まるで石になってしまったように動かなかった。レフォルは向けられた弓の狙いが外れるようジリジリと後ろに下がろうとする。


「動くな! 動けばお前の妹が死ぬぞ?」


「馬鹿な真似はよせ!」


 アビゴイルがバンシーに命令する。バンシーが笑った。アビゴイルはバンシーに向かって走っていく。スッとレイラの弓がアビゴイルに向けられ矢が放たれた。矢は真直ぐにアビゴイルに向かっていく。アビゴイルは巨大槍を構えた。


 だが、バンシーの能力によって加速した矢は巨大槍をすり抜けてアビゴイルの鎧を砕き心臓を貫く。アビゴイルは吐血しガクッと倒れこんだ。


「指揮官! バンシー……貴様!」


 ブールが大刀をバンシーに向けた。ドリウスがバンシーを睨んでいる。アストロもまた同じようにバンシーを睨んでいた。レイラの手から再び矢が放たれる。ブールに向けられたものだった。ブールは大刀を構えて矢を真二つに切り裂いた。


「何をしておる! わしのことはいいから、さっさとこやつらをやるのじゃ!」


 レイラが再び叫ぶ。瞬間、矢が放たれた。レフォルに向かって飛んでいく。防ぐ間もなく、射抜かれた。


「レフォル兄! 止めろぉ! わしは、わしは!」


 レイラが泣き叫んだ。バンシーが笑っている。ブールはバンシーの尻尾を捕らえた。そのまま地面に叩きつける。レイラもまた地面に叩きつけられ気を失った。

読了お疲れ様です。

いかがでしたでしょうか。


今回は青の騎士団よりバンシーについてです

モデルはソロモン72柱の悪魔で公爵のバシンです。

バシンは蛇の尻尾を持ち、青い馬に乗り、素早さと愛想の良さにおいて他に勝るものはない男性と言われています。


本作では爽やかイケメンで愛想が良く、蒼馬に乗っているという点では元のバシンから持ってきていますが、悪魔化するとかなり姑息な手を使うような正に悪魔のような化物に変貌します。

一言でいえばイケメンクz……。おっと誰か来たようです(殴)


さて、バンシーの罠に引っ掛かってしまったレイラ。

レフォルが射抜かれてしまいました。

フォラスも瀕死の大ピンチ!!

どうなるアストロ。どうなるドリウス。どうなる男の子!!

第32話をお楽しみに~♪


それではまた次回お会いしましょう!!

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