第八語 虚像
皆さんお久しぶりです。
お忘れではないですよね?そう、語部です。
久しぶりの語り部ですが今回の語りは”人数”に注意してください。
それでは久しぶりの語り部。
どうぞ。
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人は皆、一人ぐらいは心を開くことができる相手がいる。
交友関係の狭い僕にだって居る。
そんな彼はいつもトイレや服屋、道路でよく出会う。
彼は僕に会うと、いつもこう言う。
「君は僕のかけがえのない親友だよ。これからもよろしくね」
彼の言葉は、僕の心に、記憶に深く刻み込まれていった。
そんな彼に僕は最近、引け目を感じてきている。
理由は周囲の視線だ。
彼は周りから見ればかなりしっかりとした様相だろう。
それに比べ僕は、みすぼらしいような雰囲気で彼には遠く及ばないだろう。
傍から見れば、釣り合いの取れてないような組み合わせだ。
それを物珍し気に見てくる視線が、僕には苦痛だった。
そんな僕を気にしてか、最近は彼と出会える頻度もめっきり減ってしまった。
彼に会えなくなった僕の心は日に日に病んでいった。
遂に、僕は心の病気にかかり、薬を使わなければならなくなった。
薬を飲むと、全く姿を見せなかった彼が姿を現すようになった。
やっぱり信じられるのは彼だけだった。
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さて、今回の語り部はどうでしたでしょうか?
この話の登場人物は本当に二人だったのか?
トイレや服屋、道路でよく会うという彼は、いったい何だったのか?
そして、何故彼は薬を使ったら再び姿を現したのか?
不可思議な部分をどう解釈するか、それはこの語り部を読んだ貴方次第です。
では、
次の語り部まで
Au revoir