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力戦奮闘の冒険者  作者: レモンパイ
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拠点変更

突然だけど、私はコルニカ共和国に拠点を変えようと決意した。なぜなら、人間達の国をこの目で見てみたいからだ。カレンディア王国にも人間はいるけど、かなり少数だし、何より人間の統治する国じゃない。


カレンディア王国を治める王様はどの種族にも属さないらしい。王様の見た目は全身に長くて黒っぽい緑の毛が身体中に、顔が見えないほど生えている。とても不気味だ。王様だけじゃなくて、聖なる一族の人達はみんなそうだ。


カレンディア王国は権力集中制だからこそ、成り立っている。多種多様な種族をまとめるには、強力なリーダーが必要だからだ。民主主義だと、純粋に多数派が勝つ可能性が高い。一部の種族を優遇する政策を取ったりしたら、みんな自分の種族に誇りを持っている。そんな事になれば、多種族から反発を受けて、内戦が起きかねない。


コルニカ共和国は民主主義の国という事で、カレンディア王国とは異なる政治体制だという事に興味を持った。選挙権はコルニカ人の人間しか持つ権利はないらしい。




イザベラとミシェルにコルニカ共和国に拠点を移す事を話した。2人とも悲しそうだったけど、私を応援してくれた。



ーーー


馬車で5日間、移動してコルニカ共和国に着いた。

早速ギルドで登録をしよう。証明書を見せれば、ランクは引き継がれる。ギルドは世界1つに統一されてるからだ。


ギルドの登録が終了した私は、仲間を作る事にした。できれば、同じランクの人達とパーティが組みたい。誰かいないかな?私がギルドの中を歩き回っているとーーー


「ゴブリンの討伐を受けてみようぜ!」


私が声がした方を向くと、そこには3人の冒険者であろう人達がどのクエストを受けるかで話あっていた。3人とも人間で、3人とも私と同じくらいの歳に見えた。私より少し年上っぽい、インナーの上に革の鎧を着た、片手用の剣と丸い小さな、金属の盾を装備している男の人。何も武器を持っていない、黒いローブを纏った女の子。魔法使いかな?もう1人は軽装な服を着た、弓を装備している男の人。


「あのっ!」


私の声に3人が振り向く。3人とも私をまじまじと見ている。この国にも亜人種はいた。ほとんどが人間だけど。竜人族は亜人種の中でも珍しいからなぁ。


「私も同じクエストを受けたいんだけど、一緒にやりませんか?」


「まぁ、別にいいけど。ランクは?」


片手剣と盾を装備した男の人が私に聞いた。


「Dです。」


「Dか!奇遇だな!俺達もDランクなんだ!俺はジョン。」


「エミリーよ。」


「ダニエルだ。」


「私はクレア。」


簡単な自己紹介の後、ゴブリンの討伐依頼を受けた。この近くの村で、畑を荒らしたり、人を襲ったりしているらしい。ゴブリンに襲われて、死亡した人間も出たとの情報も、クエスト内容に書いてあった。ゴブリンは私が受けた、雑魚同然のスライムと違って、危険だ。そこまで強くはないけど、群れをなして、武器を持って襲ってくる。油断したら、命を落とすかもしれない。


本格的な実戦は、大蛇の時以来だ。スライムは実戦の内に入らない。


ーーー


村の近くの森に着いた私達は、早速ゴブリンの討伐に取り掛かった。今回はギルドの人がゴブリン の死体を確認するので、私達が「証拠」を持って帰る必要はない。


「ゴブリンは洞窟によくいる。俺はこの辺りに洞窟があるのを知ってるんだ。」


ジョンがそう言って、森の奥に入っていって、私達も後に着いて行くと、確かに洞窟を見つけた。



「まだ、近づくなよ。中には何が潜んでいるか分からない。」


ダニエルがそう言って、弓を構えた。


しばらくして、洞窟から小さな、緑色の肌をしたゴブリンが次々と出てきた。手には木でできた棍棒や、人間の物であろう農具を持っている。人間の村を荒らしに行くつもりだ。


この洞窟がゴブリンの巣だと確信した私達はすぐさま戦闘に入った。


ダニエルが弓を撃ち、エミリーは周りに火の玉を作り出し、ゴブリンに次々と当てていった。


外のゴブリンを倒した。私達は洞窟に突入した。中には20匹程のゴブリンがいた。ゴブリン達が私達に気づいたと同時に私の1番近くにいたゴブリンを斬りつける。


ゴブリン達は武器を構えた。ジョンが盾でゴブリンの棍棒を受け止めて、剣で斬りつける。ダニエルは私達を後ろから援護している。エミリーは氷の槍を作り出し、ゴブリンに向かって発射する。


そして、洞窟内のゴブリンを全滅させる事ができた。


洞窟内には、村から奪った農具や作物、衣服などがあった。そして、人骨も見つかった。ゴブリン が攫ってきた人間を食べたのだろう。吐きそうになった。




ギルドの役員がゴブリンの死体を確認し、報酬を受け取った。


「もしよかったら、俺達とパーティを組まないか?」


ジョンが私にそう言った。


「みんなもいいよな?」


「私は賛成よ。」


「俺も、近接役がいるのはありがたい。」


そして、私はジョンのパーティに加わった。









クレアの髪と目の色は赤です。

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